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2011年6月13日 (月)

Notes:不思議な接着剤 #77 竜の目指す地は何処であるべきか? 

 執筆中の児童文学作品『不思議な接着剤』で、恐竜は最終章で輝かしいオーラを放つ竜となり、『マリア福音書』を具象化した女性マドレーヌをのせてエジプトの方角へ飛び立つことになる。

 竜が目指す地を特定するには、『マリア福音書』がどこで発見されたかを知らねばならない。

 カレン・L・キング『マグダラのマリアによる福音書 イエスと最高の女性使徒』(山形孝夫・新免貢訳、河出書房新社、2006年)によると、成立年代が古代にさかのぼる『マリア福音書』の写本には3冊ある。3世紀初頭のギリシア語写本『オクシリンコス・パピルス3525(オクシ・パピ)』『ライランズ・パピルス463(ライ・パピ)』が二つと、5世紀のコプト語写本『ベルリン写本8502』が一つだ。

 キングによると、「『マリア福音書』の原本はもともとギリシア語で書かれていたが、現在入手できるその大半はコプト語訳に限られる。コプト語とはエジプト語の最後の段階で使用された言語で、現在もなおコプト教徒と呼ばれるエジプトのキリスト教徒によって典礼用語として使用されている。」「コプト語文字の使用はほとんどキリスト教徒たちの独占であったから、『マリア福音書』をコプト語に翻訳し、こ後世に残したのはエドプト人キリスト教徒であったことは間違いない。」

ベルリン写本
 ラインハルトが1896年にカイロの骨董品市場で購入。売買人は中エジプトのアクミーム出身で、ある農夫が農家の壁がん部分にそれを発見したそうだ。しかし、写本の数頁の欠落を除けば、すばらしい保存状態であることからみて、それはありえず、不法に入手されたことは間違いないという。幾世紀もの間、放置されていた場所がどこかはわかっていない。

ライランズ・パピルス463(ライ・パピ)
 イギリスのマンチェスターのライランズ図書館が1915年に入手し、1938年、C・H・ロバーツによって発表。『オクシリンコス・パピルス3525(オクシ・パピ)』同様、北エジプトのオクシリンコスで発見された。

オクシリンコス・パピルス3525(オクシ・パピ)
 下エジプト(北エジプト)のナイル川沿いにある町オクシリンコスの発掘調査において発見、1983年、P・J・パースンズによって発表された。現在、オックスフォード大学付属アシュモール博物館所蔵。

 前掲書にキングは書いている。「古代では、禁書扱いしたい本を消却する必要はなかった(もっとも、こういうことは時たま行われたが)。再筆写されなければ、無視されてそのまま姿を消したのである。われわれの知るかぎり、『マリア福音書』は5世紀以降は再び筆写されることはなかった。」

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