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2012年6月15日 (金)

借りた本のうち数冊をざっと。ミューズが降りて来た。

 昨日図書館から借りた10冊のうち、日本バルザック研究会の論文集『バルザック』を読んでいるが、以下の本にもざっと目を通した。

ツヴァイクの伝記は如何にも資料が豊富という感じだが、どの登場人物の心理にも一々入り込み、細かく推理しすぎている嫌いがあって、逆にツヴァイクの主観が強く印象づけられ、ごてごてした印象で、人物像がぼやけてしまう。

 その前に読んだこちらは、如何にもすっきりと、厳選した局面にだけスポットライトを当て、気品に満ちたメアリー像を浮き上がらせている。流れるように自然に読めるところが、逆にフィクション性を感じさせもする。

 わたしはツヴァイクの推理に次ぐ推理で合成したメアリー像にも、デュマの芸術的感性で捉えられたメアリー像にも、興味をそそられた。メアリー・ステュアートについては、アリソン・アトリーの『時の旅人』読了後にまた書きたい。

 そういえば、バルザックに、『カトリーヌ・ド・メディシス』という作品がある。カトリーヌ・ド・メディシスはフィレンツェの名門メディチ家の出身で、メアリーの最初の夫がフランソワ2世だから、メアリーの姑に当たる人物。ちらっと姿を見せるメアリーを、バルザックは俗っぽく描いている。この作品、歴史的な興味があまり持たなくて、ちゃんと読んでいなかったが、今は読んでみたい気持ちだ。東京創元社の『バルザック全集』に入っている。

 久しぶりに東京創元社のホームページに行ってみると、在庫切れ! 在庫切れとあると、切ない気持ちになる。台風被害に遭ったときは、ブラヴァツキーの『シークレット・ドクトリン』にバルザック全集の数巻と一緒に避難したくらい、バルザックが好きなので。

バルザック全集〈23巻〉
カトリーヌ・ド・メディシス コルネリユス卿
オノレ・ド・バルザック
渡辺一夫/鈴木健郎/沢崎浩平 訳
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488019235

 ざっと読み、ユングらしからぬ古色蒼然たる印象だなと思い、「訳者あとがき」を見たら、『心霊現象の心理と病理』(1902)は精神科医となったユングの最初の論文、『潜在記憶』(1905)は週刊誌に掲載された評論だそうだ。

教科書のような体裁。アトリーの生涯と作品の特徴がコンパクトにまとめられている。原文もいくらか鑑賞できる。

 アトリーは、マンチェスター大学で物理の学位を取得したあと、ケンブリッジで教育学、心理学、哲学を1年間学び、科学の教師になった。創作意欲が高まってきて書いた『農場でくらして』を酷評した夫は、アトリーが作家として歩み始めたときに自殺。アトリーと息子との関係は密接だったそうだが、その息子は晩年のアトリーを拒絶したりした揚句、アトリーの死から2年後に自殺している。

 アトリーの農場への郷愁、、夢と時間、妖精、民話への興味。アトリーが、短編作家キャサリン・マンスフィールドが大好きだったとは意外だ。同じアパートに住んでいたこともあるらしい。『農場でくらして』の出版が46歳だから、アトリーは遅咲きの作家だ。アトリーの伝記をもう1冊読む予定なので、『時の旅人』を含む感想はいずれまた。

 ところで、読書欲と創作欲は連動しているらしく、ミューズが降りて来た。ミューズ由来の作品の案は、決して忘れることがない。そういう原石のままのがいくつか転がっているので、そのうちの一つを形(児童文学作品)にしたいと考えていたのだが、大人の小説の案が浮かんでしまった。

 鮮やかな場面が見え――舞台は日本なのだけれど、ギリシアのような印象――、次いで、最初と最後を含む場面がいくつか見えた。モチーフが空間を音楽のように、川のように流れる。あの世界をどうしても書きたい。この作品は、亡くなった――わたしが詩人と呼んでいた――女友達をモデルとしたエチュードの如きものになるだろう。

 しかし、これも賞に応募したところで、結果は……ああ全く使い道のない作品の創作に、一銭も生み出さない労働に、また駆り立てられる。

 NHK・クローズアップ現代「“薬漬けになりたくない”~向精神薬をのむ子ども~」を観て②も、せっかく番組から沢山メモしたのだから記事にしておくつもりなのだが、メモとるときって、何だって、わたしの字って蚯蚓になってしまうのかしら。解読が老眼にはつらい!

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