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2007年3月10日 (土)

DVD『ジプシーは空に消えた』を観て

 先日映画紹介の中で書いた『ジプシーは空に消えた』のDVDを、娘が勤務する書店から注文できるというので、注文していた。

 それが昨日届き、今日になって観たが、哀切そのものの、祈るような歌声に、冒頭から胸が潰れるようで……。

 涙、涙で、見終わった。

 昔――大学時代に観たときは、ジプシーたちの生きざまの奔放さ、歌や踊りの迫力、草原の雄大さなどに圧倒されたものだが、中年になった今になって観ると、放浪する少数民族である彼らの生活苦がひたすら胸に迫ってきた。

 映画の中で喧嘩っ早いジプシー同士が剣で格闘する場面がある。それをとめた別のジプシーが、やめろ、ジプシーの数が減るという言葉など、胸を突く。

 彼らの生活苦がこれほど胸に響いてくる理由の一つには、現在の日本の不安定さ、自国の法的保護の外に沢山の人々を追いやっている新自由主義政策のとどまるところを知らない拡大があるだろう。

 ジプシーの困難な生き様が、他人事ではないものとして迫ってくるのだ。そう感じながら映画を観ていると、よけいにあの美しい、大地と一つになったような音楽が貴いものとして聴こえてくる。

 話は変るが、昔から文通していただいているあるかたに、同人雑誌とブログの記事をいくつかコピーして送っていた。

 返事の手紙がきたのは嬉しかったが、年々読みにくくなっていくような気がしていた文字が……半分も読めない。

 元々が個性的な字であるうえに、老眼の進行があって、他人にはひどく読みにくい文字となったのだろう。これは、少しずつ解読していくしかないなあ。外国語よりも難しいよ、これは

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