カテゴリー「俳句」の55件の記事

2017年4月22日 (土)

杉田久女、川端茅舎、三橋鷹女、松本たかしの春の句を紹介

当ブログで以前、杉田久女、川端茅舎、三橋鷹女、松本たかしの俳句を紹介していました。その後、「マダムNの俳句紹介」へと紹介の場を移し、気が向いたときに記事を更新してきました。

久しぶりに更新したのですが、当ブログでも紹介したくなりました。過去記事で紹介した句もありますが、再度。

………………………………

 三橋鷹女

あすが来てゐるたんぽぽの花びらに

花買はな雪解け窓を押し開き

………………

 松本たかし

人来ねば鼓打ちけり花の雨

めりがちの鼓締め打つ花の雨

春愁や稽古鼓を仮枕

座敷には鼓出されて花に月

チチポポと鼓打たうよ花月夜


………………

 杉田久女

掃きよせてある花屑も貴妃桜

風に落つ貴妃桜房のまゝ

花房の吹かれまろべる露台かな

むれ落ちて貴妃桜房のまゝ

むれ落ちて貴妃桜尚あせず

きざはしを降りる沓なし貴妃桜


………………

 川端茅舎

山高みこのもかのもに花の雲

花の雲鳩は五色に舞ひあそぶ

(け)ちらして落花とあがる雀かな

花吹雪瀧つ岩ねのかゞやきぬ


 ■ 引用・参考文献

 『三橋鷹女全集』(立風書房、1989年)
 『川端茅舎 松本たかし集 現代俳句の世界3』(朝日新聞社〈朝日文庫〉、1985年)
 『杉田久女全集』(立風書房、1989年)

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2016年6月11日 (土)

川端茅舎の青蛙の句。梅雨イベント限定アイテム(リヴリー)。拙ブログ「神秘主義的エッセー」を更新。

無料で楽しませていただいているリヴリーアイランド。梅雨イベント限定アイテム、カエルの傘、オオバコをゲットしました!

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雨が降っていても、傘があるので、うちの子はすやすや眠っていました。近くにある金色のものは毬です。一般は金・銀・銅の毬を集めてアイテムをゲットします。

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室内でも傘に入りたいうちの子。大きな耳がはみ出しています。

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ホント、傘がお気に入り。ひよこベッドの島でちゃんと寝ないと、風邪ひきますよ。

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カエルというと、わたしはいつも川端茅舎の句を思い出します。蛙は春の季語ですから、夏の季語である青蛙の句を紹介します。

青蛙ぱつちり金の瞼〔まぶた〕かな

芭蕉葉の露集まりぬ青蛙

青蛙はためく芭蕉ふみわけて

青蛙両手を梅雨にそろへおく

川端茅舎・松本たかし 『川端茅舎 松本たかし集 現代俳句の世界 3』(朝日新聞社、昭和60) 

最近、神智学関係の記事が続き、関心のない方には申し訳なく思っています。スルーしてくださいね。

もう1本の記事でもう少し吉永進一氏の論文――の問題点――を見てから、萬子媛の世界に戻ります。

ご報告が遅れましたが拙ブログ「マダムNの神秘主義的エッセー」を更新しています。当ブログの記事に若干手を加えた程度です。

52 座右の書にふさわしいH・P・ブラヴァツキー『沈黙の声』
http://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2016/05/23/080604

53 ブラヴァツキーの神智学を誹謗中傷する人々 ④ 浮かび上がる反日・在日問題、新興キリスト教問題、ヒプノセラピー(催眠療法)問題
http://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2016/06/03/071201

54 ブラヴァツキーの神智学を誹謗中傷する人々 ⑤バッシングから遂にブラヴァツキーがゲームのキャラに
http://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2016/06/06/144918

55 ブラヴァツキーの神智学を誹謗中傷する人々 ⑥20世紀前半のイタリアで
http://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2016/06/09/200406

56 ブラヴァツキーの神智学を誹謗中傷する人々 ➆吉永進一「近代日本における神智学思想の歴史」から連想したオカルト情報誌とW・ジェームズ
http://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2016/06/10/153104

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2016年5月 1日 (日)

粽(ちまき)と武者人形

もうすぐ5月5日、端午の節句ですね。端午の節句から連想する食べ物は粽(ちまき)と柏餅です。

息子が子供のころは父親(夫)から引き継いだ兜などを飾り、ベランダに可愛らしい鯉のぼりを立てて柏餅をいただきましたが(息子は覚えているかな?)、なぜか粽は買ったことがありませんでした。

