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2013年3月23日 (土)

20歳に贈られたというデイヴィッド・アーモンド『肩胛骨は翼のなごり』

 先の二つの記事で、デイヴィッド・アーモンド『肩胛骨は翼のなごり』について、放言したままになっているが、改めてググってみると、この本は海外の有名な賞を受賞していたり、ノミネートされていたりし、また 2010年国民読書年記念事業「20歳の20冊」(出版文化産業振興財団(JPIC))のうちの1冊に選ばれていたりしていた。

 賞や事業自体がどうこうということではないが、ファンタジーという比較的軽い感覚で読まれている本にしては、何だろう、権威に妙に愛でられて……いう違和感がある。たまたま選ばれただけだと単純に考えていいものかどうか。この点でも、村上春樹と共通点がある。

 村上春樹の権威づけには河合隼雄が一役も二役も買っているのだろうが。

 創作中で、時間がないため、今日のところはメモのみ。

 翼のあるホームレスのスケリグくん、君を感動の道具にしたい人はいっぱいいても、君のことを本当に考えてくれる人はいないわね、作者でさえ。結局、用済みとなれば追い出され……天使という最高級の賞賛の言葉を浴びせられてお帰りはあちら、だそうで……。

 わたしの目には、君の翼は悲しいだけだ。どこがファンタジーだ? ただの悲惨なホームレス物語ではないか。レ・ミゼラブルだ。天使失墜もここに極まれり。

 この日本という国が本当に気持ちが悪くなってしまうが、わたしが村上春樹の作品に疑問を覚えたように、アーモンドの作品に疑問を覚えている人々も少なくはないようだ。しかし、その声は小さい。

 アーモンドといえば、最初の辺りで止まってしまっている『ハムスター列伝』に登場する予定のハムスターに、アーモンドという名のゴールデンハムスターがいた。雄にしては女性的といってよいようなチャーミングな子だった。抱くと、ウィンクするように片目を細めてみせた。

 そして見かけによらず、これが冒険野郎で、本棚の天辺から何度も飛び降りたりして着地を確かめたりしていたが、あるとき、いなくなってしまった。古い借家に住んでいるときで、図書室と呼んでいた部屋に、数時間放してやっていたのだ。家族がうっかり掃き出し窓を開けてしまい、そこから出て行ったらしかった。

 探せど探せど、見つからなかった。そして、数日後、死んだのだろう、魂が天国に行く前に戻ってきた。わたしの胸に飛び込んできて、「ああ……お家だ」と喜んだのがわかった。わたしにはときどきハムスターの気持ちがわたしにもわかる言葉としてストレートに伝わってくることがあった。神智学的には、透聴力ともいうが。

 いつだったか、博多の釜飯屋さんで、同じようなことを話していたおばさんがいた。死ぬ前の愛犬がストレートに話しかけてきたという。

 まあ、『肩胛骨は翼のなごり』とは無関係の話だった。

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