「本日の俳句鑑賞」再び②:これまでに紹介した俳句(06.11.7~12.31)
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2006.11. 7 金屏風立てしがごとく焚火かな (茅舎)
11. 8 ひた泳ぐ白鳥遠きものを視て (鷹女)
11. 9 夢に舞ふ能美しや冬籠 (たかし)
11.10 戯曲読む冬夜の食器漬けしまゝ (久女)
11.11 鼠らもわが家の子よ小夜時雨 (茅舎)
11.12 一片の白い浮雲が天のマスク (鷹女)
11.13 ストーブの口ほの赤し幸福に (たかし)
11.14 ストーヴに椅子ひきよせて読む書かな (久女)
11.15 雪の原犬沈没し躍り出づ (茅舎)
11.16 暖炉灼く夫よタンゴを踊ろうか (鷹女)
11.17 雪嶺の紅を含みて輝けり (たかし)
11.18 身にまとふ黒きショールも古りにけり (久女)
11.19 冬木立ランプ点して雑貨店 (茅舎)
11.20 人の世へ覚めて朝の葱刻む (鷹女)
11.21 水仙や古鏡の如く花をかかぐ (たかし)
11.22 足袋つぐやノラともならず教師妻 (久女)
11.23 純粋に木の葉ふる音空は瑠璃 (茅舎)
11.24 落葉 落葉落葉臥床の中にも降る (鷹女)
11.25 飲食(おんじき)に汚れし爐辺や草の宿 (たかし)
11.26 わが歩む落葉の音のあるばかり (久女)
11.27 月光に深雪の創のかくれなし (茅舎)
11.28 夜はタンゴ氷のように火のように (鷹女)
11.29 深雪晴非想非非想天までも (たかし)
11.30 六つなるは父の布団にねせてけり (久女)
2006. 12.1 氷る夜や抱きしめたる菩提心 (茅舎)
12.2 母子踊る粉雪の如く静寂に (鷹女)
12.3 綺羅星は私語し雪嶺これを聴く (たかし)
12.4 寄鍋やたそがれ頃の雪もよひ (久女)
12.5 冬木立月光棒のごときかな (茅舎)
12.6 北風のここに一羽の鸚鵡かふ (鷹女)
12.7 雪だるま星のおしやべりぺちやくちやと (たかし)
12.8 寒林の日すぢ争ふ羽虫かな (久女)
12.9 渦巻いて芒は雪を被り居り (茅舎)
12.10 寒満月こぶしをひらく赤ん坊 (鷹女)
12.11 目のあたり浴泉群女深雪晴 (たかし)
12.12 風邪の子や眉にのび来しひたひ髪 (久女)
12.13 物陰に月の雪あり一ちぎれ (茅舎)
12.14 冬雲の行方を誰が知りませう (鷹女)
12.15 み雪ふる浴(ゆあ)めば処女(をとめ)茜さし (たかし)
12.16 ホ句たのし松葉くゆらせ暖炉たく (久女)
12.17 雪の中膏(あぶら)の如き泉かな (茅舎)
12.18 枯木山枯木を折れば骨の匂ひ (鷹女)
12.19 雪満目温泉を出し女燃えかがやき (たかし)
12.20 ひとり居も淋しからざる火鉢かな (久女)
12.21 滝壺のつらら八寒地獄之図 (茅舎)
12.22 雪粉雪受話器を流れ来たる声 (鷹女)
12.23 白猫の綿の如きが枯菊に (たかし)
12.24 雪道や降誕祭の窓明かり (久女)
12.25 雪晴の障子細めに慈眼かな (茅舎)
12.26 脚組んで極月の灯の高階に (鷹女)
12.27 炭竈の火を蔵したる静かかな (たかし)
12.28 炭ついでおくれ来し人をなつかしむ (久女)
12.29 寒雀手毬のごとく日空より (茅舎)
12.30 氷上に卵逆立つ うみたて卵 (鷹女)
12.31 行年の大河をはさみ宿(しゅく)二つ (たかし)
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