自作俳句「子供たち」
窓麗(うら)らランチの子らの皿ひかる
道草の少女うららか頬澄めり
勝鬨(かちどき)の面の艶なる武者人形
大粒の瞳(め)でソフト食ぶ子供の日
鯉のぼり挑むがごとく泳ぎをり
神経の細さ似る子よ夏帽子
梅雨冷や迎への子らの頬白く
爪噛んで夜店の玩具見つむる子
叱られ児飯の豌豆(えんどう)ほじりけり
そばかすがキツスを待つや麦藁帽
通信簿閉じて眉寄せ団扇(うちわ)とす
通信簿閉じてまばゆい夏斜面(なぞへ)
朝顔のいろ報せ合ふ四人の子
汗ぐめる頭(つむ)寄せ合つて子の世界
白昼をこもつて遊びぬゼリーすずし
スプーン立てクスクス笑ひや子の素足
婚家(か)の香沁みし夏着やグリム読む
木のぼりの娘(こ)落ちて泣いて夏は果つ
ゆで卵おほきく食べぬ日焼けの子
休暇果て胸そらし刺す名札かな
赤子背に泣く子と踏みし秋道よ
満月に子の肌寄せて道歩き
風邪の子に蜜柑を焼きし夜寒かな
きのふ石けふ団栗(どんぐり)や子のポケット
額(ぬか)の髪あまく馨る娘(こ)赤のまま
息子の手小さかりけり赤のまま
この世にて抱く間も惜しみ赤のまま
いそしんで何故か哀しや赤のまま
炊き出しの意気極まらば山車(だし)近し
神輿待ち野宴なれば土匂ひ
一念にもがいて駆くる運動会
こゑの中ほろと転んで運動会
あの靴が少し重きか運動会
吹き鳴らす笛師の胸に運動会
風吹くや薄日に了る運動会
運動会家路を辿る埃(ほこり)の子
☆
下手な俳句の公開、第2弾です。ここでは昔作ったものの中から子供を題材としたものを選んでみました。ここにうたったうちの子たちもよく遊びにきた近所の子2人も、今は全員成人しています。
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