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2009年10月 5日 (月)

Notes:不思議な接着剤 #17 竜をイメージ化する

#17
2009/10/5 (Mon) 竜をイメージ化する

 遠い遠い昔の恐竜の卵。昔の錬金術師が孵したのか自然の神秘的作用のうちに孵ったのか……。

 動植物に乏しい鍾乳洞内で長く生きている竜は、半分以上は光の体(彼の世の体)で生きていて、大きな体なのにコケを嘗める程度で生きている。今(中世)の錬金術師はそれを知っていた。知らない街の人々は、魔女裁判にかけられた人々を生け贄として捧げてきた。竜はそれを食べたことなんかなく、生け贄は逃げ切れたか、広い暗い洞内で遭難したかだろう。

 洞内に入り込む中世風の世界は架空の世界で、東西の習慣やムードが混じるが、ヨーロッパ中世のムードを主調としたいと思い、ユイスマンス研究のおこぼれに加えて、ホイジンガ『中世の秋』をざっと読んでいるところ。

 竜のイメージ作りのため、恐竜展で買った『BBC BOOKS よみがえる恐竜・古生物【超ビジュアルCG版】』(ティム・ヘインズ&ポール・チェンバーズ著、椿正春訳、ソフトバンククリエイティブ、2006年) を観、ホイジンガとユイスマンスを読んでいたら、頭の中がぐしゃぐしゃになって、疲労困憊してしまった。

 が、恐竜から竜といえる存在になって鍾乳洞に生きる生き物のイメージは鮮明になってきた。

 最初のプランでは、竜をリンドグレーンの『はるかな国の兄弟』(大塚勇三訳、岩波少年文庫、2001年)に出てくる牝の竜カトラみたいな物凄いやつにしようと思っていた。恐竜展で肉食恐竜の中でも巨大なやつの骨を見ると、そうしたイメージも掻き立てられたが、一方では、植物食恐竜(今は草食とは呼ばないらしい)の朴訥な優しげな骨を見て、どうしてもそれを竜のモデルにしたいと思ったのだ。

 それに洞内に入り込む子供たちは錬金術師の末裔であり、囚われているのは錬金術師の娘なのだ。東洋の神秘主義では、竜の出現はドラゴンなんかとは違い、だいたい吉祥に決まっている。それにふさわしい存在にしたい。それでいて、人々がドラゴンと恐れるだけの背景を持たせたいのだ。どす黒い恐怖は竜ではなくて、ずさんな法制度・経済政策・衛生事情、痩せ干乾びた思想がもたらす。

 リンドグレーンの『はるかな国の兄弟』では、キリスト教思想とはとても思えない死後の世界が展開していくが、牝の竜カトラが落ちるのがカルマ滝というところを読み、ハッとした。カルマ滝とあるが、原語ではどう書かれているのだろう。まさか、東洋のあのカルマの意ではないだろうな? 

カテゴリー「Notes:不思議な接着剤」を追加しました。これまでの#1から16までは、折り畳んで当記事に収録しておきました。

 カテゴリー、増やしすぎですね。あったほうがワタクシ的には便利なので、つい。そのうち整理したいとはおもっていますが……。

  Notes :『不思議な接着剤』
                                                   
#1
2007/09/13 (Thu) 構想を少しだけ

 朝、『不思議な接着剤』の連載14回目を公開しようとして、うっかり消してしまい、そのあとすぐに公開するはずが、夜になってしまった。

 記事を書きながら、久しぶりに兄弟に会えて嬉しかった。この童話、まだまだ先が長く、長編童話となる予定だ。続編もいろいろと考えている。

 作品は一作ごとに完結し、それを可能な限り続けていきたい計画だ。いわゆるシリーズものにしたい。  以前、短編童話を数編、児童文学専門の出版社の編集者に見て貰ったことがあり、そのときに、シリーズものでないと弱いといわれたことから考えついた。

