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2006年7月26日 (水)

「あけぼの―邪馬台国物語―」連載第37回

 月が潮の満ち引きを司っていることは明らかですが、月の満ち引きは人の生死にかかわりがあるとされ、また、女人ならば、誰でも、月経と月との親和性を想わずにはいられません。

 そして、女王の一族は、月から大いなる知識を汲みとってきた一族でした。古くから、月を読んで季節の移り変わりや、天候を予測することをなりわいとしてきた女王の一族が、支配層をかたちづくるようになったのは、自然の成りゆきのようにも思えます。

 そうして、月を神秘力の源泉と見、その作用から月を神聖な女性原理の象徴と見る一族のあいだで、厳選された女人が重要なポストに就くようになったのも、当然の成りゆきであったことでしょう。

 川に辿り着いた一行の中から、供えものをかかげ持つおとめたちが進み出、お月様にお供えをします。わたしも教えられた位置に新芋の器を置きました。置きしな、別のおとめの置いたお団子が目にとまり、わたしのおなかがぐうと鳴りそうになりました。

 おお、そうです。考えてみれば、昨日から、何も口にしていないではありませんか。これは、わたしにとっては、由々しき問題でした。〔

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