「本日の俳句鑑賞」再び①:これまでに紹介した俳句(06.9.20~11.6)
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2006.9.20 白露に鏡のごとき御空かな (茅舎)
21 颱風はいそぎんちやくの躍る闇 (鷹女)
22 虫時雨銀河いよいよ撓んだり (たかし)
23 紫陽花に秋冷いたる信濃かな (久女)
24 白露に薄薔薇色の土龍の掌 (茅舎)
25 秋風や水より淡き魚のひれ (鷹女)
26 ニコライの月と夜学生と旧神田区 (たかし)
27 白萩の雨をこぼして束ねけり (久女)
28 金剛の露ひとつぶや石の上 (茅舎)
29 どんぐりの樹下ちちははのかくれんぼ (鷹女)
30 ゆふべゆふべ薄の中に灯る家 (たかし)
2006.10. 1 好晴や壷に開いて濃竜胆 (久女)
2 ぎんなんのみどり子落ちて露涼し (茅舎)
3 女一人佇てり銀河を渉るべく (鷹女)
4 十棹とはあらぬ渡しや水の秋 (たかし)
5 白妙の菊の枕をぬひ上げし (久女)
6 白露に阿吽の旭さしにけり (茅舎)
7 夜ぞこれのカットグラスに星あふれ (鷹女)
8 我庭の良夜の薄湧く如し (たかし)
9 月高し遠の稲城はうす霧らひ (久女)
10 身をほそめとぶ帰燕あり月の空 (茅舎)
11 秋の蝶です一本の留針です (鷹女)
12 木曾谷の奈落に見たる銀河かな (たかし)
13 鶴舞ふや日は金色の雲を得て (久女)
14 二三点灯りし森へ月の道 (茅舎)
15 骨透いて蟲よ不眠の夜が来る (鷹女)
16 乗鞍は凡そ七嶽霧月夜 (たかし)
17 菊白しピアノにうつる我起居 (久女)
18 白樺の霧にひびける華厳かな (茅舎)
19 りんりんと白萩しろし木戸に錠 (鷹女)
20 山山を覆ひし葛や星月夜 (たかし)
21 向う山舞ひ翔つ鶴の声すめり (久女)
22 うち仰ぐ月さかしまに雲に乗り (茅舎)
23 うつうつと一個のれもん姙れり (鷹女)
24 南縁の焦げんばかりの菊日和 (たかし)
25 月光に舞ひすむ鶴を軒高く (久女)
26 秋晴るゝ絶壁波の相をなす (茅舎)
27 老いざまや万朶の露に囁かれ (鷹女)
28 秋晴れの何処かへ杖を忘れけり (たかし)
29 舞ひ下りてこのもかのもの鶴啼けり (久女)
30 露の玉大きうなりぬ鵙猛る (茅舎)
31 この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉 (鷹女)
2006.11. 1 石垣の不壊金剛の石の秋 (たかし)
2 大空に舞ひ別れたる鶴もあり (久女)
3 秋風に砂丘に杖を突き刺し立つ (茅舎)
4 霧の館に双生児でうまれ鉄砲百合 (鷹女)
5 天竜に添うて霧たつ盆地の夜 (たかし)
6 ジム紅茶すゝり冷えたる夜長かな (久女) →(②へ)
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