カテゴリー「経済・政治・国際」の375件の記事

2018年6月13日 (水)

米朝共同声明の妙味は4番目にあり(?)

12日、シンガポール南部のセントーサ島にあるカペラホテルで史上初の米朝首脳会談が開催された。

昨日、NHKの中継を、視聴できなかった時間帯は録画までして視聴した。

北朝鮮の最高指導者である金正恩朝鮮労働党委員長には、影武者説がある。真偽のほどは定かでないが、この日の金正恩氏は本物だろうと思い、穴が開くほど画面を見つめた。

注意深い、物事に動じない、怜悧な表情。とはいえ、相当に緊張している様子が伝わってくる。両首脳がテーブルを挟んで椅子に座ったとき、金正恩氏は息を整えていた。

そして、ふたりが向き合って互いに見つめ合ったとき、トランプ大統領をやや見上げる形になった金正恩氏は、まるで子供のように素直な表情に見えた。この一場面を見る限り、自国で高射機関銃による血の粛清をもいとわない独裁者には見えなかった。

そのせいか、ふたりのやりとりを見ていると、何だか、問題児と、その問題児を励まし、勉強に専念するように説く高校教師のように見えてしまった。

通訳による両首脳の会談が38分間行われ、その後、幹部を交えた拡大会合、ワーキングランチ、通訳なしの両首脳の散歩(トランプ大統領は大統領専用車の中を見せたりしていた)、両首脳の共同声明へのサイン、トランプ大統領の記者会見と続いた。

共同声明にはトランプ政権が主張してきたはずの「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」(CVID)という一文が明記されていないということで、失望の声が聴かれる。どのような内容であったのか、NHK NEWS WEBから引用する。

NHK NEWS WEB(2018年6月12日19時47分)「米朝共同声明~全文和訳~」<https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180612/k10011475301000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_022>

<ここから引用>
1・アメリカと北朝鮮は、平和と繁栄に向けた両国国民の願いに基づいて、新しい関係を樹立するために取り組んでいくことを約束する。

2・アメリカと北朝鮮は、朝鮮半島に、永続的で安定した平和の体制を構築するため、共に努力する。

3・2018年4月27日のパンムンジョム宣言を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向けて取り組むことを約束する。

4・アメリカと北朝鮮は、朝鮮戦争中の捕虜や・行方不明の兵士の遺骨の回収に取り組むとともに、すでに身元が判明したものについては、返還することを約束する。

<ここまで引用>

1と2では米朝が顔を出しているが、抽象的といってよい努力目標が記されているにすぎない。

3は非核化に関することだが、朝鮮半島の平和と繁栄、統一を目標とするパンムンジョム宣言が前面に出てきている(パンムンジョム宣言⇒NHK NEWS WEB「南北首脳会談 2018.4.27」<https://www3.nhk.or.jp/news/special/inter_korean_summit_2018/>)。南北で頑張りますので、アメリカは見ていてください――といっているようにも読める。

4でまた、米朝が顔を出している。朝鮮戦争の捕虜、行方不明の兵士の遺骨回収に関することだ。

トランプ大統領の口から遺骨の回収という言葉が出てきたとき、意外な感じがしたが、声明文を読んでも、異様な感じがする。

今も北朝鮮で生きているに違いない日本人の拉致被害者には言及がないのに、1950年6月25日に始まり、1653年7月27日をもって休戦状態に入った朝鮮戦争の捕虜や行方不明の兵士の遺骨回収に触れられているということが腑に落ちない。

アメリカが遺骨回収に尽力してきたというイメージが湧かないということもある。ググってみたところでは、アメリカ人は宗教の違いからか、遺体や遺骨にそれほどこだわらない国民性のようである。

ただ、さらにググっていくと、北朝鮮は朝鮮戦争で戦死した米兵の遺骨を回収・返還することで、アメリカから1柱当たり100万円から200万円の謝礼を受けとっている――という記事が出てきた。

そうだとすれば、アメリカ人にも遺骨へのこだわりがあるということになるが、これまでの遺骨ビジネスの経緯から、北朝鮮にとって、遺骨回収の話題には抵抗感が少ないということがいえよう。

もしかしたら、共同声明の4には、北朝鮮との共同作業による遺骨回収という名目で、アメリカが北朝鮮に入る――無血開城が達成されるという隠し味が潜んでいるのかもしれない。

というのはいいすぎにしても、少なくとも、4に明記されたことの実行をアメリカが北朝鮮に丸投げするということではないだろう。

日本人拉致問題において、かつて北朝鮮は適当な人骨を見繕って日本に送りつけたことがあった。それと同じような行為を、アメリカが北朝鮮に許すとは思えない。積極的に介入しようとするのではないだろうか。北朝鮮としては、それに同意しないわけにはいかないだろう。

非核化に向けて具体的なこと、例えばリビア方式のことなどを共同声明に明記しようとすれば、北朝鮮にとっては抵抗感が強いだろうから、サインを拒絶することも考えられただろう。日本人拉致問題に関する明記も、北朝鮮にとっては抵抗感が強いはずだ。

だからこそ、そのあたりのことはあえて、共同声明に盛り込まなかったのではないだろうか。トランプ米大統領は記者会見で、日本人拉致問題ついて会談で提起したと述べた。

それに、リビア方式だと、アメリカ及びIAEA(国際原子力機関)の介入は核施設に限定されるのではあるまいか。ちなみにIAEAは1957年にアメリカ主導で設立されている。

しかし、戦争捕虜の捜査(未だに朝鮮戦争の捕虜なんて、いるのだろうか。それとも遺骨ということか?)、遺骨となると、北朝鮮全土に散らばっているのでは……

少なくとも日本にとっては今後はミサイルがこちらに向けて放たれる危険性はこれまでと比べ、格段に低くなったといえるのではないだろうか?

