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2009年10月18日 (日)

Notes:不思議な接着剤 #24/中世の生活#1 

#24
2009/10/18 (Sun) 中世の生活#1

 中世といっても長い。中世ヨーロッパに関する論文を書くわけではないから、年代の特定が必要というわけではないが、目安を、1244年に異端カタリ派がモンセギュールの陥落によって壊滅的ダメージを被ったあとに置きたい。

 錬金術師の娘は、南フランスのラングドックで栄えた異端カタリ派とも、その地とも無関係であったかもしれないが、異端カタリ派の終焉(厳密には、最後の指導者が捕らえられたのは1321年のことだから、その後も細々と80年くらい生き延びたことになる)は、ヨーロッパにおける神秘主義の歴史にとっては大事件であったと思う。その前か後かくらいは、考えておかなければならない。

 昨日、以下の本をジュンク堂で購入。図書館から借りることも考えたが、繰り返し読むことになるだろうから、購入が必要だと考えた。ざっと確かめたところでは思った通り、わたしの選択、間違っていなかった。中世を知る教科書として、優れた本をセレクトできたと思う。中世ヨーロッパの生活というおぼろげなイメージが姿を現し始めた。

アンドリュー・ラングリー『「知のビジュアル百科 25」中世ヨーロッパ入門』(日本語版監修者:池上俊一、あすなろ書房、2006年) 

 63頁の図鑑で、当時の文化から基本的な物を拾い上げて具体的に目で知ることができる構成になっている。

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 農民の衣服。

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 露店。

J・ギース、F・ギース『中世ヨーロッパの城の生活』(栗原泉訳、講談社学術文庫、2005年)

J・ギース、F・ギース『中世ヨーロッパの都市の生活』(青島淑子訳、講談社学術文庫、2006年)

 この2冊がすばらしいので、同じ著者による『中世ヨーロッパの農村の生活』も購入したいと思っている。

 『中世ヨーロッパの都市の生活』は「第一章 トロワ 1250年」で始まる。北フランス、シャンパーニュ地方の都市トロワを舞台に、生活模様が濃やかに描かれていくようだ。

 わたしが知りたかった明かりのことも、生活背景として出てくる。以下は、その部分の抜粋。

 では、裕福な市民の家に入ってみよう。家に入るとまず控えの間がある。控えの間には扉が二つあり、一つは作業場または執務部屋へ通じ、もう一つの扉を開けると、急な階段へと通じている。二階の大部分は大広間または日光浴室となっており、リビングルームとダイニングルームを兼ねた役割を果たしている。巨大な煙突の傘の下では、暖炉の火がちらちらと輝いている。部屋に窓はあるが小さく、油を塗った羊皮紙で閉じられているため、昼間でも暖炉の火が室内の照明代わりだった。オイルランプが壁から鎖で吊るされているが、その火は外が完全に暗くなってから灯されるのが常だった。家庭の主婦たちはロウソクも節約していた。料理用の脂をためてはロウソク職人に渡し、安価なロウソクを作ってもらうのである(煙がよく出て、刺激臭がするのが難点だった)。蜜蝋を使ったロウソクは教会か、儀式のときしか使用されなかった。

 何て生き生きとした描写だろう! 読んでいるうちに、自分がこの時代のこの家庭の主婦になったような気分になってくるほどだ。

 瞳に、現代日本のお洒落なロウソクも持って行かせようか? ライトは現代的すぎるが、当時高価だったという蜜蝋のロウソク。面白い場面を生みそうじゃないか!

 奇しくも、この舞台は1250年。そのたった6年前の1244年に、南ではカタリ派の最後の砦が陥落したわけである。わたしが知りたいと思った時代の生活を、詳しく知ることができるのだ。ありがたい。

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