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2006年6月22日 (木)

「あけぼの―邪馬台国物語―」連載第10回

 わたしの機織に愛想をつかした叔母は、叔父の伝手で、わたしのために琴(※弥生琴)のお師匠さんを見つけました。

 お師匠さんは、お祭りで奉納される歌舞の演奏を勤めることもある名奏者でしたが、見た眼には、小造りのおじいさんでした。

 お師匠さんの演奏には、人がおよそ想像しえなかったもの――それでいて、それこそが自らの求めていたものだった……と恍惚とさせられるきらめくような内省に導く何かがありました。

 けれど、残念なことには、弟子としてのわたしはすぐに見放されてしまったようなのです。

「あんたには、他に向いとる道があるようじゃな。あんたの頭の中には何があるんかの」と、お師匠さんが叔母と同じことを尋ねるので、わたしはクックと笑ってしまいました。

「空想が――。お師匠様」〔

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