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2008年3月 3日 (月)

腑に落ちない心臓の大きさ

  一昨日、循環器クリニックで自分の心臓のレントゲン写真を見た。

 定規を当てなくても、長さや比率などが操作で出せるようになっている明るいテレビ画面のような装置に、心臓の写真は貼りつけられていた。その1枚だけだったので、それは一昨日撮ったものだったのだろう。

 しっかりした大きさの心臓で、どう見ても小さくは見えなかった。

 わたしが一昔前に福岡県の某市立病院で見た、どう見ても小さい心臓とは別の心臓みたいに見えた。

 そのときは、治療を受ける前後に撮った心臓が2枚並べて貼られていたために、大きさの違いが当時の主治医の説明を受けるまでもなく、歴然としていた。

 治療を受ける前に撮った心臓は、わたしの体からすれば標準的な大きさだそうで、最初主治医はわたしの心臓には異常なしと診断を下されたのだった。そして、彼の関心は最初に目をつけた膵臓に移っていた。

 が、あまりにも執拗にわたしが体のつらさを訴えたために、主治医は24時間心電図をつけてくれ、その結果、一日中小走りに動き回っているような脈の異常が判明した。

 頻脈治療のためにインデラルを飲み始めて2週間後だったか、1ヶ月後だったか、再びレントゲン写真を撮ったところ、わたしの心臓は縮んで、小さくなっていたのだ。というより、この小さな心臓が本来のわたしの心臓だと説明を受けた。

「心臓が縮んでいる!」と叫んだ、あのときの主治医の驚き。 

 本当は、心臓が縮んだわけではなく、頻脈に疲れた心臓が大きくなってしまっていたのだそうだ。小さな心臓が健康で、それより大きく見える標準的大きさの心臓は病的な心臓だったという話。

 こうした記述が当時のわたしの日記に残っているだけで、あの2枚のレントゲン写真は残っていない。

 一昨日見たちょっとふてぶてしいくらいに見えた心臓。前回クリニックで撮った写真と変化がなかったからこそ、先生は「心臓も綺麗だよ」といわれたのだろう。

 だが、わたしは腑に落ちない。心電図も、本当のところ、全く信用していない。心臓が大きくなって心不全の症状が出ていた一昔前も、普通の心電図では異常なしといわれた。頻脈は認められたが、一時的なものだと判断されたのだ。

 あんな一瞬だけの心電図で何がわかるだろう? 脚に血栓が飛んだ男性だって、一昨日の心電図は綺麗だと看護師さんがいうのが聴こえた。

 疑い出せば、きりがない。 

 何にしても、あのしっかりした大きさの心臓、わたしには違和感がある。

 といっても、確かに現在頻脈は薬できちんとコントロールできているし、発作の前後はともかく、普段は心臓を重く感じることもない。一昔前の治療を受ける前のわたしの心臓はとても重く感じられた。金属でできているみたいに。

 で、折衷的なわたしの想像ではこうだ。スポーツ心臓。

 薬でコントロールできているとはいっても、完全にというわけではないから、スポーツをしていなくてもスポーツをしているのと似た鼓動を心臓は長年繰り返し、スポーツ心臓のように、大きくなったというわけだ。

 つまり、一昔前のわたし本来の心臓より大きくなっているとはいえ、健康な心臓というわけだ。

 頻脈がコントロールできているわたしの現在の異常は狭心症だけで、その狭心症にしたって、動脈硬化からきた労作性狭心症ではなく、発作時以外は全く異常の認められない冠攣縮性狭心症のはずだから、普段は健康な心臓といえるもののはずなのだ。

 本当は、こうした疑問を全て先生にぶつけたかったのだけれど、前回レントゲンを撮ったときに一昔前のことをいって信じて貰えなかったために、またそれを繰り返す気になれなかったというわけだ。

 でも、心臓は健康なはずなのに、なぜ、わたしの体はこうも衰えていくのだろう。薬の副作用のせいだと思うしかないのだろうか。

 もう少しでいいから、体力がほしい。診察のたびに、喉元まで出かかっているその言葉をまた押し込めて、談笑でごまかしている。

 頻脈や発作の苦痛を和らげて貰っていながら、これ以上何がいえよう。

 毎日がこんなにきつくさえなければ、心臓が大きかろうが小さかろうが、わたしには本当はどうだっていい。

 でも、頻脈が続いていた日々は、本当に地獄の苦しさだった。寝ても覚めてもマラソンしているみたいなしんどさだった。

 あれに比べれば、何て楽な日々であることか。普段はじっとしている限り、なんともない。発作だって、薬できちんと治まる程度のものだ。天国みたいな日々なのに、人間は天国にすらすぐ慣れてしまうみたいだ。

 心臓の大きさの話をしたのは、これで何度目になるだろう?  別に耄碌して、同じ話を繰り返しているわけではない。どうしても気になって、仕方がないのだ。 

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