カテゴリー「文学 №2(自作関連)」の620件の記事

2018年6月10日 (日)

Kindle版『枕許からのレポート』『気まぐれに芥川賞受賞作品を読む』にレビューをありがとうございます!

久しぶりにアマゾンの著者ページを見たところ、3件のレビューを頂戴していました。拙Kindle本をお買い上げいただくことはちょくちょくありますが、レビューを頂戴することはめったになかったので、長いこと見ていなかったのですね。

紹介致します。

枕許からのレポート(Collected Essays, Volume 4)

T様
5つ星のうち5.0
2017年2月1日

<ここから引用>
神秘体験の不思議


体験したものにしか理解できない世界と思います。私にも同じような体験がありますので少しは理解できます。(実際は体験者はいなく体験だけがあったのですが。)これからいろんな人が直接、神を体験できれば少しは世界平和に貢献できるのではないでしょうか。
<ここまで引用>

神秘主義者を自覚する出発点となった出来事を綴った手記です。まだ神秘主義関係の書物を片っ端から読み漁っていた23歳のときの作品なので、表現に混乱が見られます。それでも、これを超える神秘主義的体験は以後、60歳になる今日までありません。

母に対する個人的、利己的な愛が凄まじい葛藤の中で無私のものとなったこのとき、ハート――心臓のある辺り――が汲めども尽きぬ純白な光の源泉となったのです。神秘体験と名づけるに値する体験だったと考えています。当ブログでもお読みいただけます。

2007年9月30日 (日)
手記『枕許からのレポート』
http://elder.tea-nifty.com/blog/2007/09/post_e32f.html

気まぐれに芥川賞受賞作品を読む 2007 - 2012(Collected Essays, Volume 2)

beeAmazon カスタマー様
5つ星のうち5.0
2018年2月20日

<ここから引用>
短いながらも「純文学」の危機を的確に表現してます。


10年前くらいからの芥川賞の作品をきちんと評価しています。朝吹真理子「きことわ」の日本語表現のおかしさ、などは芥川賞の選考委員が目をつぶって許している気がする。いわゆる文芸誌の新人賞受賞者「使い捨て」についても的を得た批判は鋭い。アマゾンの評価をする人は星一つなら、何故そうなのかくらいのコメントを残すべきである。文芸誌に載る作品も「文学」なのか、ただの「エンターテインメント」なのか区別がつかなくなってきている。著者のその辺の分析も体験者しか書けない説得力がある。200円は安すぎると感じた。

<ここまで引用>

後半部は次のレビュー――投稿の時期はそちらが先――を受けて書かれています。

購入後悔様
5つ星のうち1.0
2017年12月29日

<ここから引用>
市場にのせるレベルの評論ではないです

あまり酷いことは書きたくないですが…
はっきり言って返金して欲しいです。酷すぎます。芥川賞作を批判するというより、文学そのものへのリスペクトを感じません。評論する以上は相当な知識と教養が必要かと思います。これでは創作者に失礼過ぎます(意にも介されないと思うけど)

<ここまで引用>

Kindle本には試し読みのページが設けられていますので、次回からはそのサービスを有効活用して購入なさることをおすすめします。

拙著への反論がありましたら、サイドバー設置のメールフォームにて、ご投稿ください。反論のレベルに達していると判断した場合は――当方の基準によりますが――当ブログで紹介致します。

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2018年6月 8日 (金)

萬子媛の小説の創作スケジュール

トルストイ『戦争と平和』のエッセーの続きと、萬子媛の小説の取材でお尋ねした鹿島市民図書館の学芸員のお話をまとめておかなければならないが、萬子媛の小説の準備に今月と7月を当て、8月から執筆を始めたい。

ようやく、ここまで来たという思いだ。

カテゴリー「初の歴史小説」を設置したのが、2013年10月10日。

カテゴリーを改め「歴史短編1のために」を設置したのが、2014年11月3日。この時点では「江戸五景」という総題のもとに歴史短編を5編書くつもりで、萬子媛の小説はそのうちの1編になるはずだった。

