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2006年8月 2日 (水)

「あけぼの―邪馬台国物語―」連載第43回

 ヤエミ様の御輿入れは、プライベートなこととして、女王側とトシゴリ氏側の近親者だけでささやかに執り行われるのだとか。

 お二方の新居はこのヤマトの都に用意されているということで、宮殿に里帰りなさる機会も少なくないに違いないと、官女たちは希望的観測をしていますが、これからはヤエミ様に朝夕にお目にかかるというわけにはいかなくなるお側近く仕えてきた官女たちなど、殊の外、哀しがっている様子です。

 わたしは、かけ離れた室においでになるヤエミ様をお見かけしたことは全くなく、お会いしてみたいというわたしの思いは、刻一刻、あまく、白く、輝かしい夏雲のように、もくもくとふくらむのでした。〔

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