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2006年7月31日 (月)

「あけぼの―邪馬台国物語―」連載第41回

「女王様のお跡継ぎは、あの姫君をおいては、と思っていましたのに。風姿のまばゆさもさることながら、あの知性や霊性は、まこと、女王様のお血筋ですね。それが、まさか、御輿入れなさるなんて、思いもよらないことでした」

 わたしの耳はとたんに馬鹿デカくなり、芋を食べるどころではなくなりました。

「小母さん。今宵の舞姫は、どういうお方なのですか?」

 わたしが唐突に小母さんと呼んでしまった冴えない顔色の官女は、怪訝そうにわたしを見、他の官女たちも呆れた面持ちでわたしを見ました。

 皆上品そうで、お高くとまっている感じはありませんでしたが、宮中に仕えているくらいですから、この人たちはエリートといってよい人たちでした。ただの小母さんというわけではなく、大人(たいじん)の令嬢たちの中から選びぬかれた官人(かんにん)なのです。

 それを裏書きするかのように、見るからに誇りやかで、匂やかさもありましたが、見かけよりも普通の人々のようでした。尤も、井戸端会議では誰しも、多かれ少なかれ、俗臭を漂わせるもののようではあります。〔〕 

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