萬子媛に関して不明点が多く、中~長編にするだけの準備ができないと思い、スケッチ風の短編にまとめあげるのが精々と考えていた。

その不明点を補いたいという意図が働いたのか、萬子媛とつながりのありそうなことをことごとく書き込んで短編に凝縮させた結果、プロットのような短編小説が出来上がった。

短編を書くのに1年近くかかった勘定になるが、そのうちの大半が歴史の勉強や資料漁りに潰えた。

初めて書いた歴史小説は小説とはいえないシロモノで、明らかに消化不良だった。それでも、いくつかの場面は印象的に書けていると思え、それなりの達成感はあった。そうでなければ、もうこの小説のプラン自体に匙を投げていただろう。

昔、純文学小説を書き始めたときに書いた150枚ほどの小説に「あらすじみたいだ」という感想を多く貰った。我ながら、そのときのあらすじのような骨組みだけのような――これをトリートメントというのだろう――小説にそっくりだと思った。

この第一稿は失敗作に終わったが、プロットとしては使える。

作品の感想が届き出したのが2015年12月10日。賛否両論。参考になった。

2016年と17年は、取材と資料読みに潰えた。

今年に入ってからもなかなか第二稿に入る気になれなかった。それは、鹿島市民図書館の学芸員にお尋ねしたようなことが不明点としてわたしの中にわだかまっていたためだ。

現時点でも疑問点がすべて解消されたとはいえない。ただ、これ以上は調べようがないというところまで調べた結果として、気分は爽やかに安定している。ようやく執筆に入れるところまで到達できた。

歴史小説を書くためのスキルが身についていないという不安はある。この感じは、大人向きの純文学小説をずっと書いてきて、ジャンル違いの児童小説を初めて書いてみたときに似ている。

何年間かほとんど書けなかったのに、その後、いつのまにか書けるようになっていた。純文学小説にしても、あの後、あらすじではない小説が書けるようになった。

今回もそうなると信じて、とにかく書こう。ジャンル違いのチャレンジであるために、慣れていないだけなのだ。失敗を懼れるまい。作品になるまで、何度でも書き直せばいいだけなのだから。

テーマの再考、プロット、ストーリー、資料の整理には時間をかけたい。予定より日数がかかるかもしれないが、賞応募の予定はないから、それは構わない。

第一稿はプロットが破綻していたように思う。テーマも熟しきれていなかった。取材や調べものに時間をかけることで、自ずとテーマが定まり、プロットも浮かび上がってきている。

プロットについては、ウィキペディアが参考になる。ウィキペディア「プロット」⇒ここ
  • トリートメント……ストーリーがどのように始まり (設定)、どのような展開 (対立、衝突) があり、どのように終わるのか (解決) を、短編小説 (short story) として非常に手短に要約した文書
  • カード
  • アウトライン……それぞれのシーンを数行で書き出したもの
  • ジャーナル……キャラクターの掘り下げを行うための手記
  • ファーブラ……出来事を起こった時間の順に並べたもの
  • ジュジェート……起こった出来事を語られる順に並べ直したもの

だいたいこれに似たことをやってきたが、わかりやすい。

 ◎枚数
  300枚  

 ◎完成に要する時間
  1年

 ◎年間スケジュール

2018.6.    テーマ、プロット、ストーリー、資料整理

2018.7. 

2018.8.    執筆開始

2018.9.    75枚

2018.10.

2018.11   75枚(150枚)

2018.12.

2019.1.    75枚(225枚)

2019.2.   

2019.3.    75枚(300枚)

2019.4.    調整、手直し、清書

2019.5.   

