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2016年3月 2日 (水)

2012年2月に亡くなった「詩人」と呼んだ女友達の夢

2012年2月1日の夜に就寝した「詩人」の起床が翌朝の2日、いつになく遅いので、ご家族が呼びに行かれると、亡くなっていたそうです。死因はお尋ねしませんでしたが、そのころの彼女の健康状態から脳梗塞ではなかったかとわたしは憶測しています。

透明感のある優れた詩を書いた彼女は修道女を育成する学校で思想的な限界と内的な崩壊を味わい、その反動からだったのか、本性的なものだったのかはわかりませんが、案外唯物主義的なタイプで、そのためわたしが彼女に神秘主義的な話をしたことはほとんどありませんでした。

これまで、死後に別れの挨拶に見えた方が4人ありましたが、お1人を除けばいずれも神智学、キリスト教、仏教と思想形態は違っても、何らかの宗教哲学に造詣が深い方々ばかりでした。

亡くなった彼女の訪問があったようには感じられませんでした。

高校時代から亡くなるまで統合失調症に苦しんだ彼女は亡くなった後は正気に戻り、健康を回復して(と亡くなった人のことをいうのは変ですが)、あの世の暮らしを楽しんでいるのではないかと想像しています。

彼女が亡くなってから一度も彼女の夢らしい夢を見ませんでしたけれど、昨夜、初めて見ました。神秘主義的な夢ではない、普通の感じの夢でした。

綺麗な空気が印象的な、丘陵地帯に造られた町の一角で、「お元気になられた**さんと、詩を作る散策に行きたいと思っていたんです」とわたしはいいます。彼女はそれに対して、遠慮がちでちょっと恥ずかしそうな微笑を浮かべました。

以下は、彼女をモデルに、最晩年の日々に光を当てた日記体小説です。

詩人の死

以下は彼女の詩を収録したカテゴリー。その4編の中から「あこがれ」を再掲しておきます。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

   あこがれ

あこがれの
はるか下界に
吹きあれていた
見えざる者の身ぶりは
いつもの
思わせぶりの突風か
出発の
支度づかれのあと
ホームの伝言板に置かれてあった
あこがれよ

雪解け水に映る
夕陽とわたしのすき間にも
おまえがひそんだものだ
身をかがめ覗きこんだ時の
おまえのまばゆさは
化粧する少年の
うすい唇に塗られた夕陽のかたちだった
すこやかにくれてゆく落日を背に
飴色の鞄をたずさえた わたしと夕陽のあいだを
遠く隔てた白い道 あこがれ

かれをかたどって
半透明の柱を建てたものよ
丘の上を焔白くするまで
幾柱も
幾柱も
だが
巷のさざめきにうたれたままでいた
あこがれを
握りしめた群れの手垢は
柱に怒りの深みを流し込むだろう   

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