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2019年8月15日 (木)

ツイッターで問題となっている、芥川賞候補作「百の夜は跳ねて」(古市憲寿)。8月15日に追記あり、赤字。

芥川賞候補となった古市憲寿「百の夜は跳ねて」がツイッターで話題になっていました。

古市氏の小説の最後に「参考文献」として、『文學界』2012年10月号に掲載された木村友祐氏の短編小説「天空の絵描きたち」が挙げられているそうです。

誰かの小説を読んで、その中の素材に興味を持ち、自分で調べ直して独自の小説を書くということはあると思いますが、その場合、資料として挙げるのは小説ではなく、調べた文献なのではないでしょうか。

以下の、参考にされた小説の作者・木村友祐氏のツイートによると、木村氏が古市氏に窓拭きの達人を紹介したそうなので、その取材をもとに独自の書き方がなされていれば、問題ないはずです。

しかし、選考委員たちの書きぶりからすると、文章表現などのオリジナルな部分が参考に、というより盗られていることを疑います。以下の記事が参考になります。

【追記あり】古市憲寿さんが芥川賞選考委員にいろいろ言われちゃってる件」『はてな匿名ダイアリー』。2019年08月12日、URL: https://anond.hatelabo.jp

わたしは以前から、直木賞作家・恩田陸氏が得意としている「オマージュ」というフランス語でごまかしたパクリに似た手法に疑問を抱いてきました。純文学界にもその手法が「導入」されたのではないかと危惧します。

尤も、文学賞が文学性を競うものではなく、アイディア戦になり下がったのは随分前からのように記憶しています。

2011年8月 8日 (月)
文藝春秋「文學界 平成二十三年八月号」 ‐ 「新人小説月評」に対する私的不信感
http://elder.tea-nifty.com/blog/2011/08/post-723d.html

わたしが「新人小説月評」に関する前掲記事の感想を書いたのが2011年。古市氏に参考にされた木村氏の短編は、2012年の掲載です。同じ商業雑誌『文學界』。

今回の件から、左派に牛耳られた文学界では才能のある作家がなかなか世に出られないだけでなく、その作家たちは飼い殺されて、防衛本能すらなくしているのではないかという別の危惧も生じました。

追記: 木村氏のツイッターを閲覧させていただくと、集英社、新潮社、未来社などの有名出版社から5冊ほども出版しておられました。報われない才能ある普通の日本人作家が世に出られないまま飼殺されて、防衛本能を失くしているのかと勝手に妄想していました。そんな日本人作家を複数知っているものですから、つい。いずれにしても、作品も読まずに、申し訳ありませんでした。こういういい方は語弊があると思いますが、仲間内での出来事であった様子が窺えました。左派村では安倍総理は本当に人気がありませんね。

そういえば、2018年の第159回芥川賞(平成30年上半期)の候補作になった北条裕子『美しい顔』にも盗作疑惑があったような……

2018年、小説『美しい顔』で講談社の第61回群像新人文学賞を受賞。この作品は第159回芥川龍之介賞の候補にも選ばれたが、主要な参考文献を明記しておらず、他の作家の先行作品と類似している箇所が複数あることが指摘され、謝罪文と参考文献が『群像』2018年8月号に掲載されることとなった。
「北条裕子 (小説家)」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2018年11月6日 18:09 UTC、URL: http://ja.wikipedia.org

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