  2作目では、ドラキュラ伯爵の末裔(?)が工場を建てて、そこで生血のジュースを製造しているという設定。

  連れてこられるのは、この世に希望を失い、自殺しようとした人々。どうせ死ぬ命なら、血を絞ってジュースをとってもいいだろうというわけだ。  そうやって末裔は吸血鬼人口を増やし、莫大な儲けを蓄えている。そこに取引にやってきた紘平の父親。彼は吸血鬼の国で何を思い、どんな商取引をしようとするのか……。

 ――と、これは冗談でいったことで、ストーリーを本気にしていただくと困るが(いくら何でもこんな子供に不向きなものは書かない)、二作目では、紘平の父親が神秘主義者としての本性を表して、活躍する――この設定はたぶん動かない。

 父親の勤め先は、一見したところでは普通のこぢんまりとした商事会社だが、本質は時空を超えて商売の手を拡げる商事会社なのだ(とここで種明かしをしてしまえば、『不思議な接着剤』をご訪問くださっているかたがたに悪いけれど……)。

 父親はそこの営業マンで、時空を超えて製品を買いつけに出かけたり、神秘的な工場を管理したり、売りに出かけたりする。

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#2
2007/11/29 (Thu) お話の続きを考える その2

 電器店のシーンでは、まず、幼馴染の瞳をクローズアップさせよう。そして、紘平は彼女に、接着剤の秘密を話してしまう。

 紘平にとって瞳はそのような、信頼に足る人物であることは確かだ。冒険に入る前に、瞳に関しては肉づけをかなり行っておきたい。

 実は、瞳にはモデルがあった。と過去形になるのは、話の進行と共に紘平に肉づけがなされるにつれ、彼と行動を共にするのは、彼女(モデル)ではないということがはっきりするようになった。

 むしろ、紘平と行動を共にするのは、ヒトミちゃんではなく、マチコちゃんだろう。

 冒険は大変なものとなりそうなので、初めに考えていたヒトミちゃんがモデルでは、優しく、おっとりしすぎていて、ストーリーが進行しそうにない。恐るべき邪悪な竜に紘平と立ち向かうにも、役不足だ。

 紘平は男の子にしてはおっとりしていて、ヒトミちゃんと同じタイプなのだ。ヒトミちゃんは、サバイバル向きではない。紘平もサバイバル向きではないのだが、仕方がない。

 不向きであろうがなかろうが、彼には、冒険に入って貰わなくてはならないのだ。この冒険は彼自身が招いたことなのだから。

 新たなモデルとなりそうなマチコちゃんは、一緒にピアノを習っていた利発な子で、母子家庭のひとりっ子だった。

 小学校のうちに転校してしまったが、彼女と文通を続けていた人の話では、マチコちゃんは女医さんになったということだった。ちなみにヒトミちゃんは、初恋の人とめでたく結婚して、夫婦でお店をしている。

 このお話を思いついたときに、瞳は早いうちにわたしの意識に浮上したキャラだった。ポニーテールの女の子が繰り返し、意識に現われるのだ。

 だが、イメージはぼやけていた。そしてわたしは、そのイメージを、ポニーテールにしていたヒトミちゃんに重ねてしまったわけだが、それがお話をストップさせた大きな原因だったと思う。  ポニーテールの子は何とマチコちゃんだったのだ。彼女もポニーテールにしていた。とても可愛らしい子だった。ヒトミちゃんも可愛らしい子だったが、明らかにタイプが違う。

 でも、ヒトミちゃんが最初に出てきてくれなければ、電器店でのシーンが思いつけなかっただろう。長い長い停滞だったが、今では意味のある停滞だったと思える。

 もうひとりの重要なキャラ、錬金術師の娘スピカにもモデルはあるのだが、それも人違い(?)である可能性はある。まだ霧の中の映像にすぎない。スピカの存在は、このお話の華となるはずのものだ。

