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2016年3月22日 (火)

江戸初期五景2 #5 台湾仏教

台湾仏教には、今の日本の仏教にはないパッションが感じられ、気になっていた。

日本の仏教は江戸時代の檀家制度、明治時代の廃仏毀釈、第二次大戦後の江藤淳が『閉された言語空間―占領軍の検閲と戦後日本』の中で書いていたウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP)、左派や在日による反日活動などで、本質的な部分はほぼ壊れていると考えるべきだ。

以下の記事に書いたように、日本の仏教との関係を考える上でも、台湾仏教について調べる必要があるように思う。

2016年1月23日 (土)
江戸初期五景2 #2 英彦山。鍋島光茂の人間関係。
http://elder.tea-nifty.com/blog/2016/01/2800-e9da.html

萬子媛の短編を書いているときに、数多く聴いた梵唄の動画が印象的で、忘れられなくなった。それらの唄を通して信仰が生きている感じがするといおうか。今の日本の仏教からはあまり感じられない類いの精気があるといおうか。過去記事で、そのうちのいくつかを紹介した。

 2015年12月 2日 (水)
 歴史短編1のために #25 禅院で尼僧たちを率いた萬子媛

しかし、これらがどこからアップされたのかがわからない。台湾か香港だろうと思った。調べるうちに、中国共産党の弾圧を逃れた僧侶たちが台湾に逃れ、香港や他のアジアの国々にはそこで育くまれた僧侶が布教に渡ったということのようだ。

日本の台湾統治時代に日本仏教の影響もあったようだが、大陸系の中国仏教が中心だろう。萬子媛が生きた江戸初期、黄檗宗は大陸から渡ってきた明僧が開いた。

参考になりそうなオンライン論文を見つけた。以下のタイトル。

  • 佛光山からみる,台湾仏教と日本との関係 (特集=台湾における日本認識)
    Post Colonialism in Taiwanese Buddhism : the case of Fo Guang Shan五十嵐 真子
    http://ci.nii.ac.jp/naid/120000997350

今日、以下の動画を視聴した。

  • https://youtu.be/OonqczK-9AM?list=PL12kPVFyUP3nVRAW3DHnAmj7LmTgnsB3K

タイトルに法鼓山僧團と書かれているので、これは台湾からアップされた動画だろう。法鼓山(ほっくさん)は台湾の仏教系団体であるようだ。壇上に並んでいるのは尼僧の方々だと思うが、失礼ながらわたしには男僧との区別がつかない。お声からすると、尼僧の方々ばかり(?)。

またしても台湾仏教には圧倒され、前掲の論文を閲覧したのに続いて、以下のオンライン論文を閲覧した。

  • 台湾の現代仏教 : 拠点寺院の門派化とその存在形態
    Taiwan Buddhism in Present Days : The Sectarianization of Certain Temples and its Style of Existence
    蓑輪 顕量
    http://ci.nii.ac.jp/naid/110006224310

この論文によると、台湾に在住する台湾人僧侶の数は台湾全土で約20,000人、尼僧が圧倒的に多く、その比率は尼僧と男僧とで約5対1という 。大学卒業の学士号を持ったハイレベルの尼僧も多く、女性の自己実現の場として出家が存在しているらしい。儒教道徳の影響で男性は出家しにくいという事情があるという。

台湾仏教の特徴と主な寺院について、蓑輪氏の論文では次のように解説されている。

現代の台湾において注目される点は,新たに拠点となる寺院が成立し,その寺院を中心に仏教界に門派化が進行していることである。門派化と述べたのは日本の宗派とは異なって同じ仏教者としての意識は継承されており,排他的な関係にはなっていない点を重視するからである。その拠点となる寺院はその巨大化の年代順に挙げれば仏光山,法鼓山,慈済功徳会,中台禅寺,霊巌山寺の5つである。

リサーチしたところでは、宗派間の行き来が可能らしい。

話題が政治に逸れるが、佛光山寺を開山した巨大教団のトップに君臨する星雲大師は中台統一を主張し、反日色が強いという、元警視庁通訳捜査官・坂東忠信氏のブログ記事を閲覧した。

その佛光山寺をリポートした「ロケットニュース24」の記事を見つけた。一日2万人以上の参拝者が訪れるという佛光山の仏陀記念館の巨大さには驚かされるらしい。

  • http://rocketnews24.com/2015/08/02/615650/
  • http://rocketnews24.com/2015/08/03/615686/

過去記事で以下の動画のフーガのような一糸乱れぬ読経に圧倒されたと書いたが、タイトルの一部に台湾霊巌山寺とあり、これも五大寺院の一つである。

  • https://youtu.be/IHkSejHSPq8?list=PL2OLTz5OiV8fo2hT6jwY81pmcJgAIHwQq

以下の3本の動画の美しい梵唄には聴き惚れるが、あれこれググってみても、どこからのアップなのかがわからないまま。台湾か香港のどちらかではないかと思う。

  • https://youtu.be/RU-P0hQYzk8
  • https://youtu.be/j9JVoCHKCXk
  • https://youtu.be/4zB2jBVe6jg

以下の動画は何度視聴しても、すばらしいと思う。姜敏を歌手とする神韻芸術団の舞台である。神韻芸術団は米国ニューヨークに拠点を置いた舞台芸術団体。

以下はウィキペディアより。

神韻芸術団は、中国共産党の数十年の統治下で破壊された中国五千年の伝統文化を復興するという目的を持ち、2006年に設立されて以来、2007年には初ステージを披露、2009年には、「神韻ニューヨーク芸術団」、「神韻国際芸術団」、「神韻巡回芸術団」の三つの舞踊団とオーケストラに規模を拡大し、北米のみならずヨーロッパ、オセアニア、アジアなど世界各国で巡回公演が行われている。 (……)中国で弾圧された法輪功関係者らによって始められたため、現在も中国では公演を行うことが出来ない。法輪功系のメディアである大紀元と新唐人電視台では神韻についての報道を多く行っている。

ウィキペディアの執筆者. “神韻”. ウィキペディア日本語版. 2015-11-28. https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E7%A5%9E%E9%9F%BB&oldid=57695475, (参照 2016-03-20).

仏教と道教の融合は中国大陸発祥の宗教では珍しいことではないらしいが、この舞台にはそれを超えた宗教そのものの華を感じる。ブラヴァツキーがいう様々な宗教体系が湧き出た始源というものから、髣髴として現れたかのようである。しかし、中国での法輪功に対する弾圧は今も続いているようだ。

こうしたリサーチを通してわたしは、現代日本からは失われてしまったが、萬子媛の時代にはまだ存在していたと感じられる本物の宗教の薫りを嗅ごうとしているのだ。

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