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2008年10月 6日 (月)

ご機嫌麗しく…

 「ご機嫌麗しく……」のあとに小さなハートが6つ飛んでいるタイトルで、友人からメールが届いた。大学時代寮で4年間一緒に過ごし、現在同じ市に住んでいる友人からだった。

 年に1度春に会うことにしていたのを、1回増やすことにしたのだ。わたしは入院中、退屈なあまり彼女に連絡することになるのではないかと思っていたが、退院前日になってメールをする始末。

 大部屋だったので、退屈どころか、おつき合いで忙しかったのだ。でも、彼女には入院することになった顛末を話しておいたほうがいいと思い、メールをしたというわけだった。

 彼女は驚いたみたいだったが、不必要に驚く人ではない。しばらくしたら会おうということになった。

 で、14日に会うことになった。これまではわたしがランチするお店を決めていたが、今回は彼女が豆腐料理のレストランをいってきた。娘も彼女に会いたいみたいなので、一緒でもいいかと彼女に問うと、「ありがとね……」と大きなハートを飛ばして来た。

 彼女は年齢と関係なく対等におつき合いする人なので、娘も、博多であった《詩人》に敬意を払う感じとは異なる感覚で接するみたいだ。前回、娘は抜けたが、今回はまた一緒なのが、何となくおかしい。

 彼女はわたしと誕生日が2日違うだけだが、彼女はぎりぎりの水瓶座で、わたしは魚座。外観や性格を表すアセンダントや月は彼女は水の星座で、わたしは火の星座。わたしから見ると、彼女は何とも謎めいた性格に見える。

 そんな彼女をイメージさせるクラシック音楽は、ドビュッシーの『アラベスク1番』。彼女からのメールと電話の着メロはそれにしている。

 わたしは以前から、フリー(無料)でダウンロードできるサイト「クラシック MIDI ラインムジーク」様を愛用させていただいていて、誰彼をイメージさせる曲をダウンロードして着メロにするのを楽しんでいる。

 アラベスクの彼女のライフスタイルはごくノーマルなのだが、何を考えているのか、さっぱりわからないところがある。わたしの好みは神秘的なものなので、そうした意味からいえば少々変わっているのかもしれないが、性格は単純で平凡であるため、会うたびに不思議な人だと思う。

 例えば、わが家に来たとき、彼女は娘とわたしが傍にいることなど完全に忘却したように、居間の本棚に並んだ本の背表紙を一冊一冊ゆっくりと見て行った。ただひたすらに見ていたのだが、その間何ひとつ尋ねるわけではなく、丁度レントゲンが対象を写し撮っているかのような無機的な感じなのだ。

 おしゃべりなわたしも黙してしまうくらい、真剣だった。が、そもそも彼女に読書癖はなく、うちの本などにどんな興味がわくのか、それともただ見ていただけなのか、謎だった。そうやって30分が過ぎた頃、ごく当たり前のように彼女は屈託ないムードに返った。

 彼女は決して寡黙ではなく、よくおしゃべりもするタイプなのだけれど、内面的なことや打ち明け話などはしない人だ。ひたすら内面的な事柄を、それもテーマ性を帯びて話題にする哲学者のような《詩人》とは対照的に、彼女は日常的なことしか話さない。

 だが、《詩人》は統合失調症を病み、観念的なことで頭がいっぱいなのに、外観はノーマルなさわやかな人で、気遣いも濃やかだ。アラベスクの彼女は外観や行動が、濃く、神秘的に見えるし、女性にありがちな気遣いとは無縁というか、クールでさばさばしている。

 そういえば、入院中にアドレスを交換したうちの1人、最初から最後まで一緒にいた69歳になるKさんの着メロも決定した。オースティンの『お人形の夢と目覚め』。しっかりとした外観の人だが、とても可愛らしい人なので。

 書き忘れていたことには、Kさんに、産婦人科を受診した日に病院のロビーで会ったのだった。

 偶然、その時間に受付にいなければ、会えなかっただろう。もう退院していると思っていたので、驚いた。彼女はその日の午後に退院するとかで、会計で入院費の支払いをしていたのだった。

 例の病衣を着て、向こうも驚いてわたしを見た。ロビーの椅子に座って話した。それによると、何と彼女はわたしが退院した夜に発熱し、原因は腎盂腎炎で、2週間その治療の点滴をしていたという。そしてようやくその日、退院となったらしかった。

「入院していながら、なぜ腎盂腎炎になんてなるの? わたしの退院がそんなに堪えた? しっかりしてくださいよ、Kさん。糖尿病があるんだから、どこかどうかあったら、すぐにお医者さんなり、看護師さんなりにいわなきゃ」と、心配のあまり、わたしは叱責するような口調になってしまった。

 わたしが退院した夜、発熱した彼女は広い病室に1人だったという。「翌日には、膠原病の人が入ってきたけどな」とKさん。

 久しぶりに話して楽しかったものの、ひとり暮らしの彼女のこれからに対して心配も募った。下のお嬢さんが車でそう時間のかからないところにいるという話だったが、まだ子供に手がかかるうえに、別の病院の小児科で心理カウンセラーをしているため、多忙らしい。

 Kさんの入院は、自宅で低血糖に陥り、昏睡したためだった。退院後も用心しなければならないのに、用心できるのだろうか。社交家で旅行好き、カラオケも好きで韓流にはまっている。シルバー人材センターに登録していて、このマンションにも掃除に来ることがあるという。いい小遣い稼ぎになるのだそうだ。

「電話するからな」と彼女はいい、別れたが、まだ電話はない。案外、遠慮しがちな人でもあるのだ。病院では人がいるから安心して眠れる、といっていたKさん。そのうち葉書で、その後の体調はどうなのか、近況を尋ねたいと思っている。  

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