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2018年6月 5日 (火)

地元の底力を実感(萬子媛の取材に関して)

萬子媛をモデルとした歴史小説の第二稿に入ってから、どうしても気になったことがあって、滞っていました。

それについて、佐賀大学地域学歴史文化センターから出ている著作の共編者のお一人にお尋ねできないかと思い、センターにメールで問い合わせたところ、質問のメールを転送していただくにせよ、連絡先を教えていただくにせよ、まずは御本人に問い合わせが必要なのでお待ちを――とのことで、待っていましたが、それから10日以上経過。

放置プレイを疑ったりもしていますが、催促するのもナンなので、疑問点を祐徳博物館にもお尋ねしてみようと思い、電話をかけました。

すると、「そうしたことでしたら、鹿島市民図書館の学芸員に詳しいかたがおられます」ということだったので、電話してみました。

そのお言葉通り、実に、実に詳しいかたでした。郷土史家の迎氏が蒐集された資料のコピーを送ってくださったときにも感動のあまり感涙したのですが、今度も感涙ものでありました。

萬子媛専門の研究家というわけではないでしょうに、お尋ねすると、あらゆる角度からお答えくださいました。萬子媛が生きた時代とその後に続く時代の全容がおぼろげに浮かび上がってきました。

このかたは、実はセンターに問い合わせた著作の共編者のお一人です。どなたにお尋ねすべきかわからなかったので、別のお名前のかたに問い合わせたい旨、センターにメールしたのでしたが、どのかたでもよかったのですね。

質問の内容にはぴったりと思えるかたからお話を聞くことができて、幸運でした。これも萬子媛が見守ってくださっているお陰だと思います。

これで知りたいことは出揃いました。

鹿島市民図書館の学芸員から聞いたお話をうまくまとめる自信はありませんが、ブログに書く許可もいただいたので、記事を改めてノートしておきたいと思います。

お名前は出さないことになりましたが、鹿島市民図書館の〇〇様、本当にお世話になりました。小説の参考になるこということを超えた、スケールの大きな、そして細やかな、貴重なお話をありがとうございました。

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2018年6月 2日 (土)

再び、動画作成に興味がわいてきました

インターポット&アバターで出合った理恵子さんのブログで、最近、朗読音声版「妖精伝説」が公開されていました。劇団の朗読による本格的なものです。

銀河戦記/鳴動編&妖奇退魔夜行
http://rieko-kanzaki.cocolog-nifty.com/taimashi/

妖精伝説(朗読音声版)
http://rieko-kanzaki.cocolog-nifty.com/taimashi/2018/05/post-55de.html

YouTubeでも公開されたらファンが増えるんじゃないかなと思い、コメントさせていただいたりしていたのですが、ふとわたしもまた動画を作成してみようかなと思いました。

といのも、4年前、パソコンに入っていた「CyberLink YouCam」で、エフェクトのアバターを使ってエッセー動画を作成したことがあったのです。すっかり忘れていました。

動画の作成自体は面白半分で、内臓マイクを使った適当な録音だったために、音が低いばかりか(イヤホンを使っていただかないと聴きとれないでしょう)、呼吸音も、下書きのページをめくる音も、しっかり入っており、とても聴き苦しいものでした。

編集も何もしていませんでした。当時はやりかたがわからない……というより、難しそうに思えてチャレンジすらしていませんでした。今やりかたを調べてみると、そう難しいものでもないようです。

あんな録音ではまずいと思いますが、それでも、ここでおしゃべりしている内容には、それなりに考えさせられるものがあるではないかと――ワタクシ的に――思うので、再掲しておきます。

民主政権下の2011年から2012年にかけて夫が定年退職後の就活をしたときのことなど話しています。日本を含めた世界がどのようになっていくのか、考えるのが空恐ろしくなってくるほどでしたが、一番危惧していたことを動画が終わるころに話しています。その危惧は現在、より深まったともいえます。

で、話を戻せば、どんな動画を作りたいかというと、児童小説とまだ完成は先の話になりますが、祐徳稲荷神社の創建者、花山院萬子媛をモデルとした歴史小説の朗読版です。

歴史小説はKindle版の作成と印刷屋さんにお願いして簡易製本くらいはしたいと考えていますが、動画も加えたいと思うのですね。

お試しにWindowsに入っているボイスレコーダーを使って録音し、Windowsムービーメーカーで動画作成してみました。YouTubeにはアップしていません。

ちゃんと作成できました。

実は、ムービーメーカーのサポートは終了してしまっています。その代わりになるものがWindows10に入っているフォトであるようです。フォトでの動画作成のお試しはまだなのですが、参考になる記事に出合ったので、紹介しておきます。