たぶん、そのころ住んでいた土地のお店ではあまり見かけなかったからでしょう。わたしは子供のころから粽には縁がありませんでした。

昨日娘が「地産地消のコーナーに粽が出ていたよ」といって、豊後大野市「丸一製菓」の粽を買ってきてくれました。

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笹の葉に包まれた……

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ほんのり甘いお餅……粽。

杉田久女に粽を詠んだ句があります。杉田久女『杉田久女全集第一巻』(立風書房、1989、93頁)

男の子うまぬわれなり粽結ふ

久女は粽を作ったようですね。春菜と鶴を料理したときに詠まれた句も忘れられません(同書、90頁)。

盆に盛る春菜淡し鶴料理る

久女の父親は大蔵省書記官で、彼女はのびのびとした家庭に育ったようです。東京女子高等師範学校附属高等女学校(現・お茶の水女子大学附属中学校・お茶の水女子大学附属高等学校)出身者で、良妻賢母教育を受けています。

美術教師で画家だった夫の杉田宇内とは折り合いがよくなかったようですが、久女が如何に家族を思い、家事に勤しんだかは彼女の句を読めばわかります。

その久女に比べると、ズボラ主婦の下手な我流俳句ですが、過去記事で紹介した「子供たち」というタイトルの一連の句の中に鯉のぼりと武者人形を詠んだものがあります。

勝鬨(かちどき)の面の艶なる武者人形

鯉のぼり挑むがごとく泳ぎをり

実は、武者人形の句は他に二句あります。

手に菖蒲兜うつくし武者人形

汝(な)が勝利何処の原ぞ武者人形

武者人形の句は、大学時代に同じ法学部だった女友達が息子に贈ってくれた人形を詠んだものでした。拙オンラインエッセー集「The Essays of Maki Naotsuka
」収録のエッセーにそのときのことを書いています。

武者人形には『かちどき』というタイトルがつけられていました。4年前上京したときに息子の会社を訪ねたら(外から眺めただけです)、大江戸線の勝どき駅で降りることになりました。

わたしは武者人形を連想しながら、まじまじと駅名を見つめずにはいられませんでした。その後息子は外資系の化学会社に転職しましたけれど。

次の写真はこれまでの話題とは無関係な、もう一品というときに重宝する「豆腐のそぼろあんかけ」です。濃い色の割には辛くない、優しい味のあんかけです。レシピはググったら沢山出てきますよ。

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2016年3月 5日 (土)

河津武俊『句集 花吹雪』(弦書房、2016)

河津武俊氏から句集をお送りいただきました。まだお礼も申し上げていないのですが、記事にしたくなりました。

河津氏は叙情的な美文をものされるので、短歌向きではないだろうかと秘かに思っていたのですが、句集を拝読し、河津氏は俳句の人だと思いました。

我流で俳句を詠むことがあるだけの無知なわたしの勝手な感想では、思い出や感情の吐露された句を見ると、短歌向きの人が詠んだからではなく、句として結晶していないだけだと思えます。

と偉そうにいうと――いう資格もないのに――誤解を招きそうだから慌てていえば、すばらしい句は多く、解説者前山光則氏に高く評価されている以下の句は、医師が詠んだ秀句と感じさせます。

真夜なかに遺体送れば春月[つき]淡し
秋夜中患者の死して三たび起く
雪の朝危篤の人は無事なりし

が、わたしがハッとし、医師ならではの視点、否河津氏ならではの視点で目にした光景が端的に詠み上げられたすばらしい句だと畏敬の念を覚えたのは以下の句です。

病み烏桜並木に転がれり

わたしにはこの一句から河津氏の世界が見えた気がしました。職務遂行に忠実であるところからもたらされた独創的視点や自己を律した生き方が透けて見えた感じを受けたのです。

一般人の視点では「烏が落ちている」「烏が死にかけている」としか捉えないのではないでしょうか。そこを「病み烏」と捉え、桜並木が配されてる妙味。前掲句「真夜なかに遺体送れば春月[つき]淡し」と同一の視点とも思えますが、「病み烏」のほうがわたしにはインパクトが大きかったのです。

とはいえ、全体が遠景となって微光を放っているような美しさがあって、「真夜なかに遺体送れば春月[つき]淡し」も魅力的です。人間社会の営みが大自然に織り込まれた敬虔な情趣を湛えています。

Amazonにはまだ出ていないので、わたしが撮った本の写真をアップしておきます。美しい装丁です。

河津武俊『句集 花吹雪』(弦書房、2016)

