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2013年6月16日 (日)

検索ワードに反応してみました (1)神智学おすすめの本

 アクセス解析をチェックしていたところ、「神智学おすすめの本」というワードで検索してお見えになったかたがあったようです。

 再度当ブログにお見えになるかどうかはわかりませんが、アマゾンで注文できる本に絞って、一神智学協会会員としてというより、ワタクシ的おすすめにすぎませんが、神智学運動の母といわれるブラヴァツキー関係の本で、アマゾンで注文できそうな本を挙げてみます(2013年6月16日5時ごろの情報です)。

 現時点での一押しは、何といってもこの本です。

シークレット・ドクトリン 宇宙発生論《上》
H・P・ブラヴァツキー(著), 田中恵美子(翻訳), ジェフ・クラーク (翻訳)
価格: ¥ 4,200 
単行本(ソフトカバー): 480ページ
出版社: 宇宙パブリッシング; 第1版 (2013/4/15)
発売日: 2013/4/15

『シークレット・ドクトリン』はブラヴァツキー畢生の大作です。内容はひじょうに難解なので、スラスラ読めるというものではありませんが(科学、宗教、哲学に通じている必要があります。どれにもほとんど通じていないわたしなどは、拾い読みできるだけです)、ブラヴァツキーのいう神智学(神聖な知識または神聖な科学)というものがどんなものかが伝わってきます。

 宇宙と人類の叡智の薫りがする、知識の宝石箱とでも申しましょうか。

 あるテーマを哲学的に展開するには、第一に、そこで使用する言葉を定義していく必要がありますが、ブラヴァツキーはその点において徹底した、それでいて無駄のない側面を見せます。重箱の隅をつついてばかりいるような退屈な哲学書って、多いんですよね。

 ブラヴァツキーは哲学書や宗教書から引用するとき(バルザックやシェークスピアなどの文学書からの引用も少なくありません)、その説の意味や著者及び派がどんな系譜に属するかを解説し、比較したり他に参照できる説があればそれらも紹介し、同時に批評も行うので(手厳しい批評が癪に障る人々から、誹謗中傷の出る傾向があります)、この本を読むことで、人類の宗教的、哲学的歩みを知ることができます。科学の教養があれば、科学的歩みを知ることもできるはずです。

 作風において、プラトンが文学的なら、ブラヴァツキーは科学的といってよいのではないでしょうか。だからこそ、科学音痴のわたしには難しいのですが、宇宙論の展開なのですから、科学色が強いのは当然でしょうね。

 最初に、『ジャーンの書』から翻訳された七つのスタンザが登場します。スタンザの注釈という形をとって、宇宙の進化という壮大なテーマが展開されていくのです。このスタンザの神秘的、豊麗な雰囲気には圧倒されます。ここで扱う宇宙について、ブラヴァツキーは以下のように規定しています(曖昧さは極力排除されていきます)。

……引用ここから……
これから与えられるスタンザはすべて、一太陽プララヤ後の地球惑星体系とそのまわりの目に見えるものの(宇宙)発生論だけを扱っていることを読者は覚えておかなくてはならない。普遍的コスモスの進化についての秘密の教えは与えることはできない。それはこの時代の最高の叡智の持ち主にも理解できないからである。〔略〕従って、伝えられることは、“梵の夜”が終わったあとの我々の目に見えるコスモスについてだけである。
……引用ここまで……

 プララヤとはサンスクリット語で消滅、壊滅の意です。マンヴァンタラの反対語として用いられ、全宇宙の休息期を意味します。

『シークレット・ドクトリン』にはヒンズー教用語、仏教用語が沢山出てきますが、日本人には比較的馴染みやすいのではないでしょうか。難解ではありますが、この本で西欧哲学的に表現されている思想自体は、日本人が自然に身につけている原理、原則と無関係ではありません。それを自覚させてくれるこの本。

 出版元「宇宙パブリッシング」で注文することもできます。本の紹介ページのサイドバーから最初の20ページを読むことができ(PDFファイルのダウンロード)、インタビュー形式の解説を読むこともできるので、購入の際の参考になります。

ベールをとったイシス 第1巻 科学 上 (神智学叢書) 
H.P.ブラヴァツキー (著), ボリス・デ・ジルコフ(編纂), 老松 克博 (翻訳)
価格: ¥ 4,830 
出版社: 竜王文庫 (2011/01)
発売日: 2011/01

