「あけぼの―邪馬台国物語―」連載第54回
その翌々日のことでした。
女王にお目もじが叶ったわたしはみ前にうずくまり、身の過失を告白しました。手の1本足の1本、否、命までも覚悟し、わたしは小動物のように怯えて、女王の断罪を待っていました。
そのとき、戸惑いを帯びた銀色の気配が、女王の御身からわたしの方へ、薄霧のように流れてきました。
はっとなって女王のお顔を見ると、問いかけるような、あたかも教えを乞うような、清楚なまなざしがわたしを捉えているのがわかりました。
ああ、女王ほど女人として、リリックであった方をわたしは他に知りません……!〔続〕
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