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2010年5月26日 (水)

暗黒の時代の神秘主義者たち

 まだ本調子とはいかないので、今日は家事で終わりそうですが、先日からの資料読みのまとめだけ。

 自作童話『不思議な接着剤』の舞台作りの下調べとして、上山安敏『魔女とキリスト教』(講談社学術文庫、1998年)を読んだことは、資料としての価値以上に、幼い頃から神秘主義に生きてきたわたしには贈り物のような価値を持っていました。

 あの暗黒の時代に神秘主義者たちがどう生きたかを、あまり知りませんでしたから。

 キリスト教会が異端審問、魔女裁判の真の標的としたのは神秘主義者ですから、神秘主義者たちがいなければ、あんなことは起こらなかったのに……とお考えの向きもありましょうが(今の日本でも仏教思想が一般的かどうか)、あんな事態を招く社会は神秘主義者がいようといまいと似たような別の事態を招いたことでしょう。

 魔女集会はサバトと呼ばれますが、サバトの語がユダヤ教の安息日(サバト)から来ていること、黒ミサがミサのパロディとなっていることを前掲書は指摘しています。

 魔女はキリスト教が生んだブラックファンタジーでしょう(それを実演してみせる馬鹿もいたでしょう)が、勿論一方では神秘主義の世界にも正道を外れる人々はいたでしょう。

 前掲書によると、魔女の処刑はショー化すらして、「刑場へは罪人を荷車で運んだ。槍を持ち、鎧を着けた人びとがそれを護衛した。処刑の日は夏の晴れ上がった日が選ばれ、民衆を集めるため、行列の華やかさが演出された。
 裁判所構成員、太鼓手、笛吹が続き、見物人がそのあとに従った。学校の教師と司祭が加わり、刑場には高位高官が豪華な衣裳で列席した。
 都市近郊からは、朝早く農民や職人たちが子供連れでやってきた。乞食や旅芸人も集まってきた。屋台や露店が出て、地方から来た見物人たちにロザリオや聖画、パンフレット、種々のみやげ物を売っていた。処刑場は祝祭の場に変った」とあり、これはもうキリスト教会がどうというより、人間自体の怖ろしさです。まさに地獄の光景です。

 何度か書きましたが、わたしには前世の淡い記憶がありました。過去形なのは、子供の頃のような実感を伴っては思い出せなくなってきているからです。

 年とった男性の修行者として死んだという記憶、彼の世の繊細な光と大気の記憶があり、今生でのテーマを自覚していました。

 もはや、そのテーマについてはおぼろげにしか覚えていず、前世から幼い頃を通じて習慣化していた瞑想のやり方すらも忘れてしまいました。

 ただ、母の子宮を通じてこの世に降りてきた当初の自身のつらさ、彼の世の大気に戻りたい悲痛な気持ちは昨日のことのように覚えていて(脳は生まれ変わりごとに新しくなりますから、脳の記憶ではないでしょう)、それに比較すれば、今どんな気持ちを味わったとしても、せっかくこの世という教室に降りてきたのだから、もう少し頑張ってみよう、しっかり生きようと思い直します。

 他の人々も、忘れているだけで、各人各様の宿題をやり遂げるために、この世に降りてきたのだとわたしは思っています。

 父と夫の考えかたや行動にしばしば悩まされるわたしですが、それはいくつもある前世のうちの二つのわたしの在りかたそのものなのではないかと考えています。すなわち、遠い過去の二つの自分を映し出した人々なのではないかと。

 今のわたしには過去世の自分が――偏っていた点が、よく見えるというわけです。でも現在のわたしの偏りは今のわたしには自覚できず、そこを正すために、死んだあとで(彼の世で休んだあと)またこの世に生まれ変わって来ることになるのでしょうね。その別のわたしは、今のわたしに似た人間に出会って深い関わりを持つことになり、いろいろと悩まされるんでしょう(あー、あと何回ここに降りて来なきゃいけないのやら)。

 そのとき、この世という教室が、いくらかでも居心地がよくあってほしいものです。どこの国か、どんな階層か、男か女か――選択するのは、輪廻する主体である不死の高級我といわれていますから、生まれてくるわたしにとってはあなた(高級我)任せとならざるを得ません。この世のどこもよいところでない限り、困ることになります。そう考えると、何事も他人事ではありませんね。その自覚がまた重い……。

 あの魔女裁判が吹き荒れた時代に、理性を保って生き、人々を処刑から救おうと活動した神秘主義者たちがいたことに安心させられ、彼らは凄いなあと思いました。あの時代、東洋ではなく、ヨーロッパに生まれた神秘主義者は悲劇ですわ。

 普通の人々は、生まれた環境や影響によって仏教徒になったりキリスト者になったりできるようですが、先行する明確なものがあるために、神秘主義者はどこに生まれようと神秘主義者なのです。

 とりあえずは家事! ではでは。

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