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2006年8月 1日 (火)

「あけぼの―邪馬台国物語―」連載第42回

「あのお方を知らないなんて、めずらしい。ここへ来たばかりなのですか。

 あのお方は女王様の姪にあたられ、この秋、20歳になられたばかりです。わたしども、ヤエミ姫とお呼びしておりました。

 聡明なお方でね、わたしどもの宮中の暮らしにもなくてはならないお方でしたのが、今宵の巫女職を最後として、もう20日もしないうちに、外交官のトシゴリ氏のもとへ御輿入れなさいますのよ。

 何でも、相思相愛を貫かれてのご成婚だとか……」

 わたしが話の内容を整理しているあいだに、官女たちのおしゃべりは更年期障害の話題へと移ってしまいました。

「あなたって、ナウくも、田舎じみても見える不思議な人ね。早く食事を終えてしまいなさいな。もうすぐ、あかりを消されてしまうわ。

 わたしの寝る室には5人いるのに、あなたには1人だけの室が与えられているのね。すっごい特権……。わたしの名はヨモギ。あなたは」
「マナ」

 こうして、ヤマトのクニでの2日目も暮れてゆきました。〔〕 

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