昨日の夕飯(しらたきのかか煮)
昨日の夕飯は、秋刀魚の塩焼き、しらたきのかか煮、ポーチドエッグサラダ、じゃがいもとねぎの味噌汁でした。
たまには別の料理法を、と思ったりもするのですが、秋刀魚を見ると塩焼きが食べたくてたまらなくなり、どうしてもこうなってしまいます。確か秋刀魚は今秋4度目です。
この秋刀魚の容貌は、前回料理した現世に思いを残して他界したかに見える見目麗しい秋刀魚に比べると、尖った精悍な印象です。何だか鮫みたいな顔。お頭つきの魚を料理するたびに、魚の容貌を観察してしまう癖、どうにかならないものかしら。
ポーチドエッグのほかに、サニーレタス、ブロッコリー、スライスした玉葱、きゅうり。それに、一昨日イタリア展で買ったオリーブとトマトのピクルスを切って散らしました。フレンチドレッシングがかかっています。
ドレッシングは4人分で、サラダ油大さじ3、酢大さじ2、塩小さじ2/3、砂糖・コショウ少々。
しらたきのかか煮は、結婚して初めて買った『365日のおかずと献立』(主婦の友社)に載っていたもので、これまでに数えきれないくらい作りました。
この本、幼児だった頃の子供たちが好きに破ってしまって、ぼろぼろです。奥付も破られてしまって見当たらず、初版年月日がわかりません。
夫の同僚の奥さんと新婚時代に盛んに行き来がありましたが、偶然にも、彼女も同じ本を購入していました。歩いて15分のところに相手の家があり、毎日のように会っては一緒にお昼を食べ、昼寝をし、この本をのぞきながら、夕飯の献立を考えました。
わたしの母は亡くなっていましたし、彼女も母親に甘えられない事情がありましたから、今思えば、互いが互いの母親役をもつとめていたように思います。その若さでは相談を受けたほうもどうしていいのかわからず、ふたりで途方に暮れてしまうこともよくありました。
そんなわたしたちの喜怒哀楽と共にあった料理の本は、今なおわが家では現役です。彼女は現在福岡市に住んでいて、わたしは大分市と離れ、めったに会わなくなりましたが、たまに電話で話すと、友人というよりは肉親と話すような感覚があります。
彼女は演歌が上手で、独身時代にはスカウトされたこともあったとか。その当時はまだ恋人だったご主人に相談すると、「行くんなら、俺と別れていけ。そのうち、ドサまわりになるのが落ちだ」といわれ、悩み迷った末にご主人を選んだのだそうです。
幸福そうな家庭を築き、今はある会社の正社員として忙しい毎日を送っている彼女ですが、昔も今も、ちょっぱり生活に、ご主人に疲れたとき、「ねえ、Nちゃん。ご主人が好き? 愛してる?」と訊いてくる癖があります。
わたしはその質問にいつまで経っても慣れることができず、妙に馬鹿正直な答えかたをしてしまうのですが、その何気ない、でも、ほろりとくるような物言いには、真剣に答えなければならないような気にさせられるのですね。
彼女は歌手の夢、わたしは作家の夢、叶わなかった夢をわたしたちは抱いています。いえ、つい人生が終ったかのような過去形を使ってしまいましたが、まだわかりません、叶うか叶わないかは――。
話が脱線しましたが、しらたきのかか煮の作りかたを、本から簡単にご紹介します。
①しらたき1玉はサッとゆでてざるにとり、3~4cm長さに切る。
②鍋に油大さじ1を熱し、充分に炒めて、しょうゆ大さじ2.5、砂糖小さじ2を加え、箸でかき混ぜながら味を充分につける。
③最後に削り節を1/4カップ入れ、全体にまぶしつけるようにして仕上げる。
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