そうでないときは、北朝鮮がアメリカの軍事制裁を受けるときだ。日本国民の安全ということを考えるなら、このことだけでも米朝会談に感謝すべきといえる。

北朝鮮への経済制裁が効いていることは間違いなく、北朝鮮の非核化が問題とならなくなるまでは経済制裁を続けることをトランプ大統領が記者会見で明言したことも、日本政府の方針と一致している。

トランプ大統領は金正恩氏に西側の魅力をアピールすることで、北朝鮮を商業ベースで西側へ組み込もうとしているのだろうか。ロシアとの間には密約ができているような気もするが、中国がそれを許すとは思えない(中国とも何らかの密約はあるのだろうが)。

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2018年5月30日 (水)

抹茶大福専門店『創風庵』のほうじ茶大福

百貨店の北海道物産展に娘と出かけました。目的は鮭、ホタテ缶・カニ缶、次にじゃがいも、アスパラガスでした。

前回は売り切れていたのか来ていなかったのか、ホタテ缶が手に入らなかったのですが、今回は買えました。小さな缶がネットに3缶ずつ入っていて、ちょっと使うのに重宝します。大根の和え物とか卵焼きとかにね。

野菜類はパッとしませんでした。

前回は日照不足だったとかで来ていなかったアスパラガス。今回は緑、紫、白の太くて綺麗なアスパラガスを見ることができましたが、わたしには鑑賞用に見えたほど高くて、手が出ませんでした。

最近は九州産のかなり太くて綺麗で、安いアスパラガスをちょくちょく見ていたせいもあったのかもしれません。海外のたくましいアスパラガスもよく見るようになりましたし。じゃがいもも、とうやをひと袋買っただけ。

気候の変動が作物に響いているのは一目瞭然、心配になりました。野菜に限らず、全体に商品が小さく、高くなっている印象でした。海産物は普通に並んでいました。ただ、久しぶりに買おうと思ってみた箱入りのホタテは以前より――ここ数年見ていませんでした――ずいぶん髙くなっていて、これも手が出ませんでした。

とりあえず、買う予定だった1パック5切れ入りの麹に浸けた鮭を2パックゲット。麹ブームだったときに、わたしも試してみましたが、もう一つで、お気に入りといえるような味にはなかなかなりませんでした。

ゲットした麹漬けの鮭は本当に美味しいのです。3切れ残して、あとはアルミホイルに1切ずつ包み、冷凍しておきます。

姫鱈(ヒメダラ)の干物を初めて買ってみました。姫鱈というのは、違う種類の鱈というわけではなく、鱈の小さなものだそうです。

瓶詰のパンに塗るタイプのヨーグルトというのが珍しかったので、迷いましたが、あっという間になくなりそうな気がしたので、買いませんでした。サワークリームなんかに似ているのでしょうか。

夫も好きな六花亭のマルセイバターサンドは、残念ながらこの日のぶんが売り切れていました。

娘が大福のまえで釘付けになっていました。何ともいえない可愛らしさ。「七福 札幌本店」の姉妹店、抹茶大福専門店『創風庵』の抹茶大福です。ほうじ茶大福というのもありました。珍しいですね。写真は、そのほうじ茶大福です。

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『創風庵』の通販はないようですが、七福にはあります。七福のオンライン通販のコーナーには、ナイヤガラフルーツ生大福、ねじり大福など、綺麗な、美味しそうなものが並んでいますよ。

七福 札幌本店
http://www.shichifuku-honten.com/index.html

ほうじ茶大福は、まぶしてあるほうじ茶がきなこ味を連想させました。小豆入りの生クリーム餡がとても上品な味わいです。

娘がルタオのチーズソフトクリームを奢ってくれました。チーズがしっかり生きているソフトクリーム。北海道が――いや、日本全体、世界的にも――悪天候から守られますようにと願いながら、ありがたくいただきました。

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2018年5月19日 (土)

森友文書の件でバッシングを受けた――今も受け続けている――佐川前長官の不起訴

Niftyニュースより、引用します。
森友文書改ざん、佐川前長官不起訴へ…大阪地検
2018年05月18日 06時55分 読売新聞

 学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の改ざん問題で、大阪地検特捜部は、虚偽公文書作成容疑での告発状が出ている佐川宣寿のぶひさ・前国税庁長官(60)らを不起訴(嫌疑不十分)にする方針を固めた。
 国有地売却を巡り、背任容疑で告発された当時の財務省近畿財務局幹部らも不起訴(同)にする。
(……)
 虚偽公文書作成罪の成立には、作成や決裁権限を持つ者が文書の趣旨を大幅に変える必要がある。


Niftyニュース: https://news.nifty.com/article/domestic/society/12213-20180517-50127/

この結論すら安倍総理の圧力だと喚く人達は、もしそうであれば、一年間も国会が空転する事態など、起こりようがないということを、考えてみることもないようです。

国益無視の倒閣一辺倒の徒と化した彼らには、承知の上でのことなのかもしれませんが。

森友問題に関する財務省の調査結果が出され、NHK NEWS WEBに書き換え前と後の全文書が掲載されたときに、野党が重大な書き換えが行われたと主張するその文書をわたしはまる一日潰して読んでみました。以下の過去記事は、そのときのものです。

2018年3月17日 (土)
モリ蕎麦をすすってみる(森友文書書き換え問題)
http://elder.tea-nifty.com/blog/2018/03/post-89ce.html

重大な書き換えなど、皆無だったのです。野党とメディアの印象操作に呆れました。

維新を除く野党議員が審議拒否してお休みしていた間は、国会らしい国会が行われていたようですが、復帰したらまた本来何の問題もない――国会中継の視聴がわたしの趣味で、モリカケ審議を視聴し続けたうえでの結論です――はずの加計学園問題が再燃しているようです。

国民の血税を使って国会を空転させたばかりか、何日もの審議拒否まで行った野党議員の責任が問われないのは、おかしなことです。

野党主導で魔女裁判さながらの国会審議が続く中、森友学園への国有地売却を担当した財務省職員の男性が自殺するという痛ましい事件まで発生しました。この方は、死ななくてよかったはずです。

反日野党とメディアが連携したバッシングは凄まじいですからね。彼らは何の責任もとらない……全てを安倍総理のせいで済ませられる彼らにとっては、甘く、使い勝手のよい日本社会であるようです。

良識的な意見ほど表に出られない風潮が形成されてしまった残念な日本で、電波オークションの必要性が説かれるのも、当然の成り行きです。

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2018年5月 4日 (金)

ノーベル文学賞が選考機関の性犯罪疑惑で発表見送り、ですと。

何のこっちゃ?