 スピカのモデルとして想定していたのは、母胎ブログで連載している『あけぼの――邪馬台国物語』に登場する卑弥呼の亡くなった姪ヤエミと共通する人物。

 だが、彼女はヤエミのモデルではあっても、スピカのモデルではない気がしてきた。

 ヤエミやスピカのモデルとなれる人物はおいそれとは見つからない気がするが、人間であれば誰にも聖性が潜んでいて、わたしにはその片鱗が見えるのだから、誰がモデルであってもいいともいえる。

 それでいて、上に書いたことに反するようだが、モデルはひとり……間違いなくひとりだけだ。  スピカには錬金術師の父親がいる。彼の姿もまだぼやけている。  創作するということは、出会いがあるということで、それは現実の出会いに匹敵するか、場合によってはそれ以上のものだ。

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#3
2007/12/22 (Sat) お話の続きを考える その3

 お話は、紘平が父親に工作の宿題を手伝って貰う場面で終ることにしていたが、彼には自力でそれができるのではないかという気がしてきた。

 鍾乳洞の中で竜を自分の目で見、その最後を見届けることになる彼に、それができないわけがないという気がしてきたのだ。

 不器用さは変わらないが、彼のうちにある生々しい興奮と冷静な観察力が、不恰好ながら、どこかリアルな工作の完成に彼の手を導いてくれるはずだ。

 工作の恐竜のまわりに、恐竜と戦う小さな者たちを散りばめさせよう。

 箱の天井になる部分のダンボールに錐で穴を沢山開け、糸を通して垂らし、それに小鳥に見せかけた紙を結べば、翔太の口から流れるピアノ協奏曲の玉たちが鍾乳洞の天井にぶつかって化身した小鳥たちになる。

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#4
2008/01/08 (Tue) お話の続きを考える その4

 ショックなことに、忍者ブログ「マダムNの創作ノート」に、ジュゲムブログ「マダムNの児童文学作品」で連載中の作品『不思議な接着剤』の構想を書いて保存したら、そのとたんに画面が真っ白になり、記事が消滅してしまった!

その構想というのが、主人公の少年紘平が、不思議な接着剤クッツケールを使って、今日としあさってをくっつけることにより、苦手な工作の宿題の提出日を明日もろとも消そうとする場面に関するものだったのだ。

 紘平に、この世に混乱を惹き起こしたという自覚はない。

 消された2日間は彷徨えるユダヤ人のように、その間に起きるはずだった出来事を満載して、幽霊船のように宇宙――異次元――の波間を漂うしかない。

 その幽霊船には、生まれてくるはずだった赤ん坊も乗っている。

 そして、地上には、異様な停滞と渋滞が起きている。

 それ以前に、カレンダーの世界では、受け持ちの数字(日付)を奪われた2つの曜日の歎きというものがあるはずだ。

 まあ、地上から2日間が消滅したことによって、どんな出来事が起きるかは、これからゆっくり考えていってよい。なぜなら、これらのことが明らかになるのは、鍾乳洞における紘平たちの冒険が終了してからなのだから。

 そんなことを書いて記事をアップしたとたんに、画面が真っ白になるとは。まさか消滅の構想が消滅するなんて。わたしの頭の中も真っ白になった。

 創作ノートにはまだ書きたいことがあったけれど、今夜はもうよそう。ココログでも、以前は記事が消えるなんてことがあったけれど、幸いなことに最近ではない。忍者ブログは作ってまだ日が浅いが、こんなことは初めてだった。

 それはともかく、久しぶりに前掲の児童文学作品やら、小説やら、手記やらを一気に更新してハイな気分。

 『不思議な接着剤』は、原稿用紙に直せば今のところ、60枚程度になるはずだ。肝心の冒険がまだこれからなので、結構な枚数にはなるはずだが、300枚以下、できれば250枚には抑えたい。

