クリスマスイブに(蔵出しの自作詩)
入京
エルサレムの白いひろがりが
たたずむ仔ろばの足をひたす
仔ろばは耳を澄ますようにして立っていた
灰真珠色の外套に包まれて
主がほのかに座していらっしゃるからだ
至純の思念が沁みついた外套を
いくつもの手が触った
翼のない苦しみには
この外套がいくつあっても不足だ
縫い目のない下着を剥ぎ取っても
まだ不足だ
ひそやかな流血の予兆が
たたずむ仔ろばの足を冷たくする
「主の名によって来られる王に祝福があるように。
天には平和、
いと高き所には栄光」☆
主は都のうつくしさに泣かれた
☆「新訳聖書」フランシスコ会聖書研究所訳、中央出版社、1980年
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コメント
今晩は。
怠慢にして、しかも読解力無く、意味をしっかりととれないままに、webで見つけた「矢内原忠雄の聖書からみた平和論」を手がかりに、久しぶりにイエスに思いを馳せました。
作品「入京」の中に私なりに平和を感得させていただきました。 先駆的な日本国憲法第九条の平和の理念にも通ずるようにも思えました。
入京を待つ厳粛な情景が細やかな優れた描写を通じリアルに迫って来ます。
聖書の豊かな内容は本当に人類の宝ですね。
今晩はお蔭様で、イエスの誕生のお話とは違った面からの、創造的なイブの時間をおくれました。 有難うございます。
投稿: hamham | 2006年12月24日 (日) 21:36
マダムNさん、こんばんは~
メリー・クリスマスで~す!
今日はお得意のケーキを焼いたんですか?
気になるなぁ~。
私、何故か今日はケーキを食べ損ねちゃったんですよね。
マダムNさんに素敵なサンタさんが来ますように・・・
投稿: まる | 2006年12月24日 (日) 23:21
hamhamさん、おはようございます。
わたしの下手な詩を、読んでくださったのですか~、ありがとうございます。わたしには、何よりのクリスマスの贈りものとなりました。
25年くらい昔になりますが、独身時代に新約聖書やキリスト教文化に惹かれ、しばしばカトリック教会へ出かけて、神父さんたちと会話を交わしていた時期がありました。その頃に書いた詩です。
キリスト者にはなりませんでしたが、新約聖書の中のイエスの言葉はすばらしいと思っていて、よく読み返します。
この寒空、クリスマスで街が華やいでいるときに、政府の新自由主義政策のせいで増えたホームレスの人々は、どんな気持ちでいらっしゃるのだろうと思います。
ただでさえつらい境遇なのに、最近はホームレス狩り(ぞっとさせられる言葉!)が目立ちますね。
故マザーテレサが来日されたとき、日本人の心の貧しさを批判していたことを思い出します。が、心の貧しさが日本人の性質というわけではありませんで、やはり、第一には政治から来ているものだと思います。
テレサ来日の頃は働く人のゆとりのなさ(立派な憲法、労働法があるのに、徹底されていない)が、今は血も涙もない新自由主義政策の加速が、日本人を索莫とした心理に追い込んでいますね。
逆の考え方をすれば、政治がいいほうに変れば、日本も潤いのある、真に美しい国になれるということですよね、hamhamさん。
投稿: マダムN | 2006年12月25日 (月) 05:33
まるさん、メリークリスマス~!
ケーキを食べ損なったなんて、可哀想…。ケーキは作りませんでした。買ったケーキはスポンジがふわふわで、中にカスタードが挟んである生クリームケーキ。
なぜかケーキにのっているサンタさんは両足開いて座っていて、嬉しそうに贈り物の箱を抱いているの。贈り物を配るっていうより、自分で自分にプレゼントしているみたいな変なサンタ人形でした。
美味しかったわよ。砂糖でできたサンタさんは娘に食べられたけれど。。。
投稿: マダムN | 2006年12月25日 (月) 05:46