詳しくは、時事ドットコム(2018/05/04-19:12)の記事へ⇒ここ

いい加減にしてほしいものです、ノーベル文学賞。

関連記事:

2017年10月 6日 (金)
カズオ・イシグロ氏の受賞ではっきりした、ノーベル文学賞の変節
http://elder.tea-nifty.com/blog/2017/10/post-a6a2.html

2017年10月18日 (水)
カズオ・イシグロ『日の名残り』を、とりあえずざっと
http://elder.tea-nifty.com/blog/2017/10/post-fcc1.html

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2018年3月28日 (水)

森友問題より、年金機構が500万人もの個人情報を中国の業者に渡した問題

3月27日の午前に参議院予算委員会、午後に衆議院予算委員会で、佐川前国税庁長官に対する証人喚問が行われました。

その結果は、NHKが次のようにまとめています。

参院では、

財務省の決裁文書の改ざん問題をめぐり、佐川前国税庁長官は、参議院予算委員会での証人喚問で、改ざんや森友学園との取り引きに、安倍総理大臣や夫人の昭恵氏、それに総理大臣官邸関係者の指示はなかったと証言しました。
NHK NEWS WEB(3月27日 11時58分)<https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180327/k10011380261000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001>

衆院では、

財務省の決裁文書の改ざん問題をめぐり、佐川前国税庁長官は、衆議院予算委員会での証人喚問で、去年2月に安倍総理大臣が「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」と答弁したことを受け、財務省内や総理大臣官邸との間で対応を協議したことはなかったと証言しました。また、佐川氏は、改ざんや森友学園との取り引きへの安倍総理大臣や昭恵氏の関与を重ねて否定しました。
NHK NEWS WEB(3月27日 11時58分)<https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180327/k10011381181000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001>

証人喚問では嘘をつくと、偽証罪に問われるそうです。そのような場での佐川氏の証言であるにも拘わらず、野党はなぜか「疑惑は深まった」だの、「火に油を注いだ」だのと、大騒ぎ。

質問の仕方も、声を荒げて、詰め寄らんばかりで、下品そのもの。もう、国会議員とも思えない野蛮人にしか見えませんでした。

自分たちの望む証言を得るまでは、どこまでも追及するつもりのようですが、まともな国民であれば、野党の検察ごっこにはうんざりしているはずです。

あんな証人喚問には、三権分立が侵される危険性さえ感じます。ネット上には、佐川氏の証人喚問の様子を人民裁判、魔女裁判、吊るし上げと憤る声が渦巻いています。

もう1年以上も森友問題を引き延ばした彼らは、まだ物足りないようです。確たる証拠もないのに、証人喚問に新たな餌食を送り込むつもりでいます。これが、魔女裁判でなくてなんですか? 彼らが大好きなはずの人権という言葉は、彼らのためにしか存在しないのでしょうか。

日米貿易摩擦、北朝鮮・中国の脅威に対する国防問題などが喫緊の課題として立ちはだかる状況下で、森友学園への国有地払下げ問題以上に、中国資本によるわが国の水源地、自衛隊基地周辺の土地の買占めが進行している問題のほうがより重要に思えます。

また文書改竄問題で騒ぐのであれば、当然以下のニュースにも大騒ぎしなければおかしいですよね。同じ文書管理に関する問題です。

……日本年金機構からデータ入力業務を委託された東京都内の情報処理会社が契約に違反し、最大で約500万人分の個人情報を中国の業者に渡して入力業務を再委託していたことが厚生労働省への取材でわかった。……
読売新聞(3月19日 21時55分)<https://news.yahoo.co.jp/pickup/6275975>

中国に、日本人の個人情報が500万人分も流出した可能性があるわけで、ぞっとさせられる話ではありませんか。

中国――で、思い出しましたが、行橋市市会議員小坪慎也氏のサイトで、小坪氏が「ウイグル人・チベット人など、また法輪功など『CHINAが弾圧』する”無実の囚人”らが生きたまま臓器を摘出されている」問題に果敢に取り組んでいらっしゃるという「いま、まさに選挙中」の丸山ひろあき氏について、お書きになっているのを読みました。

【地方議員烈伝⑨】ウィグル・チベット、法輪功らへの臓器狩りを許さない【CHINAと戦う丸山ひろあき】
https://samurai20.jp/2018/03/maruyama-2/

法輪功の人々が恐ろしい目に遭わされていることを知ったのは、3年ほど前になります。そのときから、そのことを忘れたことはありません。当ブログに2本の過去記事がありますが、拙ブログ「マダムNの神秘主義的エッセー」にエッセーとして収録しています。 

48 失われたと思っていた中国五千年の芳香
http://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2016/04/29/075132

以下は魔女裁判について神秘主義的観点から書いたエッセーです。

39 魔女裁判の抑止力となった、暗黒の時代の神秘主義者たち
http://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2015/12/17/064216

まとまりの悪い記事でよろしければ、以下にどうぞ。

2015年6月11日 (木)
失われたと思っていた中国五千年の芳香 ①弾圧される人々
http://elder.tea-nifty.com/blog/2015/06/post-c356.html

2015年6月13日 (土)
失われたと思っていた中国五千年の芳香 ②ジェノサイドを見て見ぬふりをするしかない日本
http://elder.tea-nifty.com/blog/2015/06/post-4872.html

インターポットで、「コイコイ万里の長城」と「水陸観光バス」をゲットしました。万里の長城を歩くリンドグレーン、バスに乗っているアバ令嬢をパチリと撮りました。

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2018年3月26日 (月)