 先は長い。賞応募は今年は無理かもしれないが、ゆっくりいきたい。焦って作品を損なうより、じっくり書きたいのだ。

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#5
2008/01/12 (Sat) お話の続きを考える その5
 一昨日、宇佐神宮へ参拝に出かけ、そのときに、ちょうど日が落ちる頃だったが、すばらしい鳥の声を聴いた。以下はそのときの『マダムNの覚書』より。

それまで聴きこえていたカラスを代表格とする様々な鳥たちの声が止み、辺りが静まり返りました。
その静寂そのものといった中から、高らかに、すばらしい鳥の鳴き声が響き渡りました。ピロロロとピヨピヨの中間といった感じの鳴き声でした。
静寂は続き、その鳥の声ばかりが間を置いて3回聴こえて、静寂に戻り、しばらくして元のざわつきが戻ってきました。
生まれ初めて、あんなにすばらしい鳥の声を聴きました。神気が漂う、玉を転がすような、鈴の音を想わせる…… 

 野鳥の鳴き声を聴かせてくれるサイトであれこれ聴いてみたところでは、駒鳥だっただろうか、と思った。

 神主さんに伺ったが、ご存知なかった。こうしたことに詳しい職員が不在ということで、残念。

 ただ、このときのすばらしい鳥の鳴き声を聴けたことといい、息子の住む街でわが家のベランダに来るドバトと同じとはとても思えない優美な鳩たちと遊べたことといい、『不思議な接着剤』の戦いの場面で、音の玉が鍾乳洞の天井に当たって鳥に変化するという構想に肉づけがもたらされた気がした。

 ジュゲムブログ「マダムNの児童文学作品」で連載している『不思議な接着剤』では、いよいよ、幼馴染のポニーテールの可愛い利発な女の子、瞳が登場する。モデルは、当ブログで書いたマチコちゃん。彼女にまた作品の中で会えることは嬉しい。

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#6 
2008/02/15 (Fri) お話の続きを考える その6

 ネオンテトラ、ナマズの仲間コリドラス。草原のような水草。水槽に量の両のてのひらをくっつけて、水槽の中の世界に見入る翔太。

 そのあいだ紘平は、瞳がシフォンケーキを型から出すのを手伝う。瞳は、お母さんから、そういいつかったのだ。その作業中、彼は瞳に、不思議な接着剤のこと、弟翔太に惹き起こしてしまったことについて、打ち明ける。

 瞳は、陽気で頭の回転の速い、思い遣り深くもある少女なので、どんな反応をするかだ。

 説明書によれば、接着剤の使用は6回となっている。
1.肉まんと紘平の口
2.ピアノ協奏曲の音色と弟翔太の口
3.今日としあさって

 紘平と瞳の話し合いでは、残る接着剤使用の内訳は次のようなものとなる。

4.翔太のピアノの音色をした泣き声を、元の泣き声に戻すことに使うのに1回分。
5.遊びの切っ掛けを作るのに1回分。具体的には、電器店の倉庫の中の迷路の先に巨大鍾乳洞をくっつける。
6.遊びを締めくくるのに1回分。具体的には、壁を通り抜けて延びた鍾乳洞を消滅させるために、壁に開いた穴を接着剤で塞ぐ。つまり開いた壁の端と端をくっつけて、壁を元通りに再生することで、接着剤で創り出した別の世界を切り離す。

 3人の冒険は無事に終るものの、鍾乳洞が入り口となっている中世風の世界は存在したままだし、翔太の泣き声も取り戻せていない。さらには、紘平が接着剤で消した2日間のために、元いた世界は混乱していた。これら全てを解決するために、接着剤は最低3回分は必要なのだが、残っているのは2回分だけだ。

 紘平と瞳は、接着剤以来の時間をなかったことにするために、これまでのことを紘平が夜見る夢の世界にくっつけることにする。これで1回分。残る1回分は、現実の世界で叶うことになる。病気のおばあさんを慰めるために使うのだ。

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#7⇒反故 
2008/02/26 (Tue) シフォンケーキで思いついた恐竜の正体

