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2006年7月10日 (月)

「あけぼの―邪馬台国物語―」連載第28回

『おとめよ、わたしの祖父母は誇り高いイトの人であった。イト国は朝鮮半島からの渡来人が元の住人とまとまってつくりあげたクニで、隣国のナ国を圧えて強大化した。

 118年の昔(107年)帥升(すいしょう)という王たちが生口160人を献じ、初めて中国に「倭王」と呼ばしめる史実をつくった。栄華ははかないもの。

 大乱後、イト国はヤマト国の治下に入り、祖父母の領地は召しあげられ、祖父母は命からがら、マツラに落ち延びたのであった。

 イトには大陸の言葉を解する者が少なくない。ゆえに、連合国時代になってからも、イトは交易の拠点としては健在だ。

 ここに置かれる大卒(だいそつ)という官は、交易を統制し、ヤマトのクニより北方のクニグニ全てを検察する仕事をこなすが、わたしはその下で使い走りをしていたことがあった。

 タルを見つけたのはその時だった』

 わたしは驚きのあまり、しゃっくりが出ました。『タルを見つけた、ですって』〔

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