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2006年7月 6日 (木)

「あけぼの―邪馬台国物語―」連載第24回

 わたしの里にある銅山のことが、これほど話題にのぼるとは思いませんでした。

「あの山容は、中国江南の茅山(ぼうざん)に似ているという話です」と、甲高い掠れ気味の声ながら、ものやわらかいアクセントを持つ声がしました。

 黄ばんだ顔の中で、瞳ばかりがすばらしさに満ちている人で、その瞳は知力を超えた何ものかを感じさせる瞳です。

 この人が女王連合国きっての外交官であり、この時から13年の後に魏(ぎ)の皇帝より、卒善中朗将(そつぜんちゅうろうしょう)という武官の称号と、銀印青綬(ぎんいんせいじゅ)※銀の印と青の組み紐)を賜ることになるナシメさんなのでした。

 中国は、異国との友好関係を結ぶにあたり、官位と印綬を与えて外臣(がいしん)の位階を授ける方式を採っていたのです。

 ナシメさんはナのクニの出身でした。

 湾に面したナのクニは進歩的なおクニ柄で、167年も昔(57年)に後漢王朝の光武帝から金印を授かった王様のことは、お母さんが幼児に話して聞かせる昔話にもなっています。

 水田の整備技術や青銅器の鋳造センターとしても、ナのクニは有名な処なのでした。〔

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