 連載43のシフォンケーキが出てくるくだりを書いていて思いついたのだが、恐竜の正体は、シフォンだったことにしよう。

 翔太のピアノの音になった泣き声が鍾乳洞の天井にぶつかり、その音の玉がネオンテトラに似た小鳥とか、コリドラスにそっくりの小鳥とかに変わる。

 コリドラスそっくりの沢山の小鳥が、恐竜の胴体をつつくと、恐竜は出来損なったシフォンのようにへしゃげ、縮むのだ。

 ということは、その伏線として、シフォンケーキは(瞳には気の毒だが)失敗作ということにしなければならない。瞳の担当したメレンゲ作りはやわらかくて、ケーキをしっかりとふくらませることはできなかった。

 それで型から出す彼女の奮闘もむなしく、ケーキは崩れ、3人の子どもたちはそれを黙々と食べる。

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#8
2008/02/26 (Tue) 白ネコを登場させよう

 救急病院にいた白ネコ、カレンダーの絵の白ネコ、とここまで伏線を張っておきながら、白ネコを登場させないというのは、まずい。

 白ネコは生贄として鍾乳洞に囚われの身となっている乙女が連れてきたペットで、その白ネコが3人の子供たちを少女のもとへ導く。でなければ、巨大鍾乳洞の中で、3人は乙女に出会うことはなかっただろう。

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#9
2008/03/23 (Sun) 瞳の父親のこと

 主人公紘平の幼馴染である瞳は電器店の娘であるが、彼女の父親は紘平の父親と関係を持たせたい。すなわち彼らはアルケミー株式会社と関わりがあるというわけだ。

 尤も、こうした裏事情(?)は、現在執筆中の第1作目では出てこない。

 アルケミー株式会社と関係のある人間ということになると、瞳の父親は錬金術師ということになる。だとすれば、瞳は錬金術師の娘――正確には錬金術師の父親と一般人である母親との間に生まれた、いわばハーフ――で、鍾乳洞の中に入り込んでいる中世風の世界でいずれ彼女が紘平兄弟と共に出遇することになるスピカの末裔ともいえる。

 紘平兄弟も瞳同様、錬金術師の父親と一般人である母親との間に生まれたハーフである。

 第1作目では、全ては夢だったということで終るが、どうしてどうして。そこで話が終るわけがない。

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#10
2008/04/19 (Sat) 登場人物たちに、言葉の壁をどう乗り越えさせるか?

 中世の乙女スピカと紘平たち一行との言葉の壁の問題。

 テレパシーしかないかな。スピカが錬金術師の娘ということが幸いする。

 体験のないことではないので、子供だましの方法というわけではない。テレパシーの極意(?)は既に児童文学作品『魔王』で書いた。

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#11
2008/05/03 (Sat) 鍾乳洞について

 秋芳洞は「温度は四季を通じて17℃で一定し、夏涼しく冬は温かい」という。外国にある鍾乳洞に関する記事だったか、12℃で一定というのもあった。鍾乳洞の中は、このようなものらしい。一定していて、過ごしやすいらしいのだ。原始人が暮したり、宗教的な場として使われていたりもした過去があるわけだ。

 昔、夏行ったときに中がひんやりとしていたので、冬はかなり冷え込むのかと思っていたが、一定しているのか。これは都合がよい。子供たちをあまりに過酷な状況下に置くわけにはいかないからだ。

 湿度は高いようだ。内部の環境は、喘息患者にはどうなのだろう。喘息の子供を鍾乳洞に連れて行ったというブログの記事に、その子が階段で発作を起こしたとあったから、起きることはあるのだろう。コウモリの糞など、あるだろうから、それで喘息が誘発されることもあるに違いない(それに、スピカの白い猫もいる)。

 紘平は秋芳洞に行ったことがあり、そのとき土産店で恐竜ティラノサウルスの人形を買った(……)と、どなたかのブログにあったのを拝借)。

 日本あるいは海外の鍾乳洞にお出かけになった方々の記事を読むと、鍾乳洞と化石と恐竜は結びつきやすいらしく、鍾乳洞と化石発掘体験と恐竜センターとがパックになったツアーは珍しくないようだ。