ウインタブ
https://win-tab.net/

ゼロから始めるWindows10(2018)- 簡単な動画作成、動画編集は「フォト」で(natsuki)
https://win-tab.net/misc/win_zero_photo_1802101/

自分の声出しには懲りたので、読み上げソフトを使って動画作成できないだろうかと思い、ここ数日フリーのものを探したりしていました。有料版では、Windows 10/8.1/7対応の「VOICEROID2 結月ゆかり」などが人気であるようですが、どんなものでしょう。

YouTubeから拾ってみました。こんな感じです。⇒ https://youtu.be/7m_m93u1BLE
芥川龍之介の結月ゆかり朗読版もありました。⇒ https://youtu.be/ArtIO7brNg4

どなたか、ボランティアで朗読を買って出てくださいませんか? 

まだ作品も完成しないうちに……図々しいことを、失礼しました。

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『卑弥呼をめぐる私的考察』(Kindle版)をお買い上げいただき、ありがとうございます! 

『卑弥呼をめぐる私的考察(Collected Essays, Volume 3)』(ASIN:B00JFHMV38)を5月24日ごろ、お買い上げいただきました。ありがどうございます! 8冊目のお買い上げでした。

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2018年5月22日 (火)

「29 五感が隅々まで働いているモーリアックの文章」をエッセーブログにアップしました

オンラインエッセー集、ブログ「The Essays of Maki Naotsuka」を更新しました。当ブログの過去記事を元に加筆、修正したものです。ライン以下に転載しておきます。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

29 五感が隅々まで働いているモーリアックの文章 2007.10.9~2018.5.22

小説を書くとき、傍に置いているのは、いつ頃からかフランソワ・モーリアック(遠藤周作訳)『愛の砂漠』(講談社[講談社文芸文庫]、2000)だ。

フランスのボルドーに生まれた、カトリック小説家として知られるフランソワ・モーリアック(François Mauriac, 1885 - 1970)。

Franois_mauriac_1952

フランソワ・モーリアック(1952年)
From Wikimedia Commons, the free media repository

小説の技法の高度さ、視点の柔軟さ、内容の小市民的良識から傾斜した底知れない深み……短編小説を書きたいときには、本当に参考になる。

父と子がマリア・クロスという蠱惑的な女性に恋をし、どちらもが失恋するという幻滅の二重奏、否マリアの幻滅をも容れれば、幻滅三重奏ともいえる物語なのだが、物語の展開や登場人物――特にマリア――の心理には共感を誘う中に意外性があって、何ともいえない余韻を残す作品なのだ。

男女の心の機微、家族模様、背景の移り変わるさまが丹念に描かれている。幻滅も、これだけの美意識を以って克明に描かれると、幻滅そのものが神秘的なエッセンスのようにすら思えてくる。何て成熟度の高い小説であることか。

男である作者になぜ、女の心理が手にとるようにわかるのかと呆れさせられる。スタンダールやフローベールの描く女が、女の皮をかぶった男にしか思えないのは、むしろ男の書き手としては自然なことだろう。

しかし、このモーリアックやバルザックときたら、男でありながら完全に女でもあるという不可思議さを示す。

マリアの心理には共感を誘う中に意外性がある――と、わたしは前述した。ここを正確に述べれば、マリアの心理は同性からすれば意外でも何でもない――といい換えなくてはならない。

娼婦的なムードを纏ったマリア・クロスの心理が男性小説家に多く描かれてきたような、男性本意というのか、男性の幻想性に依拠したものではなくて、同性の観点からすれば、ごくありきたりと思える心理が克明に掘り下げられており、それがわたしにはとてつもなく意外だったのだ。

語弊のあるいい方だが、マリアのような強い香りを放って多くの男性を惹きつける特殊なタイプの女性であったとしても、その心の動きはわたしのようなごく一般的な女と変わらないという意外さであり、それは作者モーリアックを通した発見であったといえる。

というと、まるで自分が一般女性を代表しているかのようだ。実際には同性であろうとなかろうと、自分以外の人間のことは想像でしかないにせよ、わたしにはとにかく、モーリアックの描くマリア・クロスがありきたりなようでありながら、とても新鮮に思えた……。

