怒りのひとりごと
昨夜、テレビの地方ニュースでいっていた。
大分県内の郵便局90局あるうち、民営化に伴い、経済効率を考え、16局で集配をやめることにしたのだという。
ほーら、やっぱりこんなことじゃないか。国会で小泉首相も竹中大臣も、耳にたこができるほど、こんなことには絶対にならない、なるはずがない、といっていた癖に! しょっぱなからこれじゃないか。嘘つき! ちくしょう!
こうなることは予測の範囲内だったとはいえ、いざこんな決定を聞かされると目から火が出そうになり、思わず息子に電話した。息子の政治予測はよく当たる。
わたしは安部に怯えている。国会をよく視聴していない人間には、決して、決して、彼の何とも脳天気なタカ派ぶりはわかるまい。どうして、おじいちゃん(岸信介)から頭のよさも一緒に受け継がなかったんだ?
息子は大学にいる様子。化学の研究室の人たちと一緒で、草取りのあとで歓談中だという。
話題を切り替え、「ちょっとね。邪馬台国物語を書いていて、田川市から日田市まで、徒歩でどれくらいで行けるか訊きたいと思ったものだから……でも、学校なんでしょ、また電話する」
「別に電話切らなくてもいいよ。皆でおしゃべりしているだけだから」
「水の先生も、そこにいらっしゃるんでしょう?」研究室の教官は水の研究の権威。
「うん」
「じゃ、やっぱり切る。携帯でご挨拶というのも何だし、邪魔しちゃ悪いから」
「えーとね、徒歩の場合だと、1日に普通の人が歩ける距離はね……」
屈託なく話を続ける息子。楽しそうだ。コンピュータを使ったシュミレーション実験にも、興味が尽きない様子。いい研究室に入れてよかったと思う。第1志望の大学を受験できていて、仮にパスできたとしても、こんな風にぴったりくる研究室に入れたとは限らないと思うと慰められる。
息子が大学受験にさしかかろうとする頃、国会で小泉首相が言った言葉は決して忘れられない。「こっんなに、国立大学はいらんでしょう!」
国公立にしか子供たちを進学させてやれそうにない人間にとって、その言葉がどれほど残酷に響いたか、彼には決してわかるまい。
息子が大学受験の準備に入る頃から、経済に大きな変動が起き始めた。わが家は、青息吐息だった。独身の頃にわたしが公文教室で働いていた関係もあって、子供たちを公文にはやっていたが、お金がかかる進学塾にはやれなかった。高校の先生にお任せするだけでなく、大学の情報集めはわたしも必死になってやった。公文も続けられそうになくなったが、教室の先生が好意で安くしてくださった。
東京と京都の私大に合格したが、とてもやれそうになかった。娘も似たような事情から近場の公立大に進んだが、まだしも娘が受験する頃は経済的に安定していたから、彼女自らの選択でそこへ行ったといえる。息子の場合、浪人などさせてやれないことははっきりしていたので、下手をすれば高卒になると思い、わたしは夜も眠れなかった。
センター試験は、第1志望校はポーダーの結果に終った。失敗だった。本人が安全策をとるといって、前期出願は第2志望校で出した。息子の友人で経済的に余裕のある子は、ポーダーでも、第1志望校にチャレンジした。
息子は合格発表の日、自宅で発表を気にもとめなかった。どうせ合格しているから、という。第1志望校にチャレンジできなかった無念さが滲んでいた。果たして第2志望校に行っても、満足できる大学生活が送れるだろうかと心配だった。
ただ、その大学はわたしがリサーチした中で、息子にお勧めの大学だった。そこでフランス文学の教官をされていた方がそれこそご親切から、わたしが大学時代から文通してくださっていて、その方がその大学にいらした頃に最も充実した研究をされたことをわたしは実感していた。
畑が違っても、たぶんその大学には研究にいい環境があるに違いないと思ったのだ(といってもドクターコースまではとてもやれないが)。ところで、大学院の受験では、案外自由にどこでも受験可能であることをわたしは知らなかった(勿論合格を前提とした受験という意味だ)。大学の知名度やランクに血眼になるのは、ちょっと馬鹿馬鹿しかったと思ったが、そのときはわからなかった。
息子は、大学院の受験で、かつての第1志望だった大学を選択することもできるのだった。が、息子はもうすっかり今の大学が気に入っている。息子は今の大学に行って、結果的にはよかったのかもしれない。が、小泉政権の下で、大学受験に大きな不安を覚えさせられたことは忘れられるものではない。これを単なる庶民の僻みととる人はとるだろう。
息子の世代は、子供時代はゲーム漬け、大学受験期には上に述べたような経済的変動と、すこやかといえる環境に恵まれたとはいえない。この上、戦争に行かせるようなことにでもなれば、それはもうわたしたち世代の責任となる。わたしは息子を戦争には絶対にやりたくない。化学兵器を作るような真似も、絶対にさせたくない。
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