電波オークション。太田理財局長は元野田首相秘書官で増税派(森友問題)。

ニュースを観たいと思っても、反日近隣諸国を忖度しているとしか思えないテレビ局、また海外ニュースといえば、反日近隣諸国にせいぜいアメリカを出す程度といった異常な国際感覚を披露するテレビ局ばかりで、視聴する意欲が減退します。

チャンネル桜、虎ノ門ニュース、チャンネルくららなどの動画をテレビで観たいものだと思っていたところ、以下のニュース。

……首相は政治的公平性などを定めた放送法4条の規制撤廃で、インターネットなどの通信業務とテレビ・ラジオ局などの放送業務の垣根をなくそうとしている。……
読売新聞(2018年3月21日9時1分)「放送見直し、政府内対立…ネットとの垣根撤廃案」<https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0321/ym_180321_2345738289.html>

世界の先進国で電波オークションをしてないのは日本だけだそうで、保守層の間では電波オークションを望む声が以前から聞かれました。

exciteニュース(2017年12月2日)に電波は国民の財産であり、欧米諸国など経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国の中で、電波オークションを導入していないのは日本だけだ。アジアでもオークションをやっていないのは中国と北朝鮮とモンゴルだけである」<https://www.excite.co.jp/News/odd/Tocana_201712_post_15241.html>とあるのには驚かされます。

テロ等準備罪成立の過程でも、当時187ヶ国もが締結していたパレルモ条約――国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約,TOC条約――に日本が乗り遅れていることがわかりましたっけ(野党の反対で)。

野党の存在は不可欠ですが、必要なのは当然ながら愛国野党であって、反日野党ではありません。その反日野党と連携プレーする反日勢力に日本のメディアが牛耳られている現状を考えると、電波オークションは必要なのかもしれないと思います。

保守勢力がネット動画でしか情報を発信できない日陰の存在である現状はどう考えても異常で、水面下で何が進行しているかを想像させられ、戦慄せざるをえません。

以下の動画は「Front Japan 桜」による、経済評論家・渡邊哲也氏の解説です。立憲民主党の「共謀罪」廃止法案が日本人にとって如何に危険なものであるかの解説も含まれているので、その部分から貼り付けます。電波オークションについては18:15ごろからです。


ところで、今日も国会(参院予算委員会)では森友問題をやっていました。和田政宗参議院議員は国会でなかなか鋭い質問をする議員ですが、2018年3月19日の参議院予算委員会では次のようなことをいいました。

……まさかとは思いますけれども、太田理財局長は民主党政権時代の野田総理の秘書官も務めておりまして、増税派だから、アベノミクスを潰すために、安倍政権を貶めるために、意図的に変な答弁してるんじゃないですか、どうですか?……

以下は、それに関する虎ノ門ニュースの動画です。

以下に紹介するのは、「チャンネルくらら」の面白くもぞっとさせられた動画3本(2本は前後編)です。台湾、中国、北朝鮮、韓国の関係は本当に複雑なんですね。

特別番組「中華DNAを語る!」深田萌絵 内藤陽介 倉山満【チャンネルくらら・3月15日配信】
https://youtu.be/AAhe7yEihLs

特別番組「台湾と北朝鮮の知られざる関係~中華DNAを語る!」深田萌絵 内藤陽介 倉山満【チャンネルくらら・3月22日配信】
https://youtu.be/z8Sozdt0hK4

特別番組「平昌五輪後の朝鮮半島」内藤陽介 深田萌絵【3月8日配信・チャンネルくらら】
https://youtu.be/7-5xRVTbA-k

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2018年3月17日 (土)

モリ蕎麦をすすってみる(森友文書書き換え問題)

3月13日の記事と14日の追記を、改めてアップします。

森友問題に関する財務省の調査結果が出され、NHK NEWS WEBに書き換え前と後の全文書が掲載された。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/moritomo_kakikae/

PDF版を閲覧してみた。このような行政文書を一国民として読むことになるとは、想像もしていなかったなあ。

NHKの解説では、あたかも指名手配の犯人のような趣で、安倍夫人、鴻池元防災相、平沼元経産相、鳩山元総務相、北川イッセイ元国土交通副大臣のお写真が載っている。

削除された部分を中心に全文書をざっと読んだ。

第一印象としては、覚書風なことがあれこれ書かれていることに驚いた。情報収集のためでもあるのだろうか。

どちらかというと、そのようなものとして、お写真の方々のことは書かれている。行政的流れに強く影響したとは思えない。最初から追ってみよう。

大阪航空局は平成25年4月30日付で、財務省理財局に財産の処分依頼を提出した。

その財産とは、大阪国際航空周辺における航空機騒音対策の一環として買収した土地であったが、騒音区域が縮小されたことにより保有を続ける必要がなくなったのであった。

理財局は平成25年6月3日から公的取得要望を募った。森友学園理事長の籠池氏はその土地を小学校敷地としてほしいと思った。鴻池議員は秘書を通じて照会の労をとらされている。

籠池氏は土地をすぐに購入するのではなく、学校経営が安定するまでの8年間程度仮受けて、その後に購入したいと理財局及び大阪航空局に要請した。

しかし、籠池氏の小学校建設計画はなかなか思うようにいかなかった。

難航する中にあって、籠池氏は要求を通すために様々なアピールを行うのである。安倍夫人はそれに利用された形だ。

大阪府教育記者クラブにて小学校開設について記者発表したのも、このアピールの一環だったろう。朝日新聞、読売新聞、毎日新聞の名がしっかり書かれていて、これも削除されている。NHKさん、この人たちのお写真はどこ?