『ベールをとったイシス』は、『シークレット・ドクトリン』の前に書かれた本。わたしはグノーシス、初期キリスト教などを調べるようになってから、この本が大変助けになっています。

夢魔物語 (神智学叢書)   
H.P.ブラヴァツキー (著)
価格: ¥ 2,520   
単行本: 156ページ
出版社: 竜王文庫 (1997/05)
発売日: 1997/05

『夢魔物語』はブラヴァツキー異色の怪奇小説ですが、格調の高い筆致で、神秘主義的な教訓が盛り込まれています。読みながらわたしはブラヴァツキーがロシア人だったことを、ふいに思い出しました。ゴーゴリの怪奇小説を連想したのです。ただの空想の産物ではないことがわかるだけに、面白くも怖ろしい本です。
 無神論者の西欧人、京都・知恩院の僧侶、山伏が織りなす『不思議な人生』、パガニーニに勝ちたいという思いから忌まわしいヴァイオリンを手にすることになった若きヴァイオリニストの話『不思議なヴァイオリン』の二編が収録されています。本の帯には次のように書かれています。

……引用ここから……
すぐれた透視家であったH・P・ブラヴァツキーならではの臨場感あふれる透視場面が展開する 神智学の怪奇小説!

はからずも日本のオカルト神秘に触れてしまった欧州の無神論者が体験した人生をつづった「不思議な人生」と若きヴァイオリニストが恐ろしい黒魔術にはまる悲劇を描いた「不思議なヴァイオリン」の二編を通してブラヴァツキーは読者に何を伝えようとしたのか?
……引用ここまで……

H・P・ブラヴァツキー夫人―近代オカルティズムの母 (神智学叢書) 
田中 恵美子 (翻訳), ハワード マーフェット
価格: ¥ 3,150    
単行本: 422ページ
出版社: 神智学協会ニッポンロッジ (1981/04)
発売日: 1981/04

 ブラヴァツキーの伝記です。平易な描き方をされた初心者向けの伝記といった趣です。わたしはブラヴァツキー派神智学と、彼女の影響を受けてはいても全く別の思想を展開している人々との区別があまりついていない時期にこの本を読み、ブラヴァツキーを知る上での参考になりました。

 ちなみにオカルティズムとは、H・P・ブラヴァツキー『実践的オカルティズム』(田中恵美子&ジェフ・クラーク訳、竜王文庫、平成7年)によると「宇宙と自然と人間の物質的、サイキック的、メンタル的及び霊的な秘密を研究する科学」という意味で使われています。

ブラヴァツキーのことば365日 
ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー (著), ウィニーフレッド・パーレィ (編纂), 山口 多一 (翻訳)
価格: ¥ 1,890 
単行本: 190ページ
出版社: アルテ (2009/09)
発売日: 2009/09

『ブラヴァツキーのことば365日』 をほしいと思いながら、3年以上、買わないままでした。わたしが昨夜買ったので、現在アマゾンで「一時的に在庫切れ」と表示されてしまいました。すみません。読んだら、感想を書きたいと思っています。

 追記:「在庫あり」に戻っていました。(6月17日9時43分時点での確認) 

オカルティズム対話集 (神智学叢書) 
W.Q.ジャッジ (著), 田中 恵美子 (翻訳), ジェフ・クラーク(翻訳)
価格: ¥ 3,570   
単行本: 199ページ
出版社: 神智学協会ニッポン・ロッジ (1997/05)
発売日: 1997/05

『オカルティズム対話集』はブラヴァツキーの愛弟子ジャッジによる本です。ジャッジは神智学協会の最初の法律顧問で、アメリカ部門の第一代会長でした。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

 ここからはアマゾンでは中古品しか入手できませんが、どれもすばらしい本なので、ざっと紹介しておきます。

 難解な『シークレット・ドクトリン』を読む前に、できれば真っ先に読みたい本『神智学の鍵』。神智学の入門書として読めますが、人間の生死を貫くあれこれに密着した知識が満載です。新プラトン派について、詳述してあるのも嬉しい……。

 綺羅星のような神秘主義的知識に触れることのできる『実践的オカルティズム』を、わたしはよく開きます。

インド幻想紀行』(原題:ヒンドスタンの石窟とジャングルから)は、読み応えのある旅行記です(探検記といったほうがいいかもしれません)。わたしは今、従軍慰安婦問題との関連からイサベラ・バード『朝鮮奥地紀行』を読んでいるところですが、読みながらブラァツキーのこの『インド幻想紀行』を連想しました。どちらも女性によって書かれており、観察の巧みさ、調査能力の高さ! ブラヴァツキーの場合は、それに志の高さが加わります。

