「本日の俳句鑑賞」再び④:これまでに紹介した俳句(07.2.4~3.25)
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2007. 2. 4 みんな夢雪割り草が咲いたのね (鷹女)
5 春草や光りふくるる鳩の胸 (たかし)
6 くぐり見る松が根高し春の雪 (久女)
7 立春の雪白無垢の藁家かな (茅舎)
8 花買はな雪解け窓を押し開き (鷹女)
9 春寒や貝の中なる桜貝 (たかし)
10 逆潮をのりきる船や瀬戸の春 (久女)
11 蕗の薹小さき壷の緑かな (茅舎)
12 詩に痩せて二月渚をゆくはわたし (鷹女)
13 二三枚重ねて薄し桜貝 (たかし)
14 春寒の銀屏ひきよせ語りけり (久女)
15 びびびびと氷張り居り月は春 (茅舎)
16 早春へ無人自転車を走らす (鷹女)
17 雪残る汚れ汚れて石のごと (たかし)
18 春浅く火酒したたらす紅茶かな (久女)
19 一枚の餅のごとくに雪残る (茅舎)
20 二ン月の砂に生まれしがうなかな (鷹女)
21 あまたたび雪にいたみし椿咲く (たかし)
22 春寒やうけしまゝ置く小盞 (久女)
23 朝靄に梅は牛乳より濃かりけり (茅舎)
24 満ちくればすみれ色なり春の潮 (鷹女)
25 流れ来し椿に添ひて歩きけり (たかし)
26 函を出てより添ふ雛の御契り (久女)
27 春水の底の蠢動又蠢動 (茅舎)
28 雛の夜は雛に仕えて老いざりき (鷹女)
2007. 3 1 処女(をとめ)みな情(なさけ)濃かれと濃白酒 (たかし)
2 古雛や花のみ衣(けし)の青丹美し (久女)
3 春昼や人形を愛づる観世音 (茅舎)
4 椿落つむかしむかしの川流れ (鷹女)
5 流れつつ色を変へけり石鹸玉 (たかし)
6 岩壁を離れし巨船春の雪 (久女)
7 啓蟄を啣(くは)へて雀飛びにけり (茅舎)
8 春の夢みていて瞼ぬれにけり (鷹女)
9 物の芽のほぐれほぐるる朝寝かな (たかし)
10 ぬかづいてねぎごと長し花の雨 (久女)
11 燕や烈風に打つ白き腹 (茅舎)
12 女の香のわが香をきいてゐる涅槃 (鷹女)
13 萌え草をまだ枯草の包む頃 (たかし)
14 甦る春の地霊や蕗の薹 (久女)
15 囀りの清らに覚めぬ僧坊夢 (茅舎)
16 おもひでのあれば水草かくは生ふ (鷹女)
17 春山の大圏の中高知城 (たかし)
18 春光に躍り出し芽の一列に (久女)
19 ぜんまいののの字ばかりの寂光土 (茅舎)
20 すみれ摘むさみしき性を知られけり (鷹女)
21 蝌蚪生まれて未だ覚めざる彼岸かな (たかし)
22 盆に盛る春菜淡し鶴料理る (久女)
23 蜂の尻ふわふわと針をさめけり (茅舎)
24 梅花ころげ合ふ古里の皿囃子 (鷹女)
25 めりがちの鼓締め打つ花の雨 (たかし)
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