籠池氏は、北川副大臣、平沼衆議院議員、鳩山邦夫衆議院議員には、近畿財務局から森友学園に示された概算貸付料が高すぎると訴えている。

北川副大臣には面会できず。平沼議員は秘書を通じて相談してやるが、財務省から「法律に基づき適正な時価を算出する必要があるため、価格についてはどうにもならない」と撥ねつけられた。鳩山邦夫衆議院議員秘書も近畿財務局に出向いて相談してやるが、これも撥ねつけられた。

ところが、平成27年3月26日、籠池氏が弁護士と理財局を訪れたときから形勢逆転の雰囲気が漂う。

籠池氏はボーリング調査結果を提示して、建設予定地が軟弱地盤であり、工事が必要として工事費負担を要請したのだった……

安倍夫人については三箇所記述がある。一箇所は籠池氏が安倍夫人からお言葉をいただいたとアピールして、写真を提示したという記述。

二箇所目は産経新聞社インターネット記事の中のことである。「安部〔ママ〕首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した旨が掲載される」と記述がある。字の間違いがあるなど、如何にもメモ風である。

安倍総理の名は「『学校法人 森友学園』の概要等」の中に出てくる。

「1 森友学園の概要」に(1)運営事業(2)理事長(3)教育方針・教育内容――とあって、(2)に「同氏は『日本会議大阪(注)代表・運営委員』を始めとする諸団体に関与している」とあり、(注)の日本会議に関する説明の中に出てくるだけだ。

現在、役員には特別顧問として麻生太郎財務大臣、会長に平沼赳夫議員、副会長に安倍晋三総理らが就任」という箇所。これを関与というなら、その人は頭がどうかしている。

「(参考)森友学園への議員の来訪状況」には講演会を行った中山議員、平沼議員、三木議員、杉田議員、上田〔ママ〕小百合議員、安倍夫人など、色々出てくる。

ここにもちらっと安倍夫人の名がある。これが三箇所目。上田議員は上西議員の書き間違いと思われる。

要するに、覚書風に記載されているだけであり、やはり情報収集の一環かと思わせられる。その下の方には、籠池氏の名刺が表裏複写されている。

以下は経済評論家の渡邊哲也氏のツイートだが、安倍夫人や政治家たちのことが書かれていたからといって、問題となるようなものではないと思う。

渡邉哲也
‏認証済みアカウント @daitojimari
憲法と国民の権利を理解していない人が多数いるようですね。 政治家に請願や陳情するのは憲法に定められた国民の権利 そこに金銭の授受があってはならないという話 公益性があれば政治家が陳情や請願を受けるのは当然の話 何の問題もないのですよ。
14:52 - 2018年3月11日

https://twitter.com/daitojimari/status/972953455336742912

書き換えるという行為は問題だろうが、国会での佐川理財局長の答弁に合わせて書き換えられたのだとしか思えない。

削除された「特例的な内容」という記述についても、前後の記述から、それが売払いを前提とした貸付処理という特例的な処理のことを指しているとしか考えられない。

削除された記述の中に次のような記述があった。

学園の提案に応じなかった場合、損害賠償に発展すると共に小学校建設の中止による更なる問題発生の可能性があることも含めて、当局及び大阪航空局にて処理方針を検討した結果、学園の提案に応じて鑑定評価を行い売払価格の通知を行うこととした

これは、籠池氏の要求を呑んだ理財局の動機がまとめられたものだといってよい。

野党、メディアの印象操作には目に余るものがある。

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2018年3月 9日 (金)

杉本良男氏の論文、及びニューエイジ雑感。『岩波哲学・思想事典』における神智学協会。

オンライン論文、杉本良男「特集 : マダム・ブラヴァツキーのチベット : 序論 」『国立民族学博物館研究報告』<http://doi.org/10.15021/00005962>(2018年3月9日アクセス)を閲覧した。

この論文は序論らしいから、今後の展開を期待したいが、「日本の神智主義研究をリードしてきた吉永進一」とあったので、過去記事で吉永氏の論文について感想を書いたことを思い出した。その感想へのリンクが以下の記事にある。

2017年11月18日 (土)
前世療法は、ブラヴァツキーが危険性を警告した降霊術にすぎない(加筆あり)
http://elder.tea-nifty.com/blog/2017/11/post-070c.html

杉本氏の論文に「神智主義,神智協会がいまだに知的関心の的であることに驚かされた」とあるのを読むと、序論から既に何かブラヴァツキーの近代神智学運動や神智学協会に対する否定的ニュアンスがあるような感じを受ける。

新たな情報に触れることができるのは嬉しいが、この杉本氏にしても、吉永氏にしても、ブラヴァツキーの主要著作を読んだことがあるのかどうか疑問である。他の論文の引用文からは否定的ニュアンスが感じられなかったりすると、余計に残念な気がする。

論文に「マダムを祖と崇めるニューエイジ運動」とあったので、ウィキペディア「ニューエイジ」<https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%B8&oldid=67581956>を閲覧した。

概要に、ニューエイジが「一般的に、19世紀の心霊主義、ニューソート、神智学の伝統から派生したもの、グノーシス主義、ロマン主義、神智学が現代的に再編されたものであるとみなされている」とある。

そして、「ヨークは、『不便なことに、研究者がニューエイジにアプローチする際、適切で包括的な概説は存在しない』『多くの考えがありながら、運動全体について語ることができる者はいない』と述べている」とあるが、その原因の一つは、ニューエイジに対するブラヴァツキーの影響を指摘しておきながら(杉本氏は前掲のように「マダムを祖と崇めるニューエイジ運動」とまで、いい切っている)、ブラヴァツキーの諸著の研究がアカデミックな場でなされてこなかったところから来ているとわたしなどは思う。

日本では第二次大戦後、GHQによる公職追放によって21万人もの各界の保守層が追放された結果、左翼が勢力を伸ばした。学術研究においても彼らが主導的立場をとることになったことから、ブラヴァツキーのような東洋思想に新たな光を当てて科学、宗教、哲学の総合という偉業を成し遂げた人物をも放置状態で、彼女の諸論文の学術研究も評価もされないままできているのだ。

研究がなされる場合でも、どこか見下したような視点での周辺的な、悪くすればゴシップ的なアプローチが多く見られ、こうした研究が学術研究という名に値するかどうか、甚だ疑問である。