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河津氏の諸著の中で、わたしの一押しは『耳納連山』です。

耳納連山 (季刊文科コレクション) 
河津 武俊 (著)
出版社: 鳥影社 (2010/10)

『森厳』に対する考えは過去記事を書いたときからすると、わたしの中で変化がありました。

森厳 (季刊文科コレクション)
河津武俊 (著)
出版社: 鳥影社 (2013/10/5)

技法か偶然かわからないと書いた「月」が印象的な純文学小説。今ではそれが技法であったことがわかりますし、当時わたしが河津氏の作品に求めたものはピント外れだったと悟りました。

わたしが自分で河津氏と似た技法を用いてみて初めてわかったことでした。萬子媛をモデルとした歴史短編がそうです。

そして、その歴史短編を書き直す必要がない(細部に手を入れたいとは思っていますが)と確信するに至ったのは、当時はわからなかった河津氏の作品の魅力が時間を隔ててわかったからでした。

勿論、河津氏の作品はわたしなどの力の及ばない高みにあって、それこそ月のように輝いていると思います。

仏教が登場する『富貴寺悲愁』は宗教観の違いからわたしの好みには合いませんでしたが、それはわたしの感じ方にすぎず、鑑賞に値する文学作品であることは間違いないでしょう。

富貴寺悲愁【文庫判】
河津 武俊 (著)
出版社: 弦書房 (2014/4/15)

日本では絶滅に瀕した「純文学」(海外では文学の主流として普通に繁栄しています)。河津氏は最後の生き残りの純文学作家なのかもしれません。わたしも生き残りになりたいものです。

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2016年1月 2日 (土)

初作句 三句

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仕事より帰りし夫[つま]と初日浴び

初日出てひかりの中を歩きけり

初日出て歩む通路の光かな

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2015年9月 1日 (火)

杉田久女の俳句を口ずさみたくなる季節

今日は雨のせいかもしれませんが、涼しくて秋になった気配を感じます。

秋になると思い出すのは杉田久女の句。過去記事で何度も紹介した気がしますが、久女の秋の句の中でも好きな句を書いてみます。

秋来ぬとサファイア色の小鰺買ふ

お魚を買うとき、ふとこの句を連想したりします。緊縮家計でも、何か買い物が楽しくなります。

白豚や秋日に透いて耳血いろ

子供のころに遊びに行った先でよく見ていた豚の耳を思い出します。すばらしい観察力、描写力です。久女は絵も描く人でした。

露草や飯[いひ]噴くまでの門歩き

子育てのころ、買い物などで外出するとき、ベビーカーに下の子を乗せて片手で押し、もう片手で娘の手を引いて歩く道端に咲いていた露草を思い出します。今でもあのころに見た露草の色が目の中に残っているかのように記憶が鮮明です。

好晴や壺に開いて濃竜胆

ほとんど花を生けなくなったなあと思います。竜胆に濃とつくだけで、あの竜胆の色があざやかによみがえりますね。久女の作句のセンスはずば抜けていると感心します。久女の句の引用は『杉田久女全集第一巻』(立風書房、1989年)からです。

まだ一番好きな俳句を紹介していませんが、ちょっと時間がないので、続きはまた気が向いたときにでも。

新ブログに2本の記事を公開しました。もう2本公開予定ですが、今夜中には無理かな。当ブログで公開したものですが、加筆しているので、気が向いたらどうぞ。

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2015年1月 2日 (金)

初作句 七句

元旦から二日にかけて、七句作りました。最後の句は俗語を含んでいます。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

 

御 降 り に 白 あ る 街 の 景 色 か な

御 降 り に 人 走 る な り 近 隣 図

 姪孫 一句

赤 ん 坊 の 面 の 花 あ り 年 賀 状

 息子と電話で話す 一句

初 電 話 仕 事 の か ご と 聴 く 夕 べ

 初出勤の娘 一句

遅 く 出 て 早 く 帰 る や 初 仕 事

読 初 や 溜 む る ば か り の 必 読 書

積 ん 読 の 上 よ り 取 り て 読 始 む

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2014年9月 8日 (月)

中秋の名月に(下手な)三句

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ベランダから携帯で撮ったお月さま。

白っぽく撮れてしまいましたが、濃い黄色のお月さまでした。ウサギの姿がくっきり。

ベランダでお月見を楽しんだあとで、出てきた三句。

名 月 に お 伽 の 町 と な り に け り

十 五 夜 の 町 輝 い て 眠 り を り 

名 月 は 兎 も 見 せ て 黄 の 光

お月さまの光に照らされた家々が、まるでお伽の国の家々のように見えました。久しぶりに俳句を作ろうとしても、うまく作れませんが。

ところで、月というと、どうしても思い出してしまう菟狭族。その菟狭族について書かれた本。とても面白いですよ。

古伝が語る古代史―宇佐家伝承(オリエントブックス)
宇佐公康(著)
出版社:木耳社(1990/05)

