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2006年12月10日 (日)

感動したブログ

 深夜、NHK衛星2で、タルコフスキーの『ノスタルジア』をやっていた。半分眠りながら観ていたばかりか、どんな物語なのか、さっぱりわからなかったのだが、見終えたあとの充実感は不思議だった。

 その後、本格的に眠り、夢を観た。家にはない書架の前に立ち、実際には持っていないタルコフスキーの映画のパンフレットを探している夢だった。

 パンフレットは書架にではなく、家にあるのとは異なる重厚な白い輝かしいカラーボックスにあった。そこには、やはり実際には持っていないはずのバイオリンをはじめとする様々な楽器の教則本や、絵画のための実用書などが並んでいる。

 何の本かは覚えていないが、一旦破ってそのあとテープで修復したらしい本も並んでいる。

 ところで、話は変わるが、最近、奥さんが病気をされている男性のブログをこっそりと訪問させていただいている。そのかたの奥さんは、わたしのようにだらだらと慢性病を病んでいるというのではなく、ただちに戦闘態勢に入って病因を撲滅しなければ生命に関わるような病気で入院中であるようだ。

 夫として、父親として、社会人としての飾らぬ思いが綴られており、何だか、ひじょうに美しい。不安、心配、苛立ち、弱音、甘えが吐露されてもいるのだが、それが一層美しさをそそっているような記述なのだ。

 すっかり感心してしまい、そして、なぜか落ち込んでしまった。

 書店の仕事を終えて帰宅した娘にも、そのブログを見せた。娘は食い入るようにブログを読んでいたが、やはり落ち込んだような顔をし、「こんなの、ありえない。見なかったことにする」といい、わたしたち母子は黙ってコーヒーを飲んだ。

 美しいブログの主が人間なら、わたしと夫は猿か、せいぜい北京原人だろう。どこがどうと、こまかく違いを並べる気力はないけれど、わたしたちは無骨、とだけはいえる。何かあったとき、わたしたちは互いのパニックをぶつけるだけ、といった場合が多い。というより、いつもそう。

 それに比べて、何て綺麗なんだろう。人間らしく、静謐で。普段の生活も美しいに違いない。わたしたちの喧騒と陰気と欲深さ(ひとことでいうと、身勝手)に満ちた生活に比べられるものではないだろう。世界が違う、文化が違う、吐く息が違う。

 とてもコメントを書く勇気はないけれど、奥さんのご病気が治られ、もとの生活に戻られることを祈ってやまない。

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コメント

マダムNさん、こんばんは~。お久しぶりです。
マダムNさんは素敵な人だと思いますよ。
だって、ブログからちゃんと伝わってくるもん。
だから、自分のことをそんな風に言わないで。
私、マダムNさんの事大好きですよ。素敵な文章が書けて、素敵なお料理もできるし、とっても感性が豊かな人なんだなぁって思ってます。
私もその方のブログ読んでみたいです。また教えてくださいね。

投稿: まる | 2006年12月10日 (日) 18:17

お久しぶり、まるさん。
ありがとう、まるさんって優しいのねえ。
でも、驚いちゃった。今まるさんのところへ行って、コメント書いてきたばかりだったから。すれ違いっていうのかな、こういうのも。

投稿: マダムN | 2006年12月10日 (日) 18:29

こんにちは。
大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。
タルコフスキーもとりあげています。
よかったら、寄ってみてください。

http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611

投稿: kemukemu | 2006年12月18日 (月) 23:59

Kemukemu様、ご訪問ありがとうございました。

先ほどブログにお邪魔しましたが、モノクロ写真が素敵なブログですね。
わたしはタルコフスキーのことはあまり知らなかったのですが、テレビで観て興味を覚えました。
映画館で観てみたい気がします。
またゆっくり閲覧させていただきたいと思っています。
楽しみを増やしてくださって、ありがとう!

投稿: マダムN | 2006年12月19日 (火) 00:39

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