彼らの研究自体がニューエイジの影響を感じさせる、恣意的な特徴を持っているようにわたしには思える。

まずはブラヴァツキーの代表的著作の研究がなされるべきで、それがなされずして影響も何も考察できるわけがない。

ブラヴァツキーの代表的著作の研究には古代ギリシア哲学をはじめとするブラヴァツキーが生きた時代までの哲学の基礎教養が必要で、左翼思想に染まった学者たちにこれらを身につけることが可能なのかどうか……

ニューエイジという潮流には、非学術的、ファンタスティック――というより妄想的といべきかもしれないが――な要素、左翼思想(ニューエイジの特徴らしい世界政府樹立の推進は、アダム・ヴァイスハウプトを祖とするイルミナティが希求したところのもので、マルクス主義に取り込まれた)、心霊主義(ピプノセラピーには無知からくる催眠術の安易な利用があり――ピプノセラピスト本人が如何に善良であろうとも黒魔術となってしまう――、それによる降霊術がその正体である)、金銭的利益を目的とした商業利用が潜んでいるように思われる。

いずれも、ブラヴァツキーの思想には存在しない要素である。

他にもウィキペディアにはいろいろなことが書かれているが、火遊びにも似た軽率な「霊や異次元の存在との交流(交霊・チャネリング)」は心霊主義者を連想させる行為であり、「病気や貧困・悪は実在せず、心の病気または幻影であるという考え」はブラヴァツキーの時代に存在したクリスチャンサイエンティストとメンタルサイエンティスト達の考えである。

「『精神的な豊かさが物質的な豊かさに直結する』、端的に言うと「『精神が物質化する』という考え方」は、民間信仰によく見られる現世利益的考え方である。

ブラヴァツキーの神智学はアリス・ベイリー、シュタイナーの思想とは違うが、これらの区別もつかないままに、大衆的に取り入れられ、民間信仰となった面があるといえるのかもしれない(調べてみないと、わからない)。

左翼が、左翼的解釈で、神智学協会の影響を受けた人々の思想をムード的に取り入れてニューエイジの形成に使った、といえそうな気もする。

というのも、ニューエイジという括りはヒッピー・ムーブメントを連想させるからで、様々な思想、文化芸術のムード的、無節操な取り入れ方が似ている。

アニメーション監督の宮崎駿は筋金入りの左翼として有名であるが、彼のアニメは充分にニューエイジ的なのではないだろうか。

ところで、日本ではおそらく哲学・思想事典の最高峰に挙げられるであろう『岩波哲学・思想事典』では、神智学協会――事典では神智協会――について、どのように書かれているのだろうか。

気になり、読んでみて安堵した。執筆者は歴史学者で、南アジア近現代史が専門の藤井毅氏である。

神智協会について、創設から各地に支部、連携団体が結成されたこと、「A・ベサント夫人の参加によりインドの合法的自治運動や民族的教育を積極的に支持するようになったが,M.K.ガンディーの登場とともに退潮した」こと、一時期J.クリシュナムルティーも籍を置いたことが述べられている。

残る三分の一ほどの記述を、以下に引用しておく。

 宇宙と存在の全ては相互に関わり合いを持つ一体で,偏在する同一の源に発し,目的と意味を持ち秩序ある形で顕現するとした.
 宗教・哲学・科学の統合を目指し,未解明の自然法則と人間の潜在能力の研究が重視された.この点で先行する神智思想を継承するが,個々の宗教伝統が持つ団体の価値観を尊重し,人種・信条・性別・カーストなどに基づく差別を乗り越えて人類同胞の実現を図り,南アジアの精神復興に寄与したことで特異な役割を果たすことになった.インド古典学の研究に多大な貢献をなしたばかりか,オルコットは仏教を受け入れ,セイロンにおける仏教復興を刺激した.人智学を唱えたR.シュタイナーにも影響を与えた.
〔藤井毅〕(廣松渉 ・編集 『岩波哲学・思想事典』岩波書店 ,1998,「神智協会」p.831)

ちなみに、ブラヴァツキーは政治活動について、H・P・ブラヴァツキー(田中恵美子訳)『神智学の鍵』(神智学協会ニッポン・ロッジ、1995)で以下のように述べている。

協会としては、政治に関係することを注意深く避けています。(……)神智学協会は最高の意味での国際的な組織です。協会の会員は人類の改善という唯一の目的で協力して働く、あらゆる人種、宗教、思想の男女から成っています。しかし、協会としては国民的、党派政治には絶対に参加しません。(……)国際的な組織ですから。その上、政治活動は必然的に、時や個人の特異性でいろいろと変わらなければなりません。神智学協会の会員は神智学徒として当然、神智学の原則を承認しています。でなければ、彼等は協会に入るはずはありません。しかし、会員達はすべての問題で意見が一致するということにはなりません。協会としては、会員全体に共通のこと、即ち神智学自体と関係するものだけを一緒に実行することができます。個人としては、神智学の原理に違反せず、協会を傷つけない限り、政治的思想や活動は完全に各自の自由に任せられています。(ブラヴァツキー,田中訳,1995,pp.227-228)

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2018年1月 6日 (土)

モロッコ出身の女性**さんに会いたい(家庭創りに関する考察)

息子が29日の夜帰省し、明けて5日に東京へ戻った。

久しぶりに一週間もの間一家水入らずで贅沢な団欒を過ごすことができ、その団欒を支えるために働くことができたことで、わたしの母性が最高度に高揚し、満足したことはいうまでもない(このような報告をしているということは)。

だが、一方では、主婦としてのわたしに余分なもの――例えばお金にならない文学趣味とか神智学的志向性とか――がなければ、家族にとって完璧な女でありえたのだろうと思い(わたしの考えでは、文学も神智学も人類の成長を促がし助ける不可欠なものだ)、そして唐突にマルグリット・デュラスの次のような言葉を思い出したりもした。

 わたしは次の点を繰り返すわ。なんべんでも繰り返さなければならないことなのよ。起きてから寝るまでの女性の仕事というのは、戦場での一日と同じくらいつらいものだし、男が働いている一日よりも割に合わないものよ。なぜなら、ほかの人たち、家族の者たち、外の制度下にある者たちのスケジュールに応じた自分のスケジュールを作りあげてゆかなければならないからよ。〔略〕

