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2006年9月23日 (土)

「あけぼの―邪馬台国物語―」連載第58回

 神殿で学んだはずの漢字でしたが、整然と並んだ文字を見ると、それだけで眩暈がする思いです。書からは、オレンジがかった黄色の強い光があたかもバリケードを築くように放射されて見えました。

 断片的な写しとはいえ、タルがこのようなものを、里に帰されようとしているわたしに渡したのは、何かの間違いであったとしか思えませんでした。

 タルが自分の一存でそうしたことなのか、女王のお指図に従っただけのことなのか、それすらわたしには分明ならず、時折思い出して取り出してみても、途方に暮れるだけです。〔

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