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2012年7月28日 (土)

高校生の読書感想文におすすめの本 2012年夏

最新の2013年版はこちら⇒http://elder.tea-nifty.com/blog/2013/07/2013-3172.html

 今回は、短編から中編までの手頃な長さの作品を中心に、文庫になっているもののなかから13冊、Amazonで購入が可能なものを選びました。
 短い説明文は、本の解説とウィキペディアを参考にしました。
 ライン以下では、昨年のおすすめをご紹介しています。

 プラトン[紀元前427-紀元前347]は、古代ギリシアの哲学者。プラトンの作品はどれもスケールの大きな作風で、思考の美しさを味わわせてくれます。『ソクラテスの弁明』は、深みのある作品ですが、案外読みやすく、言葉の正しい使いかたを教えてくれるので、高校時代に読むにはぴったりだと思います。

 ウィリアム・シェイクスピア[1564-1616]は、イギリスの劇作家。四大悲劇『ハムレット』『マクベス』『オセロ』『リア王』をはじめとする、多くの優れた戯曲で知られています。 

 ウィリアム・ヘンリー・ハドソン[1841-1922]はアルゼンチンに生まれ、その後イギリスに渡りました。両親はアメリカ人です。ハドソンは鳥類学者でした。『緑の館』はやや長い小説ですが、鳥類学者でもあったハドソンだったからこそ書けたと思わされる、神秘的でロマンティックな恋愛小説です。

 プロスペル・メリメ[1803-1870]。フランスの作家メリメは、歴史家、考古学者でもありました。『カルメン』はオペラになった、特に有名な作品です。

 ジョルジュ・サンド[1804-1876]は、フランスの女性作家で、男装の麗人として知られました。女性権利拡張運動でも有名な人です。また音楽家ショパンとの恋愛でも知られています。

 アーダルベルト・シュティフター[1805-1868]は、オーストリアの小説家で、画家でもありました。『水晶』は、児童文学作品として紹介されることもあります。雪山で遭難しかかった兄と妹の物語なのですが、息を呑むほどに美しい作品です。

 以下は、ブクログにおけるわたしのレビュー。ご参考までに。

作者の哲学的強度を感じさせる作品4編を収めた、まるで宝石箱のような短編集。最初の作品『水晶』を、わたしは子供の頃に児童文学全集で読みました。
大自然のふところで生きる村人たち。クリスマスの祝祭のリポートから作品が始まります。ネタバレでいってしまうと、これは二人の子供の遭難と救出の物語なのです。  兄の言葉に従うときの妹の「そうよ、コンラート」という口癖が、作品を読み終えても長く耳について離れません。大人になってもそうだったので、岩波文庫に『水晶』入りのシュティフターの本を見つけたときは嬉しかったです。
 

 ニコライ・ゴーゴリ[1809-1852]は、ロシア帝国の小説家、劇作家。ロシア文学に大きな影響を及ぼした作家で、ドストエフスキーは「われわれは皆ゴーゴリの外套から生まれたのだ!」といっています。

 泉鏡花[いずみ きょうか 1873(明治6年)-1939年(昭和14年)]は、石川県金沢市に、名人級の彫工を父とし、能楽師の家系の人を母として生まれた小説家、劇作家。その生まれは、鏡花独特の美麗な文章に影響しているといわれています。『高野聖』がわたしのおすすめです。

 ハンス・カロッサ[1878-1956]は、ドイツの開業医、小説家、詩人。自伝的作品『幼年時代』の続編として読める『若き日の変転』も、岩波文庫で出ています。

 谷崎潤一郎[たにざき じゅんいちろう 1886(明治19年)-1965(昭和40年)]は東京生まれの小説家で、「大谷崎」と称された、近代日本文学を代表する一人です。様々なタイプの作品を精力的に生み出しました。源氏物語の現代語訳を手がけ、長編『細雪』は代表作とされています。わたしは今回、『春琴抄』と『少将滋幹の母』のどちらをおすすめするかで迷いました。

 坂口安吾[さかぐち あんご 1906(明治39年)-1955(昭和30年)]は、新潟県出身の小説家、エッセイスト。第二次大戦後、既成の文学に異を唱えた、無頼派と呼ばれる作家の一人で、太宰治、次にご紹介する織田作之助と共に無頼派の中心的人物とされています。読書感想文としてのおすすめは、文化論である『日本文化私観』。

 織田作之助[おだ さくのすけ 1913(大正2年)-1947(昭和22年)]は、大阪生まれの小説家。無頼派の一人で、愛称は「オダサク」。現在、大阪文学振興会により、「織田作之助賞」という文学賞が主催されています。読書感想文としてのわたしのおすすめは、主人公の個性に度肝を抜かれる『六白金星』、次に、軽妙洒脱な作風の『夫婦善哉』です。

 北杜夫[きた もりお 1927-2011]は、東京生まれの小説家、エッセイストで、精神科医でもありました。今回、わたしは『青春記』をおすすめしましたが、『どくとるマンボウ航海記』も、とっても面白いエッセイですよ。長編小説『楡家の人びと』も有名です。

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 昨年のおすすめ。

短編部門・ベスト3(ポプラ社「百年文庫」から)
http://elder.tea-nifty.com/blog/2011/08/post-8442.html

(1)ヴァーグナー『ベートーヴェンまいり』(百年文庫13 響)

(2)夏目漱石『琴のそら音』(百年文庫31 灯)

(3)ピランデルロ『よその家のあかり』(百年文庫26 窓)

中編部門・ベスト1
http://elder.tea-nifty.com/blog/2011/08/post-286a.html

 (1)トーマス・マン『トーニオ・クレーガー』(河出文庫)

長編部門・ベスト5
http://elder.tea-nifty.com/blog/2011/08/post-ad1a.html

(1)ロマン・ローラン『ジャン・クリストフ』(岩波文庫)

(2)トルストイ『戦争と平和』(新潮文庫)

(3)ドストエフスキー『罪と罰』(新潮文庫)

(4)マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』(新潮文庫)

(5)円地文子訳『源氏物語』(新潮文庫)

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