 男性たちにとってのよき母というのは、女性が、このきれぎれの時間の使い方、無音の眼につかぬ連続性に従っている時の姿なのよ。〔略〕そのうえこの無音の連続性が、生活それ自体として受けとられており、生活の属性のひとつ、たとえば仕事とは受けとられていない、わたしたちは今も炭鉱の奥底にいるのよ。

 この無音の連続性があまりにも強固に、しかもあまりにも昔から存在していたため、しまいには、その女性をとりまいている者たちにとっては、それがもうまったく存在していないのと同じことになってしまう。わたしが言いたいのは、男性たちにとっては、女の仕事というのが、たとえば雨を降らせる雪か、雲がもたらす雨それ自体と同じになっていたということなの。彼女の務めは、毎日の睡眠の務めと同じようになされていたのよ。そうすると男は満足して、彼の家のなかはうまくいっていたのよ。中世の男も、大革命当時の男も、1986年の男もそうなのよ。

 女性が頭の中にたたきこんでおくべきことをひとつ言うのを忘れてるわ――だまされちゃいけない。息子ってのは、父親とおんなじなのよ。女を同じように扱う。(マルグリット・デュラス『愛と死、そして生活』田中倫郎訳、河出書房新社、1987、pp.84-86)

働いている女性というのは結局のところ男性化せざるをえず、働いている母に育てられたわたしは母性愛に飢え続けて、そのことに不満と嫌悪感と疑問を抱いていた。

母は可愛らしい人で料理が上手、子供とのスキンシップを好み、家に人を集めて今の言葉でいえばホームパーティーをするのが好きだった。世間づき合いも完璧にこなしていたけれど、わたしには母が、女性の役割もこなす、よくできた男性のように感じられていた。

母は家政婦さんを雇っていたが、家政婦さんというものは本来は専業主婦がいる家庭でないと雇えないものなのだ。家政婦さんを近くで監督する人間がどうしても必要だからだ(電話交換手で、夜勤や泊まりのあった母にはそれができなかった)。

そうでないと、事故が起きる。例えば、わたしのように家政婦さんの息子たちに性的悪戯をされるとか、妹のように手っ取り早く寝かせるために飴玉をくわえさせられっぱなしにされるとかだ。彼女の息子たちとの訳のわからない凄まじいバトルがわたしの小学校時代の全てだった。

小学校の中学年になったころには、わたしが家政婦さんを監督する主婦のような立場になっていた。監督するには家のことが主婦並みにわかっていないといけないから、主婦並みに家のことに詳しくなった(わたしの考えでは、もう家政婦さんは必要ないと思っていた)。家政婦さんはわたしを煙たがって、妹をネコ可愛がりした。

外国航路の船員だった父は自分のことは何でもこなし、休暇中は専業主夫を楽しみながらこなしていたが、休暇は短く、航海は長すぎて、母親的にはなれなかった(家族とのスキンシップ不足が後に問題をもたらした)。しかし、父はいい線いっていたと思う。男性が専業主夫になれるという好例をわたしは父のうちに見る。

仕事はされていたが、役割からいえば専業主夫に近い男性に育てられた女性編集者をわたしは知っている。彼女は父親を母親のように慕っていた。

保育園であったとしても――それが如何に行き届いたように見える保育園であったとしても――大なり小なり事故が起きる可能性を想定すべきだろう。子供は起きた事故について、親に話すとは限らない。多くは自分に起きたことが理解できないから、話せないのだ。死傷につながるような発覚しやすい事故以外にも、見逃されやすい様々な種類の事故が起きている可能性は常にある。

理想としては、結婚した男女のどちらかが専業主婦(専業主夫)になることが家庭創りのためには必要だと思う。いくらお金があったとしても、人間らしい暮らしをし、文化の継承を行い、地域の安全を守るには、専業主婦(専業主夫)の存在なしでは難しい。

女性も老人も子供も、やたらと家から外へ追い立てようとする今の日本がまともといえるだろうか?

息子の前々職場には学歴も育ちもよい人が多く、稼ぎもよくて、奥さんも忙しい仕事に就いている共稼ぎの人も多かったようだが、そのような一人であった上司がコンビニ弁当を食べ続けて干からびると冗談をいっていたというから、男女がフルに働けば、やはりそうならさるをえないのだ。

還暦を迎えた、外で働いていた女友達がオヤジ化したり、家庭にいた女友達が姑化したりで、困惑している。会いたいといわれても、アルコール臭いオヤジみたいな女友達や底意地の悪い姑みたいな女友達に会ってどうなるのだろうと途方に暮れるのだ。

保育園の乱立と空っぽの家の密集地帯というのは、想像するだに怖ろしい。一家に一専業主婦(専業主夫)という社会形態を可能にするためには、専業主婦(専業主夫)の地位向上が不可欠だろう。

息子の直属の上司は日本の会社にいるが、その人は営業職で、技術系の直属の上司や同僚はベルギーの会社――本社はアメリカにある――にいる。

息子がいうには、あちらでは男性であっても簡単に育児休暇がとれ、休日には家庭サービスをするのが当たり前だそうだ。日本もそうなっていくのだろう。ただやはり、前述したような理由で、男女のどちらかがずっと家にいるというというのが理想的だとわたしは思う。

日本の会社にいる息子の上司のその上司は同じ営業系の仕事をしているモロッコ出身の女性で、息子のベルギーの会社にいる技術系の上司――ハンサムな白人のベルギー人――とよく行動を共にしている。日本にもちょくちょく来るそうだ。

モロッコ出身のその女性は日本の青年海外協力隊に助けられ、その後フランスの大学に進学してフランス人と結婚し、職場も住んでいるところもベルギーだが、国籍はフランスだという。

有能な女性でありながら料理なども好きなようで、日本贔屓の彼女は日本に来ると、味噌、ワカメ、干しシイタケなどの食材を買って帰るということだ。

息子に写真を見せて貰った。肌の色は黒というより小麦色で(写真では白人のように見える)、見るからに知的そうな容貌の綺麗な、同性にも好かれそうな中年女性だ。

古代エジプトで栄えたギリシア風の学術都市アレクサンドリアには、古代神智学徒(新プラトン学派)であったヒュパティアのような女性哲学者もいたというが、モロッコ出身の彼女の写真はその遠い時代のことを連想させた。

彼女は息子の顔を見るたびに、「家には帰っている?」「親孝行はしている?」と訊いてくるという。今の日本で、誰が息子にそのようなことをいってくれるというのだろう?

