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2014年7月11日 (金)

杉田久女の夏の句

台風が通り過ぎ、今日はただ蒸し暑い。気温が相当上がった地域もあったようですね。

日本の気候も変わってきて、季語にずれが生じてきそうですが、雑用の合間に杉田久女句集の夏の句を読んで共感したり、感動を新たにしたりしていたところです。

以前ご紹介した句と重なるものが多いですけれど、印象に残った久女の句を『杉田久女全集第一巻』(杉田久女著、立風書房、1989年)から抜き書きしていこうと思います。

縫ふ肩をゆすりてすねる子暑さかな

みづみづとこの頃肥り絹袷

洗ひ髪かわく間月の籐椅子に

照り降りにさして色なし古日傘

母と寝てかごときくなり蚊帳の月

さうめんや孫にあたりて舅不興

枕つかみて起き上がりたる昼寝かな

夏痩のおとがひうすく洗ひ髪

夕顔やひらきかゝりて襞[ひだ]深く

夕顔を蛾の飛びめぐる薄暮かな

仮名かきうみし子にそらまめをむかせけり

茄子もぐや日を照りかへす櫛のみね

茄子もぐや天地の秘事をさゝやく蚊

夏服や老います母に兄不幸

いとし子や帰省の肩に絵具函

羅に衣[そ]通る月の肌かな

牡丹を活けておくれし夕餉かな

牡丹やひらきかゝりて花の隈

わがもいで愛づる初枇杷葉敷けり

谺して山ほととぎすほしいまゝ

以下は、「琉球をよめる句 十三句」より。

常夏の碧き潮あびわがそだつ

爪ぐれに指そめ交はし恋稚く

栴檀の花散る那覇に入学す

島の子と花芭蕉の蜜の甘き吸ふ

砂糖黍かぢりし頃の童女髪

榕樹鹿[か]毛[げ]飯[ハ]匙[プ]倩捕の子と遊びもつ

ひとでふみ蟹とたはむれ磯あそび

紫の雲の上なる手鞠唄

海ほうづき口にふくめば潮の香

海ほうづき流れよる木にひしと生え

海ほうづき鳴らせば遠し乙女の日

吹き習ふ麦笛の音はおもしろや

潮の香のぐんぐんかわく貝拾ひ

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