れくいえむ ~その1~1995.4
81歳で没したわたしの心の師であった女性のために
大気が冷え、桜が開いた。
死が満ちた。
閉じた瞼の下で、唇の間にも、
死が満ちた。
白木蓮の色をした死者の顔は、見覚えがない。
むしろいつか想像した気がする顔は、
封印している。
はかりしれない困難、おびただしい吐息を。
完結した死者の鼻孔、晒された面差し。
マーガレットの花にまもられて。
雨が棺をぬらした。
やわらいだ土を踏み、車を駆って、
人々は置きにいった。
炉は燠り、炎 炎 炎、
死者の難儀がやんだ。
骨を、かまびすしい女たちが囲む。
きれいな骨に見惚れて。
男たちはふるえ、エレガントに控えた。〔続〕
| 固定リンク
「神秘主義」カテゴリの記事
- 長引いたコロナ。舅の死(ある因縁話)。百貨店でオーラの話。(19日に加筆あり)(2024.03.18)
- 小指が立つ癖。モーツァルトのロンド(ニ長調 K 485)、パッヘルベル「カノン」。ピタゴラスは弟子たちの魂を音楽によって矯正しました。(2023.08.06)
- 年賀状を用意する時期になりました。スペース座談会「第一回ワクチン後遺症を語る会〜メディアでは報道されない真実〜」。コオロギせんべい(グレート・リセット関連)。魂の無い機械人間?(ツイッターでのやりとり)(2022.12.20)
- 神秘主義エッセーブログより、改稿済み「71 祐徳稲荷神社参詣記 (2)2016年6月15日」を紹介(2022.11.04)
- 神秘主義をテーマとしていたはずのツイッターでのやりとりが、難問(?)に答える羽目になりました(2022.06.22)
「詩」カテゴリの記事
- 高校の統合で校歌が70年前のものに戻っていたので、作詞者と作曲者について調べてみました(夕方、数箇所の訂正あり)(2021.02.08)
- 堀口大學の訳詩から5編紹介。お友達も一緒に海へ(リヴリー)。(2017.08.29)
- 20世紀前半のイタリアで神智学・アントロポゾフィー運動。ガブリエラ・ミストラル。ジブラン。(加筆あり)(2016.06.09)
- 神智学の影響を受けたボームのオズ・シリーズ、メーテルリンク『青い鳥』、タブッキ再び(2016.06.01)