 紘平一行の冒険には、鍾乳洞内の湖に潜む恐竜との闘いが待っているのだから、イメージ的な結びつきは重要だ。この冒険は、紘平の異次元体験とも夢の中の出来事ともつかない描きかたをしなければならない。

 まあ神秘主義者のわたしにとっては、両者は別のものではないけれど。。。

 世界一のマンモスケーブ、ヨーロッパ一のポストイナ鍾乳洞など調べる。

 失敗作のシフォンケーキを食べ、ココアを飲む間、子供たちにテレピを観せることにしよう。そこに、鍾乳洞が映し出されるというわけだ。

 中世のイメージをくっつけるとしたら、ポストイナか。そこに、紘平の行ったことのある秋芳洞のイメージが混じる。瞳は行ったことがなく、行きたいという。そこから、倉庫の中の通路の先に鍾乳洞をくっつける動機が招かれるというのは、どうだろう。

○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*

#12
2008/05/04 (Sun) note12 冒険へ
 子供たちがおやつを食べながら見るテレビには、次のような順序で、映像が流れる。

 中世風の街並み⇒鍾乳洞(スロベニアのポストイナ鍾乳洞)⇒洞窟城(ポストイナ郊外ブコヴィエ集落にある洞窟城)⇒洞窟城の内部⇒再現された司祭の部屋⇒拷問の展示物

 テレビ番組はここで終る。スロベニア紀行の一部分を子供たちは見たということにしよう。

 鍾乳洞の映像は、子供たちの興奮をそそる。翔太はコウモリに興味を持つ。後にそのコウモリの糞で、翔太は痛い目に遭う(喘息の発作)のだが。

 紘平は、秋芳洞に行ったときの話をする。そのとき翔太も一緒だったのだが、今より幼かった翔太はそのとき眠っていて、父親に抱かれていた。紘平は、土産店で、ティラノサウルスの人形を買ったことを思い出し、その話もする。工作の宿題で恐竜を作りかけであることも、彼は当然思い出すが、瞳に対するプライドから、下手な工作の話はしない。

 瞳は理系のタイプの女の子で(なにせ、将来、女医さんになったポニーテールのマチコちゃんがモデルなのだから)、鍾乳洞に並々ならぬ好奇心を募らせる。

 どちらかというと、彼女の誘導で、彼らの冒険は始まるのだ。彼女は以前のnoteで書いたように、いわば錬金術師の末裔なのだから、当然といえば当然の展開といえる。

 白い猫を忘れないこと。

○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*

#13
2008/05/28 (Wed) 横になって、お話の続きを考えた~「マダムNの覚書」

 午前中はフラフラしながらも元気だったが、午後寒気がし出した。風邪をひきかけたのかもしれないと思い、横になった。

 昨日掃除機が壊れ、明日休みの夫と買いに行く予定で、そのぶん家事の量が減ったので、余裕の気分で横になった。1日か2日でも、掃除機をかけないと気持ちが悪いけれど。10年は、使い込んだ掃除機だった。治療(修理)はしないよ、安らかに眠ってくれ。

 横になって震えていたが、わたしの児童文学作品の子供たちの声が聴こえた気がして(勿論想像だが声があるのだ)、お話の続きを考え始めた。

 まだ出てきていない錬金術師の娘スピカのイメージが、二通り出てきて、タイプがまるで違うことから、二通りの話がそれぞれ展開し出した。どちらにもリアリティがある。

 選択を誤れば、半年はふいになる。そう思いながら、眠ってしまった。

 娘の携帯の目覚ましの音が夢の中で聴こえ、起きると、軽い胸の圧迫感。よくならないので、ニトロ舌下錠を使う。胸から手にかけて清涼感。やはり舌下錠はよく効く。

 よくなったが、用心のため横になったまま、岩波少年文庫から出ているテア・ベックマン『ジーンズの少年十字軍』を読む。

 歴史上の愚行を、いささかの美化も交えず、子供たちの息遣いが聴こえるような筆遣いで描いている。舞台となるルートを彼女は丹念に取材したらしい。

 旅行しての取材が不能に陥ったわたしのハンディーの大きさを、改めて思わずにいられなかった。元気だったら、児童文学作品のために、昔行ったあの鍾乳洞へ出かけていただろう。悔しい。