今検索して知りましたが、続編が出ているようです。

以下の俳句は過去記事でも紹介しましたが、昔、宇佐神宮にお詣りしたときに詠んだ句です。

     宇佐 七句

対 岸 に 立 つ 大 鳥 や 菱 紅 葉

秋 汐 に 山 す そ ぬ れ て 輝 け り

国 東 の 海 の 香 れ る 葡 萄 園

か り そ め の 色 世 を 染 め て 秋 夕 焼

山 嶺(れい) を 数 へ し 先 に 月 り ん と

大 比 売(ひめ) の 山 あ り 月 は 黄 を 強 め

宇 佐 の 月 兔(うさぎ) 半 身 く つ き り と

そして以下は、上の本を始めとする歴史の本に感性を刺激されて書いてみた卑弥呼に関する拙歴史空想エッセー。不充分、不満足な面が多々あるエッセーですが……

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2014年7月22日 (火)

ダイエット日記(17)念願の補正に嬉しい悲鳴。赤ん坊の姪を詠んだ句。

来月、猛暑の時期に姪の結婚式がある。そのためにフォーマルウェアを買ったが、そのときに中年太りを強く意識せざるをえず、その場でダイエットを決意(他に糖尿病回避のため、スリムな友人に刺激されたなど、複数の動機で決意を固めた)。詳しくは以下の記事。

購入したのはフォーマルスーツで、上は胸当て付ジャケット。光沢のあるゴールドがかったベージュ。下はマーメードタイプの黒のロングスカート。

ダイエットをその場で決意したものの、痩せられる自信はなく、ありえないことだわね――と自虐的な気分で、店員さんに痩せた場合は補正も可能であることを確認しておいたのだった。

補正には1週間ほどかかるという話だったので、確認しておかなくちゃと思い、着てみた。何かダブダブ。花嫁の伯母というより、母親の服を着た子供みたいだった。

4~5㎏痩せただけで、こんなに違うのだろうか……と衝撃を受けた。嬉しさ半分、どうしようという気持ち半分だった。

そして昨日、服を購入した百貨店に出かけた。

購入時の店員さんは不在で、別の店員さんだった。事情を話し、とにかく着てみてくださいということで、着た。

商品の交換、返品にはレシートが必要で、それも1週間以内だという。玉屋の出張所で働いたことがあるので、この場合は補正しかないとわかっていた。それも、これほどサイズの合わない服を持ってくるお客なんて、対応に困るだろうなあとわたしは店員さんに同情した(?)。

補正が必要なのは、意外にも、スカートではなく、ジャケットだと店員さん。マーメイドタイプのスカートは上のほうを折り曲げても、全く皺にならない便利な作りなのだった。

自宅で着たときに、そうかなとは思ったが、全身が映る鏡の前で店員さんと改めて確かめてみると、マーメードタイプのラインは少しも損なわれていなかった。下手に詰めると、座ったときにむしろ無理が来たりするという。座ってみて、これも確認。

中年の微妙な体形を考慮した作りになっているのだ。若い人向きのお店で買うと、こうはいかない。絶対に失敗する。

次に、問題のジャケット。補正箇所と値段が表になった用紙を前に、店員さんが一生懸命安くあげようとしてくれていた。が、補正箇所を特定するのはなかなか難しいことらしく、「補正担当の人を呼びますから、お待ち下さい」とのこと。

その人がやって来て、相当に驚いたらしく、眉を顰めて「どうして? もう少しサイズの合うもので、好みのものはないの?」とおっしゃる。

補正の人はどうやら、わたしがこのとき買いに来たものと勘違いしたらしい。そして、サイズが合わないにも拘わらず、この服に執着していると思ったようだった。

店員さんが事情を説明。「ダイエットして痩せたんです」とわたし。「うーん、そうねえ」と補正の人。

結論からいうと、作り直したほうがいいくらい、あちこち詰めることになってしまい、補正に1万円かかることになった。

それでも、買い直すより安い。逆に太って入らなくなっていたら、これは買い直さざるをえなかっただろう。この服を購入した時点では、わたしはどちらに転ぶこともできたのだった。どちらの可能性もあった。そう思うと、戦慄を覚える。

