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2014年1月30日 (木)

初の歴史小説 (24)門玲子著作より①

 門玲子『江戸女流文学の発見』、『江馬細香』、『わが真葛物語』は初の歴史小説を書く上で、とても参考になる。

 手法上の参考になるだけではない。

 あとの二冊は江戸後期、江戸中期から後期にかかる人物にアプローチしたもので、時代的には花山院萬子媛が生きた時代より下るのだが、わたしのような無知な読者にも親切な筆遣いは、江戸時代全般と古文的なことを知るための優れたテキストともなる。

 それら著作のうちの『江馬細香』に「とうとう私は自分が読みたい書物は自分で書くしかないということを自覚した」とあるが、創作者の動機は同じなんだなと共感した。こうした共感が創作を続ける上で、どれほどの励みになることか。

『江戸女流文学の発見』は必要度が高いと思い、購入したが、他の二冊は図書館から借りているということもあり、参考になりそうな箇所はメモをとっておきたい。

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わが真葛物語――江戸の女流思索者探訪
門 玲子
藤原書店
2006年3月


「あとがき」
396頁
 さて、この拙い著作を為すにあたって、伝記小説風、評伝風、作品論風、探訪記風などなど、部分部分で異なったスタイルを採ったことについて、一言説明しなければならない。
 只野真葛は江戸女流文学者の中では、際立って大きな存在であるが、一般的な知名度は低い。ほとんど知られていないと言ってよい。樋口一葉や与謝野晶子、岡本かの子らのように、その生涯と作品が広く知られ、人物のイメージがほぼ定着している文学者を書く場合と、真葛について書く場合では当然手法を変えなければならないと思った。
 この一冊で、只野真葛という一人の文学者の生きた時代と環境、彼女の内面世界、そして彼女の作品世界群、周囲からの評価、後世の受け止め方などを、丸ごと読者に差し出すにはどうしたらよいだろう。欲ばった考えから、迷いながら、このような渾然とした形式になってしまった。さらには筆者自身が真葛の人物像に接してゆくプロセスまでも含めて、すべてを明らかにした。真葛という難解な、厚い霧に覆われた女流文学者、思索者の人物像が、この中のどの一章からでも感じ取っていただけるようにと願っている。

20頁
明治初期までは、女性は実家の氏名に属することが多いので、(……)。

24頁
当時、おおかたの武家の女子は、母や祖母から手習いや和歌の手ほどきを受けるが、真葛も当然そのような家庭教育を受けたであろう。

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江馬細香――化政期の女流詩人
門玲子
藤原書院

2010年8月

「序章」23頁
 私は細香の生涯の物語をたっぷりと読みたいと思ってさまざまな書物を求めて歩いたがついに私の願いを満す書物は得られず、きらきら輝く幾つかの断片と、筆写した上・下二冊の『湘夢遺稿』が手許に残った。
 とうとう私は自分が読みたい書物は自分で書くしかないということを自覚した。
 以下は「細香女史」についての恣[ほしいまま]の空想であって、細香の伝ではないのである。

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