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2006年6月26日 (月)

れくいえむ ~その3~1995.4

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          先生、とあなたに呼びかけたわたしの声には、
          輪廻がくれ、風と感性とが紡いだ響きがあったろう。

          あなたの死すら、
          教えの確かめとなる、ほろ苦いよろこび。

          見える体の秘密、見えない体の秘密を、
          あなたは教えてくださった。
          カーリル・ギブランの詩、
          沈黙、敬虔を、
          あなたは教えてくださった。

          光と遊ぶ雲たちに、あなたの内的光の、
          たぐいまれだった微妙な色合いを探す。
          青、乳色、真珠色、金色……。
          あなたの内的光に抱擁され、分かちあった、
          えもいわれぬ感じも探す。

          そして、
          あなたとわたしのいくたびかの齟齬の記憶は、
          巻き起こる風の中で、蘇るのだろう。
                                〕 
          

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