しかも、『愛の砂漠』ときたら、内部に女を包み込ながら全体としてはこの上もなくダンディーで、上質の強い男の香りがするのである。

例えば、『愛の砂漠』の中の何気なく装われた次の一場面の文章の香気は、如何ばかりであることか。

父が食卓から急に立ったあの晩の翌朝、夜が明けるやいなや、食堂でココアを飲んだことを覚えている。窓が外の霧に向かって開かれていたので、彼はひきたてのコーヒーの香りの中で寒さを感じて震えた。小径の砂利が古いクーペの車輪の下できしんだ。医師はその朝、出かけるのに手間どった。クーレージュ夫人は桃色の部屋着をはおり、夜、いつもそうする引っつめて編んだ髪のままで、中学生の額に接吻した。だが息子は食事をするのをやめなかった。*1

どこにでもありそうな朝の情景。それでいて、この家庭だけに潜在する特殊な事情がおぼろげに見えてくるような描写だ。この父はあの晩、なぜ食卓から急に立ったのか? この母親の接吻を気にも止めなくなった、この成長した息子。

食堂に漂うコーヒーの香り(嗅覚)。霧が立ち籠める外気の冷たさ(触覚)。古い車がきしませた砂利の音(聴覚)。ココアを飲んだ記憶(味覚)。部屋着の桃色(視覚)。

短い文章であるにも拘らず、作者の五感が隅々まで働いていることがわかる。

『フランソワ・モーリヤック インタビュー集 残された言葉』(田辺保・崔達用訳、教文館、1989)を再読し、かつてはこのような、明晰で正直で人類という観点から多様な物の見方ができる作家がノーベル文学賞を受賞していたのだと改めて思った(1952年に受賞)。

ノーベル文学賞が左右に偏向するといったような生易しい危機ではなく、どこの街中にでもある人気コンテストになってしまった現状をモーリアックが知ったら、何というだろうか。彼は小説の危機を次のように分析している。

時代というものはいつでも、多少の差こそあれ、悲劇的なものであったのです。だから、わたしたちが日常体験している出来事だけでは、大ざっぱに小説の危機と呼ばれているものを十分には説明しきれないでしょう。(……)小説の危機とは、わたしが思うには、形而上的な性質のもので、ある種の人間観と結びついているのです。*2

その危機は、現在のわが国でこそ深刻な状況にあると感じられるのだが、確かにモーリアックの時代、プルーストがモーリアックにいわせれば「人格としての人間の解体」を見せつけたあたりから始まっているという見方に同感だ。

*1:モーリアック,遠藤訳,2000,p.32
*2:モーリヤック,田辺・崔訳,1989,p.151

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2018年5月 8日 (火)

拙評論・児童小説・純文学小説(Kindle版)をお買い上げいただき、またKU・ KOLを通じてお読みいただき、ありがとうございます!(2月分からまとめてご報告)

今年に入ってからの1月28日で、ご報告がとまっていました。まとめてご報告します。

2月20日と4月23日にアメリカのキンドルストアで評論『村上春樹と近年のノーベル文学賞作家たち(Collected Essays 1)』(Kindle版、ASIN:B00BV46D64)をお買い上げいただきました。ありがとうございます! 78冊目のお買い上げでした。

  • ブラジル……1冊
  • カナダ……1冊
  • 日本……34冊
  • アメリカ……33冊
  • ドイツ……4冊
  • イギリス……2冊
  • メキシコ……1冊
  • イタリア……1冊
  • フランス……1冊

2月20日に日本のキンドルストアで、『気まぐれに芥川賞受賞作品を読む 2007 - 2012(Collected Essays, Volume 2)』(ASIN:B00J7XY8R2)をお買い上げいただきました。ありがとうございます! 18冊目のお買い上げでした。

2月15日、20日、21日、22日に日本で、KU および KOL を通じて『田中さんちにやってきたペガサス』(ASIN:B00BEMD5ZK)をお読みいただきました。ありがとうございます! KU および KOL を通じてお読みいただいたのは今回で8回、お買い上げいただいたのは8冊です。