わたしは涙が出るほど嬉しい。過去に齧りかけたフランス語を勉強して(勿論英語だと通じるだろうが、どちらかを勉強するとなるとフランス語を勉強したい)、彼女と話してみたいと思うほどだ。

彼女はどんな日本料理を作るのだろうと思いながら、息子が東京に戻る日の朝、次のようなものを作った。

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しらたきのかか煮。

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ミニ・プレーンオムレツ(マッシュルームソース)。

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かまぼこ、長芋(わさびじょうゆ)。

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水菜のからしあえ。

これに味噌汁だったが、朝食には多すぎるよと息子にいわれてしまった。

盛る量が多かったかも。味噌汁なんて、ほとんど白菜の煮物といってよいくらい白菜だらけだったし。これでも、不足しているように思える野菜を少しでも多く摂らせたいと思って工夫した結果なのだ。

盛る量を少なくしてアジの干物か塩鮭を焼いてメインにすれば、お客様の朝食にもいいのではないかと思う。

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別の日のお昼に作ったサラダ。レタス、サニーレタス、キュウリ、白アスパラガス(残っていた瓶詰のもの)、紫玉葱、スモークチキン、ドライ納豆。これに棒状に切ったニンジン、プチトマトを加えたサラダを息子が毎日、山盛り食べてくれれば、わたしも安心するのだけれど……。納豆好きの息子にドライ納豆は受けたが、自分で買いはしないだろうな。

持たせようとすると、怒るしね。荷物になるのは嫌なんだそうだ。母親って、心配するだけの野暮な存在で馬鹿みたいだ。

自分で金を稼ぐ能力も欠いた、馬鹿な女と思われているんだろうなあ。虚しいね。

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夫がパスタを茹でてくれるというので、別の日のお昼に明太子パスタを作った。

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これは、また別の日に作ったアボカドのスープ。

ミキサーで簡単に作れる、デザート風アボカドのスープは本当に便利。アボカド2個、牛乳300㏄、はちみつ大さじ1~2で、3~4人にはちょうどいい。仕上げに黒こしょうを振る。

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これも、また別の日に作ったチキンブイヨンで作ったワカメスープ。これも簡単に作れて、大抵の料理に合うので便利。

正月には必ず作るお雑煮の写真は、撮りそこなった。昆布、削り節でだしをとり、みりんと薄口しょうゆを同量加えて味を調え、かつお菜、焼いた餅、かまぼこを入れて出来上がり。あっさりしていて、実に美味しいお雑煮。母のお雑煮には鶏肉が入っていた。来年はわたしも鶏肉を入れてみようかな。

お節は京料理「濱登久」のものを注文した。お節を手作りすると高くつくと思うようになったころから、注文するようになった。息子が帰省するかどうかがわからない11月21日に頼んだので(それでも遅いくらいだった。薄味で我が家好みの濱登久のものが残っていてラッキーだった)、何人分のものを注文するのか迷ったが、4人でいいくらいのものを注文した。

2日の鍋料理の材料は、豚ロース肉(しゃぶしゃぶ用)、鶏だんご、シャウエッセン(ウインナー)、白菜、水菜、春菊、白ねぎ、えのきだけ、木綿豆腐、しらたき、しめじ。

大学時代に息子のアパートの部屋は友人達のたまり場になっていて、彼らが材料を持ち寄り、よく鍋物をしたという。キムチ鍋は臭かったとか。すき焼きもよくしたそうだ。話では豆乳鍋が美味しそうに聞こえた。まだしたことがないので、一度やってみよう。

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2017年11月25日 (土)

コイコイフェリーをゲット!(インターポット)。保守論客による討論会。

コイコイフェリーをゲットしました。

時々アバターが乗船するということでしたが、一向に乗船する気配が見られませんでした。ようやく今夜、乗船しているアバ嬢を目撃したので、激写。

創作のほうは現在、萬子媛をモデルとした小説の第二稿の下調べ関連で、新古今和歌集を部分的に精読しているところです。

ところで、気になる北朝鮮情勢ですが、その北朝鮮に影響のある中国の北京で、先月の10月18日から10月24日まで、5年に一度の中国共産党大会が開催されましたね。

そして、その翌日の25日に開催された共産党の中央委員会総会で、習近平国家主席を含む新しい最高指導部7人が選出されました。

それで中国はどう変わるのか、テレビを観ていてもよくわからなかったので、すぐに動画を検索しましたが、そのときは情報分析に役立つような動画をうまく見つけられませんでした。

今日になって再度検索し、チャンネル桜の動画「中国共産党大会終了!緊迫する東アジアと世界」を見つけ、視聴しました。動画のアドレスは以下。

https://youtu.be/4wJc3Mb5dGU

パネリストは河添恵子(ノンフィクション作家)、田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)、野口裕之(産経新聞政治部専門委員)、坂東忠信(元警視庁通訳捜査官・外国人犯罪防犯講師)、ペマ・ギャルポ(拓殖大学国際日本文化研究所教授・チベット文化研究所名誉所長)、宮崎正弘(作家・評論家)、用田和仁(元陸上自衛隊西部方面総監 陸将)、司会は水島総――と動画の説明にあります。

保守の論客による討論会なのだから、本来はNHKなどで行われても不思議ではないはずですが、左派カラーに染まったメディアに現状ではそれは望めないようです。左派の意見だけ聴いていたのでは情報が偏ってしまい、不安になります。

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