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2018年4月10日 (火)

バラ十字に関するメモ

笠間氏の論文には、18世紀のロシア思想界をバラ十字系フリーメーソンが席巻したと書かれていいる。

バラ十字団について、竜王会東京青年部編『総合ヨガ解説集』(竜王文庫、1980)には端的に次のように解説されている。

起源は,中世に教会から禁じられた学問を研究する知識人達が作ったギルド(同業組合)のような秘密組織。1614年から三年間にわたって三つの著作が著わされ,その存在を公然と明らかにした。三著作とは「世界の改革」「同志会の伝承」「同志会の告白」であり,「同志会の伝承」では,バラ十字団の始祖といわれるクリスチャン・ローゼンクロイツというドイツの貴族の生涯について書かれている。(竜王会東京青年部編,p.48)

H・P・ブラヴァツキー(田中恵美子&ジェフ・クラーク訳)『シークレット・ドクトリン 宇宙発生論(上)』(神智学協会ニッポン・ロッジ、1989)には、バラ十字への言及が所々にある。

例えば、プロエム(緒論)210頁と301頁には、バラ十字会員の最もよく知られているシンボル――七羽の雛達を養うために胸を引き裂いているペリカン――がバラ十字団の本当の信条を表し、それが東洋の秘密の教えから直接きたものであること、テウルギストの後継者達であったバラ十字や後世の火の哲学者達はマギと拝火教徒達から神秘的かつ神聖な元素の火に関する教えを得たと書かれている。

議事録685頁には、うっとりするような次の解説がある。

植物などの様々な種は、一条の光線が分裂して生まれた光線です。光線は七つの世界を通る時に、各世界で弱められ、何千も何百万もの光線になり、そうした光線はそれぞれ、自分の世界で一つの有知者になります。だから、各植物には有知者があり、いわば、生命の目的があり、ある程度の自由意志があるということがわかります。とにかく私はそのように理解しています。植物には感受性の強いものも弱いものもありますが、例外なく、どの植物もものを感じるし、それ自体の意識があります。その上、オカルトの教えによると、巨木から最小のシダや草の葉に到るまで、どの植物にもエレメンタル実在がおり、目に見える植物は物質界でのその外的な装いです。だから、カバリストと中世のバラ十字派はいつもエレメンタル即ち四大元素の霊の話をするのが好きでした。彼等によれば、すべてのものにはエレメンタルの精がいます。

長いので、このメモには引用しないが、H・P・ブラヴァツキー(田中恵美子訳)『神智学の鍵』(神智学協会ニッポン・ロッジ、1995)の用語解説「拝火哲学者」の記述はとてもわかりやすい。

バラ十字に関係した記述は、ブラヴァツキーの論文には沢山出てくる。ただ、それはバラ十字という組織に関するまとまった記述としてではなく、上に引用したような採り上げかたなのだ。

バラ十字についてざっと調べたあとは、神秘家、錬金術師、神智学者とされるヤコブ・ベーメはバラ十字であったとバラ十字会のオフィシャルサイトにあったので、家にあった邦訳版のベーメの本を読んでいた。

昔読んだときは、ちんぷんかんぷんだったが、ブラヴァツキーの神智学を勉強してきたお陰で、内容に深入りすることは難しくてできないにしても、概ねどういったことが語られているかは理解できた。

魅了されてしまう、まるで詩のような文章であるが、彼の著作ではマクロコスモスである大宇宙とミクロコスモスである人間が対になっている。

また実験室の試験管の中で起きていそうなシンボリックな記述は、当然、人間という試験管でも起きていそうなことなのだ。

全く別の本で、ベーメの考えにそっくりな記述を読んだことを思い出した。道教の錬金術に関する本だった。道教の錬金術では老子の教えが、ベーメでは聖書がモチーフとなっている。またどちららにも惑星や元素、鏡などがシンボリックに出てくる。

ベーメの文章を理解するにはカバラと科学の知識が必要で、どちらもわたしには欠けているため、読み込むことはできない。でも、ブラヴァツキーの言葉に置きかえると、ある程度はわかる。

それについてのメモは、あとで。

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