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2011年3月28日 (月)

福島第一原発で、被曝した3人が着ていた防護服と作業の実態

 福島第一原発3号機のタービン建屋地下1階で作業していた3人は、3月26日付朝日新聞朝刊によると、防護服を着ていた。

 その防護服とは化学繊維の服、紙のカッパの上に完全防水性のビニールのカッパ。全面マスク(放射性ヨウ素の防護服)。2人は短い靴、1人は長靴。

 掘江邦夫が1979年に発表したルポルタージュ『原発ジプシー』を読み、原発に危惧を覚えてきたということはあったが、福島第一原発がこんなことになって初めて、放射線や原子炉について、さらには防護服のことまで調べることとなった。

 そして調べてみてわかったことは、放射線には色々な種類があって、そうした放射線を完全に防ぐことのできる防護服など、この世には存在しないということだった。哀しき防護服だ。

 そもそも原発で安全に働ける防護服の開発ができていないのに、原発をつくるという行動に踏み切った異常さ。その行動には、計画の段階から人的犠牲が当然のように組み込まれていたということになる。

 せめて、その犠牲をいくらかでも少ないものに留めようという努力がなされてきたかどうかといえば、『原発ジプシー』が発表されてからですら30年以上が経過したというのに、今回明らかとなった3人の被曝から推測できることは、努力の片鱗も見られないといってよいことではないだろうか。

 少なくとも、このサイト[⇒こちら]で見る限り、3人が着ていた防護服よりはましなものがありそうではないか。

 第一、過去記事で紹介したフランスから届けられたはずの「核分裂を抑える作業員が放射線から身を守るために必要な防護服1万1,000着、手袋4万組、マスク300個」があったはずだ。

 その後、アメリカからも「放射線を遮断するDemronという素材を使用した放射能防護スーツ200着」が寄付されて、先週中に届いただろう。

 だが、前掲の新聞に東電の作業実態に詳しい原子力技術者の下記のような告白が紹介されていることから考えれば、フランスやアメリカからの放射線防護服が彼らに届かなかったとしても不思議ではない。

  • 東電の原発では以前から安全管理がずさんだった。
  • (※かなり前の話)下請け企業の作業員は放射線計のアラームが鳴っても止め、そのまま作業を続けることはこれまでにもあった。
  • 下請けにはノルマがあり、時間通りに終えないと、契約額の減額などのペナルティーが科せられることなどが背景にある。
  • 作業は複数でするのが原則。1人が放射線を測り、基準値に達したら作業を止める。だが、東電の原発内では以前から、作業員1人だけで仕事をすることもあると、下請けの作業員から聞いていた。

 いや、それどころか3月27日付朝日新聞朝刊の下記の記事を読むと、3人の被曝は東電による犯罪の様相すら帯びてくる。

“3号機のタービン建屋内で起きた作業員3人の被曝で、3人が作業に入る6日前の18日、2号機のタービン建屋地下で、通常時に比べて異常に高い放射線量を確認しながら、東電は作業員に注意喚起をしていなかったことがわかった。東電は「情報共有が早ければ被曝を防げた可能性がある」と認め、謝罪した。”

 謝罪というには、被曝による障害がこの先いつ出るのかわからない3人の一生を見るということでなければならないはずだが、そんなことができるのか? 

 わが国を襲った地震、津波、原発事故は自然の恐ろしさを嫌というほど見せつけてくれた。しかし、非人道的な思想が絡む今回の3人の被曝は人災以外の何ものでもない。

「福島第一原発関連」はカテゴリーにあります。[⇒こちら

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