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2008年10月 1日 (水)

過去の作品

 衣類の整理に追われていた。娘の分は娘に任せ、夫とわたしの分を。いつの間にか着なくなった服や下着。処分すべき服があり、手入れの必要な服も見つかった。

 その合間に、ホームページに古い小説『風疹』を収録しかけていた。習作も習作といった作品だが、なぜか捨てられずにとっていた。そんな小品が数編ある。

 ホームページに作品を収録するには時間がかかる。衣類同様、時間がかかっても、過去の作品の整理は必要だが、過去の作品はやはり過去の作品だなと思う。やはり新しい作品を書かなくちゃ。でも整理もしなくちゃ。葛藤……。

 100枚程度の作品『地味な人』。お受験殺人事件といわれた事件に触発されて書いたものだが、これは織田作之助賞の3次までしか行けなかった。読み返してみると作品の構築力が弱かったと思わざるをえない。

 が、捨てきれないものがあり、ホームページに収録の予定。果たして改稿せずに収録すべきかどうか迷うところだ。今更ストーリーやそれを支える題材を補強してみたところで、当時の創作の意図からはずれるような気がする。

 あの事件からどれくらい時間が経過していたのだったか、娘と東京へ遊びに行ったときに、事件と関わりの深かった場所を見た。神社や数件の出版社のある通り。その日がたまたまそうだったのかどうかはわからないが、異様に活気のない通りだった。 

 わたしはあの事件を自分の知っている環境に置き換え、自分にもわかる社会背景を盛り込んで作品を書いた。それを、あちこちで事件に合わせようとしたために、作品には無理のあるところがある。でも、あの時期でなければ、書けなかっただろう。

 子育て中ほど、欲望が膨らみ、貧富の差を意識する時期はないのではないだろうか。もう少しお金があれば、あの服を買ってあげられるのに。あの塾に行かせられるのに。子供の能力や親である自身についても、あれこれ気に病む。

 わたしは子育て中から病気で、夫は子育てに非協力的だったために、家庭崩壊の危機を常に抱えていた。母親が子供を殺める事件が立て続けに起こると、その頃のことを思い出す。

 何ということもないけれど、なぜか捨てられない小品『風疹』の収録を終えたら、次に『地味な人』を収録しようと思う。収録には時間がかかるので、一方では、死者の登場する例の作品を書き始めることになるだろう。

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