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2011年7月25日 (月)

BS時代劇「テンペスト」第2回 「王妃処分」……ペット以下の威力しかない龍哀し

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 第2回「王妃処分」では、第1回「龍の子」以上に聞得大君(きこえおおきみ)が全面に出ていました。

 踊奉行に拾われて踊童子となった義兄(父親が養子にした実姉の三男)・孫嗣勇でしたが、孫寧温(真鶴)がその義兄と再会できた悦びも束の間、聞得大君(きこえおおきみ)は、義兄を人質にしてしまいます。

 聞得大君は宦官・孫寧温が本当は女性であるばかりか龍の子であることを見破り、勾玉を要求します。それに応えられない孫寧温。聞得大君は孫寧温を王府に戻らせ、自らの野望の操り人形にしようとするのでした。

 聞得大君が孫寧温に命じた最初の仕事は、王妃(若村麻由美)を追放することでした。

 聞得大君と王妃はどちらも国の財政難を無視した贅沢三昧の振る舞いをしていますが、この2人は仲がよくありません。

 王妃の誕生祝いで、聞得大君が祈祷をしている最中に火の神の香炉が割れるという不吉なことが起きました。このことから、聞得大君が贋物という噂は本当だった――という騒ぎに発展。しかし、このことは王妃の弟の仕業であったとすぐに判明します。

 尚育王は、王妃の処分を孫寧温の判断に委ねます。孫寧温は聞得大君から王妃を廃妃にするよう強いられます。そればかりか、御殿の改修に伴う莫大な費用について「兄がどうなってもよいのか、予算を通せ」と脅迫されるのです。

 孫寧温は、琉球王国の自立と存続のためには財政難を改善することが必要であり、聞得大君ら高位の女性たちが棲息する御内原(ウーチバラ)の歳出削減が緊急課題と考えていましたから、意に反することでした。お金がないと聞得大君に説けば、薩摩から借りればよいといわれ、さらに科試の問題を薩摩に漏洩せよといわれる始末。 

 思い悩む孫寧温でしたが、オバア (平良とみ)の包容力に心がほぐれ、「この国は神の国でも、役人の国でもない。オバアたちの国なんだよね」とつぶやき、心配してくれる同僚の喜舎場朝薫(塚本高史)に「信じてくれ、ぼくは役人の魂をなくしてはいない」といいます。

 しかしその決意も、義兄が受ける拷問の声を耳にして挫け、聞得大君の意のままになるしかない孫寧温でした。

 漏洩工作のための文書を渡すために出向いた海辺に現れたのは、初恋の人、薩摩藩御仮屋詰めの武士・朝倉雅博(山本耕史)。孫寧温は彼に「来ないで!」と叫び、海に身を投げたのでした……

 
 わたしは第1回の記事で、以下のように書きました。 

聞得大君の地位は国王の次に位置するとか。わたしは邪馬台国に興味があって調べてきました――現在は中断――が、聖を女性、俗を男性が担当するという王権の二重構造が邪馬台国と琉球王国では共通して存在していると指摘されており、興味深いと思ってきました。

 ですから、ヒロイン以上に聞得大君がどう描かれるかに興味があったのですが、残念ながらその興味は今回で完全に失せてしまいました。

 聞得大君は最高の女性神官です。

 彼女が贋物であれどうであれ、孫寧温に龍――竜神――の姿を霊視したりするのですから、その霊力は大したものともいえますが、ただそのわりには、その龍をペット以下の存在としか思っていないかのような孫寧温に対する冷遇ぶり。それでいて、雨乞いなんかはそれらしい神妙な表情で行うというちぐはぐさです。竜神に雨乞いしなくて、どなたになさるのでしょうか。

 ヒロイン孫寧温(真鶴)が龍の子という設定であるだけに、肝心のその龍がデコレーションにすぎない物足りなさには如何ともしがたいものがあります。

 また、34歳で亡くなる第18代国王の尚育王ですが、ここではいくら孫寧温を信頼しているとはいえ、存在感がなさすぎる気がします。

 ヒロインを演じる仲間由紀恵の様々な表情が美しく、このドラマを救っていると思いました。

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