『返り咲いた薔薇』を書き始める、パムク氏の小説は100頁
昨日は思うように小説のための時間がとれなかったが、短編小説のプランを練り、書き始めた。まだ3枚。この時点では物になるかどうかわからないので、いつでもエッセーに切り替えることができるように、パムク氏の小説『わたしの名は紅』も読んでいる。
自分の小説にのめり込むと、一定の時間が経つと疲れるので、休憩時間をパムク氏の小説にあてることにした。読書とわたしの創作は今のところ、いい関係だ。パムク氏の小説は落ち着きを与えてくれ、自分も書きたいという意欲を掻き立ててくれる。
このところ、よく心臓の発作が起きて脅かされたが、これは創作姿勢にはいい影響を及ぼした。もし明日がこないのだとしたら、今日書く小説に何を盛りたいか、盛らねばならないかということを考えさせられ、賞狙いのときとは違った姿勢が生まれたのだ。
以前は、もっといい医師にかかりさえすれば、という現状不満と未来への期待があった。だが、ここに引っ越してきてからはいい医師に恵まれ、現状の満足と未来が見えない感じを覚えている。だからもう、単なる楽しみや世俗的な価値観のために書く気にはなれない。自分にしか書けない小説を書きたい。
娘が昨日、シフォンを焼いていた。うまくふくらんでいたのに、焼く時間が長すぎたのと生地から空気を抜くときにちょっとやりすぎたせいか、型から取り出してみたらぼろぼろで、がっかりしていた。
シフォンは難しいらしい。わたしのシフォン第1作目も、高さが足りず、中のほうが少ししっとりとしすぎていた。卵の白身を泡立てて、それでふくらませるのだから、生地を安定させるのに手こずるのは当然だろう。とてもデリケートな作業なのだ。
創作もこれに似ている。メレンゲのようにわたしの創作意欲も自ずから掻き立てられているが、作品を進める中でこれをますます掻き立てることで安定させ、作品をうまく形成する確かな力としなければならない。短編小説らしい凛とした締まりを与え、意外性と奥行きとを与えなければならない。
長編とは違って、短編は短期決戦だ。失敗か、成功かのどちらかしかない。さあて、今日も書くぞ! オー!
※パムク氏の記事は多くて、右サイドバーのカテゴリーに「オルハン・パムク」の項目があります。クリックなさって、ご参照ください。
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 芸術の都ウィーンで開催中の展覧会「ジャパン・アンリミテッド」の実態が白日の下に晒され、外務省が公認撤回(2019.11.07)
- あいちトリエンナーレと同系のイベント「ジャパン・アンリミテッド」。ツイッターからの訴えが国会議員、外務省を動かす。(2019.10.30)
- あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」中止のその後 その17。同意企のイベントが、今度はオーストリアで。(2019.10.29)
- あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」中止のその後 その16。閉幕と疑われる統一教会の関与、今度は広島で。(2019.10.25)
- 天も祝福した「即位礼正殿の儀」。天皇という存在の本質をついた、石平氏の秀逸な論考。(2019.10.23)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- トルストイ、イルミナティ、マルクス……と調べ出したらきりがない(2016.09.07)
- 連続して起きると頭がフラフラしてくる不整脈とマイナス思考(2016.01.04)
- 癌と闘っている、双子みたいな気のする男友達 ⑤一般病棟に復帰(2015.05.19)
- 幼馴染みから、30年ぶりの電話あり。久しぶりに動画で観た安奈淳(追記あり)。(2015.04.15)
- 癌と闘っている、双子みたいな気のする男友達 ③ああよかった、まだ生きていた!(2015.03.01)
「文学 №1(総合・研究) 」カテゴリの記事
- 著名なヨガ行者パラマンサ・ヨガナンダと前世療法における「前世の記憶」の様態の決定的違い(2021.02.13)
- 高校の統合で校歌が70年前のものに戻っていたので、作詞者と作曲者について調べてみました(夕方、数箇所の訂正あり)(2021.02.08)
- ヴァイスハウプトはロスチャイルドに依頼されてイルミナティを作った ⑤(2021.01.30)
- ヴァイスハウプトはロスチャイルドに依頼されてイルミナティを作った ④(2021.01.28)
- バイデン新大統領の就任式とマーシャルレポート(2021.01.22)
「創作関連(賞応募、同人誌etc)」カテゴリの記事
- ツイッターで問題となっている、芥川賞候補作「百の夜は跳ねて」(古市憲寿)。8月15日に追記あり、赤字。(2019.08.15)
- 戦後日本の文学を支え続けてこられた優れた昭和の作家、田辺聖子さんが逝去された(2019.06.10)
「オルハン・パムク」カテゴリの記事
- またノーベル文学賞の発表の季節ですか(2008.10.05)
- 入院14日目⑤読書ノート∥オルハン・パムク『雪』№1(2008.08.25)
- 村上春樹とオルハン・パムクについて若干(2007.07.21)
コメント