 どちらでもトラがいると書かれ、現にブラヴァツキーはトラが現れたときのことを迫力に満ちて描写しています。彼女が象に乗ったときのことも独特のユーモラスな描写です。クジャクの描写も忘れられません。意外にも、『インド幻想紀行』のほうがナイーヴな印象です。ブラヴァツキーは本来は芸術家肌の(ピアニストとしても通ったほどのピアノの名手だったとか)、とても繊細な人柄だったことがわかります。それに……面食いだったのではないでしょうか(?)。

「訳者あとがき」「解説」によると、この旅行記は、はじめモスクワの新聞「モスクワ・クロニクル」に36回に渡って寄稿されたものだそうです。第一信は1879年11月30日付。寄稿の大半にはラッダ・バイという筆名が用いられました。その後、雑誌「ロシア・メッセンジャー」に再録されたそうですが、その雑誌にはトルストイやツルゲーネフも寄稿しているとか。

 連載は大変な反響を呼び、多くのロシア人がインドに関心を持つようになったそうです。ただ、この旅行記は1回の旅行での出来事を忠実になぞったものではなく、何回かの旅行時の体験が含まれているそうです。ブラヴァツキーがかつて単身インドを放浪したときのことなども。

 ブラヴァツキーが旅した当時のインドが如何にエキゾチックな処だったとしても、『インド幻想紀行』は当然、ただの旅行記ではありません。万華鏡のようなインドの宗教を体験し、インド哲学を探究するための旅なのです。

 神智学協会成立についても語られ、協会が拡がっていく中でインドとの接点ができた様子が説明されています。また、当時インドで最高のサンスクリット学者と見られていたバラモン、ダヤーナンダ・サラスワティーと文通し、その指導の下で先史アーリア国家のこと、ヴェーダ文献、難解な言語の勉強を始めたとあります。

 ジャングルで仙人生活を送っていたというこのバラモンは普通のバラモンではなく、謎めいていて、ダヤーナンダの行くところ、どこでも民衆はその足下にひれ伏すとか。外見は日に焼けていたにも拘わらず、肌が白くてヨーロッパ人のようだったそうです。「ダヤーナンダほどサンスクリットに優れ、哲学が深遠で、説得力に秀で、しかも諸悪を糾弾することに仮借ない人物は極めて稀であり、唯一の前例は、ヴェーダンダ哲学の著名な創立者で多神教教理の帝王、シャンカラチャーリのみ、ということです」とあります。

 そして、ダヤーナンダは今やほとんど忘れられたサンスクリット語へ戻れ、とだけいいます。
……引用ここから……
原初の聖仙たち――アグニ、ヴァーユ、アディチャ、アンギラたち――の教えた純粋な神の概念へ戻るように諭すのです。またほかの行者のように、ヴェーダ文献が「神からの啓示」だとは教えません。「ヴェーダ文献のことばはすべて、この地上で人間に可能な最高の霊的直感の一種であり、人類至上、必要とあればほかの民族でも同様な直感が生じてきたものだ」と教えます。
……引用ここまで……

 ブラヴァツキー一行に保護者として加わったクラーヴ・ラル・シンとなると、さらに謎めいた趣です。初対面は27年前のイギリス、このヒンドゥー人は廃位されたインドの王子と一緒だったとあります。そしてクラーヴ・ラル・シンの母国インドで再会を果たしたとき、ブラヴァツキーは老女になっていたのに、クラーヴ・ラル・シンは27年前と同じように30歳くらいに見えたそうです。

 神出鬼没で、トラを撃退したときの神秘的な様子、石窟で気絶したブラヴァツキーを救出したときの超人技、100年以上前に描かれた絵の中にクラーヴ・ラル・シンと瓜二つの姿が描かれていたり、『シークレット・ドクトリン』で書かれているのとそっくりなことを講義するクラーヴ・ラル・シン……ブラヴァツキーはある秘密を明かされたようですが、沈黙を約束したとあります。クラーヴ・ラル・シンの異常な長身と美貌は、格式張って保守的なロンドンの新聞も記事にしたほどだったとか。

 インドの風景、風俗、宗教、哲学に関する詳細な報告が興味深いのは勿論ですが、このクラーヴ・ラル・シンという名で語られる人物はひときわ光彩を放っています。さすがはインドという感じです。

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