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2016年8月 7日 (日)

カロッサ『美しき惑いの年』に出てくる「カルマ」という言葉

「高校生の読書感想文におすすめの本」の記事の公開を先に今日中に……と思っていたのだが、これもまだ今日は無理な段階だ。

おすすめ図書のタイトルを並べる程度の記事とはいえ、読んだことのない作品とか昔読んだきりの作品をすすめるわけにはいかないので、確認のための読書に時間がかかる。

書店で中編によい本を探していたら、カロッサの作品が岩波文庫で出ているのが目に留まった。カロッサの作品は青春時代に読むにはぴったりの真摯さと深み、表現の丁寧さがあるので、独立しても読める自伝的作品四部作『幼年時代』『若き日の変転』『美しき惑いの年』『若き医者の日』のうち、『美しき惑いの年』にしようと考え、図書館から借りて再読していた。

昔読んだときは気づかなかったが(実は朧ろ気にしか覚えていなかった)、カトリック作家カロッサに神智学の影響があったことを考えながら読むと、「カルマ」という言葉が出てきて驚かされたりした。実にさりげなく出てくるし、昔読んだときはその作品がいつ、どこで書かれたかということを今ほど意識して読まなかったため、作者が今の自分と同じ読書環境にあったかのように錯覚してしまっていた。

カロッサは当時のドイツに生きる周囲の人々から、医者の卵のころには既に知識人の一人と見なされ、大人たちからも宗教上の疑問をよく投げかけられ、答えをせがまれていたのだろう。

当時のドイツの庶民にとっては死後自分がどうなるのかが大問題だったにも拘らず、自分で自由に本を読んで調べるなどということは経済的にも教養的にも無理だったからだ。

カロッサは真摯に答えるのだが、質問するほうも真剣そのものだから手加減がなく、答えに詰まった主人公が「カルマ。インドの言葉だよ」と答える場面が出てくるのだ。突然、しかもさりげなく出てくる。


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