3月14日、16日、17日に日本で、KU および KOL を通じて『昼下がりのカタルシス』(ASIN:B00EJ7A5LY)をお読みいただきました。ありがとうございます! KU および KOL を通じてお読みいただいたのは今回で4回、お買い上げいただいたのは4冊です。

4月23日に日本のキンドルストアで、『ぼくが病院で見た夢』(ASIN:B00BGEDKYM)、25日に『詩人の死』(ASIN:B00C9F6KZI)をお買い上げいただきました。ありがとうございます! 『ぼくが病院で見た夢』は21冊目、『詩人の死』は7冊目のお買い上げでした。

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2018年4月29日 (日)

焼きティラミス(シーキューブ)。アントワネットドレス(アバター)。進んだヤコブ・ベーメの読書。

Img_1815_2

送っていただいた「シーキューブ」のお菓子。両端の「焼きティラミス」が抜群に美味しいです。小皿の中のものは手前のクッキーです。

クッキーのお味がアンリ・シャンパンティエのものに似ているなあと思い、ググってみたところ、同じシュゼット・グループに属しているのだと知りました。

シュゼットグループ
http://www.suzette.co.jp/

マダムN

どうせボーソーネコが出てきてだめだろうと思いつつアントワネットドレスにチャレンジしてみたところ、どうやらアバターが着てみたかったようで、手持ちクロワッサン、アントワネット帽子、アントワネットドレスの順に難なくとれました。

アントワネットがパンを求める庶民の窮状の意味がわからずに「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」といったとされますが、実際にはこれはアントワネットの言葉ではないそうですね。

ビンゴは全くだめです。一番ほしいコイコイベネチア運河どころか、どれもこれもとれません。

でも、あっけなくだめになるお陰で、神秘家、錬金術師として有名なヤコブ・ベーメの読書が進みました。昔読んだときはちんぷんかんぷんだったのに、神智学を勉強してきた効果で、何が書かれているのかぐらいは察しがつくようになりました。

錬金術には三つの異なる面――宇宙的、人間的、俗世的面――があるとされており、ベーメはこの三つの面を重ねて書いています。具体的に読み取ろうとすると、あまりにも難解です。天文学や化学の知識があると、もう少し読めるようになるのでしょうか。

詩のように美しく、謎のように難解なベーメの文章……病気治療に関するものが多く含まれるので、そうしたところにも興味が湧きますけれど。

連休中に(我が家は連休とは無関係に回っていますが)、トルストイ『戦争と平和』についてのエッセーを書き終えて、明けたら萬子媛の小説に戻る予定。ベーメに夢中で中断していた数学のお勉強も、進めますかね。

次の記事で、メモをアップします。

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2018年4月11日 (水)

歴史短編1のために #35 冷泉家の乞巧奠 (七夕祭)

「マダムNの神秘主義的エッセー」にアップした次のエッセーで、藤原俊成、その子・定家、俊成の孫・藤原俊成女に言及した。

78 祐徳稲荷神社参詣記 ➄扇面和歌から明らかになる宗教観
http://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2018/01/18/174234

萬子媛をモデルとした第二稿が滞っている。結婚前の萬子媛を描写しようとしても、公家のお姫様の暮らしぶりというのがうまく想像できず、それが一番の障壁となっていた。

例えば、御遺物の中に貝合わせ、貝櫃(貝合わせを入れる箱)があって、萬子媛も貝合わせという遊びをなさることもあったのだろうと思ったが、その情景が具体的なものとして浮かんでこなかった。

四季折々の行事。それは公家にとっては仕事、任務であったと知識ではわかっていても、やはり具体的な情景が浮かんでこなかった。

そうしたところへ、深夜BSプレミアムで「京都 冷泉家の八百年」(初回放送:2003年)が放送されていた。冷泉家は、藤原俊成、藤原定家の流れを汲む家系である。

[BSプレミアム]
2018年4月11日(水) 午前0:45~午前2:26 [火曜深夜](101分)
京都 冷泉家の八百年~和歌の心、日本の美を守り伝えて~(初回放送:2003年)
鎌倉時代に始まる公家で、歌道の伝承者でもある冷泉(れいぜい)家。現存する唯一の公家屋敷の中の雅な日々を1年間に渡って記録した。