 ベックマンについては、またの機会に触れたい。寒気はとれ、夜になっても、現時点では体調は悪くない。

○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*

#14 
2008/05/28 (Wed) 朝一番にお話の続きを考えた:スピカのモデル~「マダムNの覚書」

 昨日も記事にしましたが、児童文学作品『不思議な接着剤』の続きを、再び考えました。

 スピカのイメージが二通りわいたと書きましたが、よく考えれば、そのうちのどちらがスピカにふさわしいかは、自ずとわかることでした。

 錬金術師の娘スピカは、鍾乳洞内の湖に住む竜の生贄とされる定めで、鍾乳洞に幽閉されています。彼女はいささか気が触れていますが、彼女本来の気品と知性は損なわれることなく、鍾乳洞内に入り込む子供たちにも伝わります。

 このスピカのモデルが誰であるか、どうしてこれまでわからなかったのだろうと思います。それは、当ブログで連載中の(中断していますが、まだ続きます)『あけぼの――邪馬台国物語』に登場するヤエミのモデルとは違う人物。

 スピカのモデルは、修道女を育てるためのカトリック系の学校が合わず、そこで精神を損なったと語る、先日博多で会ったばかりのわたしの友人です。彼女しかいません。仕上がったら、彼女に読んで貰おうと思います。

 彼女は修道院の学校を出たあとも、そのときに培ってしまった自己否定的な意識に依然囚われたままのようです。自由な彼女の本性は、そこから逃れようともがき苦しむのです。

 わたしのお話に出てくる中世風の架空の街では、住民達は古風な信仰に生きています。それはわたしのお話の中だけに出てくる宗教、信仰で、わたしたちの誰もが知らず知らず囚われがちな固定観念をシンボリックに表現したものです。その固定観念がとるイメージは、人それぞれでしょう。

 わたしの友人の場合は、それがたまたまカトリックであったというだけのことでしょう。そして、先日博多で会ったとき、わたしは彼女から、以前はなかった力強さを感じました。

 彼女が混乱した自分をコントロールできるだけの統合力を育みつつあることを、感じました。

 その彼女の内的な力強さが、わたしのお話の子供たちを引き寄せたのです。わたしはこんなにも長いこと、彼女のことを書きたかったのだと気づきました。彼女をモデルにしたスピカと子供たちが鍾乳洞の中でどんなドラマを繰り広げることになるのか、まだおぼろげにしかわかりません。

 それにしても、子供たちの一人、少女瞳のモデルがマチコちゃんであり、スピカのモデルが彼女であることが判明するまでにずいぶん時間がかかってしまいました。

 でも、この作品をわたしは急ぎたくはなかったのです。この児童文学作品が求道的なものになるであろうことははっきりしていましたから。賞に応募するために、手っ取り早く仕上げるなんてことは絶対にしたくありませんでした。

○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*

#15
2009/06/13 (Sat) 紘平の父親が勤める会社の名を何にするか?
 ***グループは、太陽系を代表する企業連合の一つだが、紘平の父親が勤める***商事は、***グループの中核とされるうちの1社である。アルケミー株式会社も、その***グループに属する1社。雄大なグループ名がいいなあ。あるいは逆にごくシンプルな。紘平の父親が勤める商事会社には、そのグループ名が入る。

#16
2009/06/13 (Sat)

 舞台のモデルとするために、秋芳洞(あきよしどう)を取材。⇒秋芳洞

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