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2015年4月 1日 (水)

42年前に読んだ、高校1年生の日記『あしたはガンバレ!』(梅沢久子作:高1コース5月号第6付録)

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42年前に発行された学習雑誌の付録、高校1年生の日記『あしたはガンバレ!」(梅沢久子作:高1コース5月号第6付録、学習研究社、昭和48年)が、本棚漁りをしていたときに出てきました。

日記について、「作者梅沢久子さんが、昭和42年石川県立金沢商業高校入学以来、45年に卒業するまで3年間にわたって書きつづけた、彼女の高校生活の全記録です。梅沢さんは、この日記を四部に分け、『起・承・転・』としていますが、本書では『起』にあたる高1の部分を収録しました」と解説されています。

自分と同じ高校1年生の女子の日記……身近な感じのする平明な表現で書かれ、共感を覚える箇所が多く、自分よりしっかりしたところもあって、前向きで好感が持てる――というのが、当時のわたしの読後の感想だったように記憶しています。

成人してからも、たまに読み返していました。

が、11年前に台風被害に遭って同じ町で引っ越し、それから1月後には夫に転勤の辞令が出て他市への引っ越しと、2度の引っ越しが続いたあと、本棚の中が訳がわからなくなりました。

我が家は全員本好きとあって、引っ越しなどで時折処分したりはしてきたものの、本の数が半端ではありません。

奥行きのある本棚には二重に本を置いているため、前の本をどけないと、後ろに置いた本が確認できません。10年間で本の配置換えはたびたびやりましたが、そのたびに「ああ、ここにあった」となつかしい本に出合い、嬉しくなります。

『あしたはガンバレ!』は薄い本なので、台風被害に遭う前は、目につく場所に置くように気をつけていました。ところが、台風で駄目になった本の確認作業も充分できないうちの2度の引っ越しで、どうなったかわからないままでした。何回か探しかけては、なくなったのだろうと諦めていたのです。

再会できて、幸せです。今読んでも、高校生のときの気持ちが甦ってきます。

一般の高校生によって書かれた日記を読むことは、インターネットのできる今では珍しいことではありませんが、当時は闘病記とか自殺した人が残した日記といった特殊な事情で上梓された形のものか、交換日記でもしない限り、目にする機会がありませんでした。

ちょっと引用してみましょう。

 どうも、わたしには陽気な面が不足している。そして、そっと相手の顔色をうかがうようなところがある。対人恐怖症なんだ。でも、「人間」をとっても愛しているんだ。無人島なんか行きたくない。ほんとうだよ。(p.18)

わたしの精神は健全なのだろうか? それとも異常なのだろうか? もし異常なのなら、どんなふうに異常なのかを知りたい。もっと心理学の本を読もう。(p.20)

 どうしたんだろう? 最近セカセカと気があせり、こうして日記を書いていても、線路道を追われるように歩いているみたい。それに夜になると幽霊が心配だ(半信半疑なのだが)。でも、SFで三次元とか四次元とかの世界があるし……あれはいったいどういうことなのだろう? それに、死後の世界ってほんとにあるのだろうか……。どうして、わたしはいまここにいるのかな? どうしてもわからないし、あまり考えすぎると妙な心もちになるからいやなんだ。(p.28)

 時間にへばりついて生きている。性格について、学習成績について、友人について、そし“中近東の王子様”について……。
 二週間ぶりにあったきのうは楽しかった。どうしてあんなに美しい顔をしているのだろう。小麦色の顔、引き締まってほっそりしている顔。顔のことばかりで、もの足りないが、性格なんてそう簡単にはわからない。ちょっとみえっぱりなのかしら。とにかくすてきなのですよ。
(pp.39-40) 

恋のときめき、クラブ活動、成績、円形脱毛症になったこと、本の感想など、内容は高校生らしいもので、思ったことが素直に、自分の言葉で書かれているという印象を受けます。

どんな中年女性になっておられるんだろう(わたしより6つ年上ですから、63歳?)、もしかしたら本を出されているかもしれないと思い、ググってみましたが、残念ながら、それらしい記事はヒットしませんでした。仮に本を出されていても、結婚されていて苗字が違っていたり、ペンネームだったりすると、わかりませんよね。

過去記事で、高3コースの詩の投稿欄で印象的だった方のことを書きました。

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