歌の家・冷泉家に今に伝えられる古式ゆかしい四季折々の行事がドキュメンタリータッチで紹介されていた。

気づいたときにはすでに始まっていたため(慌てて録画した)、いくらか見損なったのが残念であったけれど、貝合わせなどの場面もあって参考になった。

旧暦7月7日に行われる七夕の行事「乞巧奠[きっこうでん〕」が圧巻だった。こうした行事は、冷泉家が運営する財団の予算で行われるという。

南庭に、彦星、織姫に供える祭壇「星の座」が設けられ、織姫に捧げる五色の布と糸、星を映して見るための角盥〔つのだらい〕、琵琶、琴、秋草、海の幸・山の幸などが配置された。

襖や障子は外され、部屋と庭が一つとなる。日が落ちるころ、雅楽が奏でられ、祭壇の灯明が灯される。そして、夜のとばりが下りたなかで、星に和歌が捧げられるのだ。

そのあと、遊興の座「当座式(流れの座)」が設けられる。座敷に天の川に見立てた白布を敷き、それを挟んで狩衣・袿袴姿の男女が向かい合って座る。男女は即興で恋の歌を交わし合う。

冷泉家には、初雪を藤原俊成の木像に供える慣わしがあるという。91歳で亡くなるときに、俊成は高熱にうなされた。息子の定家が氷室に人をやり、雪を持ってこさせた。その雪を「ああ、おいしい」と喜んで食べ、亡くなった。明月記にそのように書いてあるそうだ。

俊成の木像は生々しい表情で、まるで生きているみたいにわたしには見えた。子孫の行く末を案じて「春日野のおどろの道の埋[うも]れ水すゑだに神のしるしあらはせ」という歌を詠んだ俊成。

子孫の行く末というのが、歌の行く末であるのだと、木像の俊成のお顔を見てわかった。

萬子媛をモデルとした小説から離れすぎると、優しく呼び戻される気がする。

ヤコブ・ベーメの本を夜中読んでいたせいで、眠い。アバター&インターポットのキラポチ、数学のお勉強が眠すぎてできないかも。

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2018年4月 7日 (土)

時間がまるで足りない

「トルストイ『戦争と平和』… 3」を神秘主義エッセーブログにアップしようとして、それはだいたい当ブログにアップした記事のままでいいと思っていたのだが、改めてじっくり読み直すと、これだはだめだとの感じがしきりとし出した。これはやはり、加筆する必要がある。

それというのも、2 で引用させていただいた論文の中で、バラ十字とフリーメーソンの関わりが出ていた。

1970年刊行の新潮社版トルストイ『戦争と平和』を注意深く読むと、主人公がフリーメーソンとなるきっかけをつくるフリーメーソンの長老について、このフリーメーソンである長老が「ノヴィコフの時代からの有名なフリーメーソンの会員で、マルチニストの一人であった」と書かれている。

本文の中で手がかりといえば、この箇所だけだが、植田樹『ロシアを動かした秘密結社――フリーメーソンと革命家の系譜』(彩流社、2014)にノヴィコフとマルチネス派についての記述があるので、これを手がかりにもっと調べて、この点について到達できるところまでは到達したい。

マルチネス派は、マルティネス・ド・パスカーリ(1717-1774)とその弟子ルイ・クロード・ド・サンマルタン(1743-1803)の思想をさすが、のちにはサン・マルタンの思想を指すようになったという。

サン・マルタンはバラ十字の祖の一人であるそうで、サン・マルタンといえば、バルザックである。バラ十字であったとされるヤコブ・ベーメの本を取り出して読んでみると、この本の読みづらさの大きな部分が翻訳の問題にある――というより、日本語とドイツ語の違いにあるとわかった。

この本をいくらかは読み、人文書院版ホールの『カバラと薔薇十字団』を読み、なんてやっていると、ああもう、いくら時間があっても足りない。ブラヴァツキーの神智学の本にも出ているので、それも。まるでジャングルに踏み込むかのようだ。

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