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2006年7月21日 (金)

「あけぼの―邪馬台国物語―」連載第35回

 タルはそのまま居残ったので、わたしはひとりで自分の室に戻り、持ち物の中から、父の形見の石と、不思議な女の人のくれた木の実をとり出しました。

 二つを置いた横に、女王からいただいた首飾りを置き、宝物が三つになったわ、と思いました。

 宝物を仕舞った後、わたしは寝床に頬をつけて、叔母の家を思い出していました。タルは戻って来ず、わたしはひとり放置されたままでしたが、呑気なわたしは、またもや眠ってしまったのでした。

『わたしの乗る馬の準備ができていませんよ』という、女王の声がわたしの夢の中で響き渡り、わたしは飛び起きました。 

 その時、わたしと同じくらいの年恰好のおとめが入ってきて、わたしを呆れたように見ました。

 彼女は左右の腕に二通りの衣をかけています。一方は白い衣で、他方は茶色い衣でした。〔〕 

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