素敵…
ガタンと玄関で音がしたと思ったら、「ちょっと、忘れ物した」といって夫が姿をあらわしました。忘れ物を取りに会社から戻ったようです。
それが、いつも家で見る夫とは違って、生気に満ち、律儀そうに、きりっとしていて、それでいて感じのよい穏やかさがあり、普通男性には使わないチャーミングという言葉を使いたくなる魅力があって……すてき……。
なあんて、すみません、みっともなくノロけちゃって。
こんな夫の姿は年に1度見られるかどうかで、わたしには貴重な、日常の思いがけないひとコマだったのです。
惚れ直すという言葉がありますが、まさにそうでした。
今の夫しか伴侶にしたことがないので、働く伴侶が一般的にどうなのかは知りませんが、おおかたの働いている人は家で気をぬくものと割り引いて考えてみても、彼は家でかなり気をぬくほうだと思えます。
ひどく間がぬけて見える夫、まれにハイドな夫――だけ見ていると(※家庭の波乱(←ファイヤー!)に興味があるかたはこちら及びこちらへどうぞ)、わたしの愛情も枯渇してしまいそうになりますが、こんな彼をたまにでも見ると、やっぱり自分は彼と結婚したくて結婚したのだということがしみじみわかります。
だからといって、「波乱」で描いた問題点が消滅したわけではないので、彼といいかたちで添い遂げるためにも、知恵を働かせなければと思っています。
で、外界での清爽な雰囲気を纏って一時帰宅した彼に対し、わたしはどうだったでしょう?
だっらしなく寝ていました。
思わず「あら、うっかり寝ちゃった。もう起きなくちゃ!」などとあわてて変な言い訳をしましたが、夫は気にする風でもなく、「今日はちょっと遅くなるから」と柔和にいって、また会社へ出かけて行きました。
ただ、こんなわたしの態度にも、問題があるのかもしれません。具合が悪くて寝ていたということを、仮に嫌な思いをさせようと、ちゃんというべきだったという気がします。こんなことを繰り返してばかりいるから、協力して貰えるところもして貰うのが難しいということになるのだ、ということに今更ながら気がつきました。
でも、夫は、わたしが具合悪そうにしていると、極度に怯えて怖がるし、下手をすれば逃げ出したり、プッツンすることだってあるのです(そんな過去がありました)。
ですから、むしろ悪妻風に、自分が好きな書くことと昼寝にひたすら没頭するグータラ妻と見せかけるほうが楽なのです。
とはいえ、これでは何かのときに自分も夫も困るだけだということははっきりしています。これも今後の課題として、真剣に取り組んでいく必要があります(こんなこと、一般公開したってはじまりませんが)。
循環器科の先生が、こんな時期は狭心症の発作が出やすいとおっしゃっていましたが、そのせいかどうか、近頃また体調が悪く、今日も朝フラフラするわ、変な不整脈は出るわで、家事がはかどらないので、寝ました。夫が帰宅したのは午後2時を回っていました。
その間、胸が重くて何度か目が覚め、「薬を……」と思いつつ、いつも首にかけているニトロ専用ペンダントのことすら思い出せず、うとうとしてしまいました。
夫と会話を交わしたあと、本当に起きなきゃと思いながら、またうとうとしてしまって、あまりの胸の苦しさで完全に起きたのが3時過ぎでした。それからニトロのテープを貼ってみましたが、胸の重い症状にニトロのテープは効果的でした。
胸痛があったわけではないので、胸の重苦しさに舌下錠を使うかどうかで迷い、作用が穏やかなテープを貼ってみたのです。するとしばらくしてしだいに胸が涼しくなり、頭がはっきりしてきて、全身が爽やか……。
調子の悪かったのが、まるで嘘のよう。テープをいつも、少なくとも就寝時には必ず貼るようにすれば、よく睡眠がとれ、症状の改善につながるのかもしれません。幸いテープはまだあり、毎日貼っても、来週の受診日まで持ちそうです。
入浴時には剥がすので、うまく持たせるために使いかたを考えなければなりませんが。とりあえず毎日使ってみて、それで生活レベルがあがるかどうか、実験してみたいと思います。先生は、全部使い切ったというと、驚かれるかもしれませんが。
ああ、ニトロで本当に胸が涼しい。健康だったときの胸の中の感触がどうだったかはもう思い出せませんが、特に涼しいと思ったことはなく、胸の中のことなど何も気にせずに済む自然さだったような気がします。
それにしても、沢山の人を犠牲にしてきたダイナマイトの原料のお蔭で、わたしのような狭心症の患者が助けられていることを思うと、複雑な思いに駆られずにはいられません。
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