パルムの僧院、バルザック、ヴェイユ
「パルムの僧院」に出てくるジーナは、さっぱりとしていて明快極まるところが女性らしくない。あれは男だろう。女性らしい微妙さ、厚みに欠ける。バルザックの描く女性が如何に完璧であるかが、改めてわかる。大抵の男性作家が描く女性からは、無理もないことだが、女性の生理がごっそり抜け落ちているのだ。生理というメカニズムがもたらす憂鬱や気難しさ、鈍さや濁り、奥床しさ等々が練りこまれていない。
そういえばつい、果敢なフランスの女性哲学者シモーヌ・ヴェイユには、生理がなかったのではないかと思ってしまう。ところが、彼女が女生徒へ宛てた手紙に表れた濃やかな、憂いに満ちた気遣いはまさに女性的で、さすがにこれは愚かしい疑いだったと感じる。
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