映画「ヒトラー最期の12日間」を観て―2005.10―(Ⅴ)
過日、総務統計局から夫宛に、家計調査に協力してほしい旨の依頼状が届いた。昭和21年から行われている伝統的調査らしい。ところが国会で野党がこの統計を掲げて国民の家計が落ち込んでいることを示したとき、竹中大臣は、それは物の見方の一つにすぎないといった。
この言葉は、小泉政権のブレーンの中心人物である彼が、政治家というよりは経済学者であることを思い出させる。
国会での答弁が、小泉政権になってから、あまりにも観念的になってきているのだ。不良債権処理、予算削減、人員削減、税負担といったもう馴染みになってしまった言葉が何かしら流行語のようにも化学用語のようにも聴こえてしまう。
生殺与奪の権さえ握ることのあるその言葉の裏側では、沢山の人々の悲鳴が起きているはずなのだが――。
私人としてのヒトラーは、優しい人物だった。人間らしい情感を失ってはいない彼が大量の人間を殺害できたのは、彼にはそれが観念上の処理にすぎず、直接に手を下したのが組織の末端の人間だったからだろう。〔続〕
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