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2006年8月 3日 (木)

「あけぼの―邪馬台国物語―」連載第44回

 この宮中にあって、わたしがしなければならないことは、叔母の家にいた時とほぼ同じとわかりました。まずは、機織りでした。

 月神にお仕えになる女王の下で働くわたしたちの心持ちもまた、純にゆたかにあらねばなりませんから、わたしたちは人様の衣を織る時も、自分たちの衣を織る時も、神衣を織る心ばせで織ります。

 工房に歌声を響かせながら官女たちは、上糸、下糸を上げ下げしたり、緯打具(よこうちぐ)で締めたり、できた布巻具(ちまき)に巻きとったりするのでした。その歌は、このような歌詞でした。

          月光をたぐらば
              糸となるとかや
          きよらなる きよらなる
              糸となるとかや
          きよらなる きよらなる
              ヤ、
               糸となるとかや

 織りあがった布の染めは、宮中に組織された染色のための研究班の手に委ねられました。〔

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