もう少し太りそうな気がして、いくらか余裕のあるサイズにしたものだから、なおのこと今のわたしには大きすぎた。袖幅だけで4㎝詰めたほうがいいという。

そもそも、肩幅からして詰めなくてはならない。仮縫い(1,000円)もお願いした。

わたしは予想以上の出費に心の中で悲鳴を上げたが、それは同時に嬉しい悲鳴でもあったのだ。重いコートを脱ぎ捨てて軽くなったような気がしていたが、本当にわたしは厚みのある肉の服を脱いだのだった。

あんなに重い服はもう二度と着たくない。その間のわたしは、自分でなかったような気さえする。ストレスからそうなったことは否定の仕様もなく、もう何年もわたしは僻みっぽく、卑屈で、惨めだった(中年太りがそれに拍車をかけた)。

まあ、4~5㎏痩せたからといって、自分の置かれた状況が何ら変わるわけでは全くないのだが、霊感を象徴するペガサスに乗ろうにも、おなかの出すぎた体ではペガサスに気の毒な話であった。

早めに出かけてよかった。姪の結婚式までには間に合いそうだ。

久しぶりに確認した夫の礼装用の白いネクタイが草臥れていたので、紳士服売り場でそれを買い、わたしはぼーっとした頭で帰宅した。

これは余談になるが、神秘主義者としてひとこといえば、生前に節制の習慣をつけておくと、死後に楽なはずだ。タロットカードの「節制」。最近のわたしはこのカードが一番好き。

以下は、恥ずかしながら過去記事で紹介した、姪が赤ん坊のときに詠んだ句。

妹に電話をかけたときに長話になり、昔の話が出たりもしたので、つい昔作ったこの俳句の話をしたら無視されたわ。ほほほ……姉妹ってこんなもの。わたしの文学なんて、てんで信用されてないというわけ。腹の足しになるものじゃなしね。

妹産科へ緊急入院、点滴続く 一句

生まれきて伯母が立ちたる夏野見よ

姪誕生 三句

夏雲のふつくり浮かんで姪うまる

日盛りの子となり初めし産湯かな

いのち今うまれしばかり夏の赤子(やや

ベビー・ベッドの傍らで 三句 

真秀ら(まほら)から落ちし疲れか夏布団

夏布団いのち定まる刻々と

ほのかなるいのち豪華に夏布団

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2014年7月11日 (金)

杉田久女の夏の句

台風が通り過ぎ、今日はただ蒸し暑い。気温が相当上がった地域もあったようですね。

日本の気候も変わってきて、季語にずれが生じてきそうですが、雑用の合間に杉田久女句集の夏の句を読んで共感したり、感動を新たにしたりしていたところです。

以前ご紹介した句と重なるものが多いですけれど、印象に残った久女の句を『杉田久女全集第一巻』(杉田久女著、立風書房、1989年)から抜き書きしていこうと思います。

縫ふ肩をゆすりてすねる子暑さかな

みづみづとこの頃肥り絹袷

洗ひ髪かわく間月の籐椅子に

照り降りにさして色なし古日傘

母と寝てかごときくなり蚊帳の月

さうめんや孫にあたりて舅不興

枕つかみて起き上がりたる昼寝かな

夏痩のおとがひうすく洗ひ髪

夕顔やひらきかゝりて襞[ひだ]深く

夕顔を蛾の飛びめぐる薄暮かな

仮名かきうみし子にそらまめをむかせけり

茄子もぐや日を照りかへす櫛のみね

茄子もぐや天地の秘事をさゝやく蚊

夏服や老います母に兄不幸

いとし子や帰省の肩に絵具函

羅に衣[そ]通る月の肌かな

牡丹を活けておくれし夕餉かな

牡丹やひらきかゝりて花の隈

わがもいで愛づる初枇杷葉敷けり

谺して山ほととぎすほしいまゝ

以下は、「琉球をよめる句 十三句」より。

常夏の碧き潮あびわがそだつ

爪ぐれに指そめ交はし恋稚く

栴檀の花散る那覇に入学す

島の子と花芭蕉の蜜の甘き吸ふ

砂糖黍かぢりし頃の童女髪

榕樹鹿[か]毛[げ]飯[ハ]匙[プ]倩捕の子と遊びもつ

ひとでふみ蟹とたはむれ磯あそび

紫の雲の上なる手鞠唄

海ほうづき口にふくめば潮の香

海ほうづき流れよる木にひしと生え

海ほうづき鳴らせば遠し乙女の日

吹き習ふ麦笛の音はおもしろや

潮の香のぐんぐんかわく貝拾ひ

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